ウルムチで大規模な官民衝突が発生

2009年07月07日

日本でもすでに報じられている件。

7月5日の『RFA』より。

(前略)

ARPは、日本のウイグル族活動家の情報を引用し、およそ1,000人ほどのウイグル族と警察とで衝突が発生し、多くが逮捕されたという。警察は、電撃警棒を使ったり空に向けて発砲したという。AP通信は目撃者の話として、爆発が発生し、数人の怪我人も出たと報じている。このほか、デモ隊が一端解散した後、当日の晩に再び400人が集まり抗議を行ったという。聞くところによると、この衝突は、広東省韶関旭日おもちゃ工場で数日前に漢族とウイグル族工員との衝突の延長で、ウルムチのウイグル人が、ウイグル人が漢人に襲撃されたことを不満に思い、これが騒乱が発生した原因だという。

政府側は、この殴打事件は、ネット上でウイグル族工員が漢族の女性を強姦したというデマが広まったためであると述べていた。デマを広めた犯人は、すでに逮捕されている。

RFA「鳥魯木斉発生騒乱 至少三人死亡

『博訊網』より。

昨日の晩、新疆ウルムチで騒乱が発生し、当局は事態の拡大蔓延することを防ぐために、今日、それぞれのウェブサイトニュース掲示板を閉鎖し、新疆のウェブサイト天山網や鳥魯木斉在線を全て閉鎖した。現地のネットユーザーの最新の情報によると、現在ウルムチ全市で戒厳令が実施されており、ネット通信が制限され、新疆モバイルや新疆テレコムは、ネットに接続できない理由として、昨日破壊事件が発生したために、事態が蔓延し拡大することを防止するために、政府がネット通信管制を行っている、終了時間は不明であるとしている。

(後略)

博訊網「新疆鳥魯木斉騒乱事件当局開始打圧封鎖消息

写真多数
博訊網「新疆鳥魯木斉発生維吾爾暴動:震撼図片
daylife「Xinjiang
tinypic「20090705 in Urumqi,Xingjiang,China

5日に即座に報道管制を敷いた当局ですが、6日なり一気に関連情報を流し始めます。

これまでは、情報自体の拡散を防ぐことを目指し徹底した情報封鎖を行っていましたが、ここ最近は情報封鎖による”デマ”の拡散を防ぐとともに、積極的に当局側のハイレベルな人間を前面に出してプロパガンダを流すという方法を採用しております。ネットを遮断しても上記のような映像や画像が流出しているのですから封じ込めることなどすでに不可能で、情報封鎖することで広がる”デマ”や疑心暗鬼の拡散を防ぐ方向へとシフトしているようです。

今回も6日早朝に自治区主席が声明を発表するという迅速さです。

それを伝える新華網のタイムススタンプが「11:01:55」とある記事をば。

新疆ウイグル自治区主席の努爾・白克力は6日早朝のテレビ談話の中で、5日晩にウルムチで発生した破壊掠奪放火という重大な暴力反税事件が発生し、これは典型的な海外からの指揮による、国内での行動であり、計画的で、組織的な破壊掠奪事件であると指摘した。それぞれの民族の団結が磐石である中、3つの勢力の扇動襲撃は必ずや各民族から軽蔑され、敵の分裂破壊活動は完膚なきまでに失敗する運命にある。

6月26日に広東省韶関市のおもちゃ工場の一部の新疆籍の工員とこの工場のほかの工員とが衝突し、数百名が殴り合い、120人が負傷し、うち89人が新疆籍の工員で、2人の新疆籍工員は応急手当の甲斐なく死亡した。事件発生後、海外の3つの勢力は大げさに騒ぎたて、中国を攻撃する機会とし、街頭での抗議行動を扇動し、国内の敵対勢力と呼応した。

7月5日20時ごろ、新疆ウルムチ市で破壊掠奪放火という深刻な暴力犯罪事件が発生した。23時30分までに、多くの一般群衆や武装警察1名が殺害され、多くが負傷した。自治区は直ちに部署を立ち上げ、処理し平穏な事態となるよう措置を行った。

努爾・白克力は、”6.26”事件は典型的な社会治安案件であるが、国内外の3つの勢力が大きく騒ぎ立て、中国の党と政府に悪意ある攻撃を行い、様々な手を使って真相を知らない群衆を扇動し、抗議行動を行い、民族の団結を深刻に破壊し、和諧と安定局面を破壊したと語った。

歴史が無数に証明していることは、安定は福であり、動乱は災いであるということだと述べた。全ての民族が団結しうまくいっていれば、急速に新疆の経済社会が発展し、それぞれの民族人民が実際の恩恵を多く受けることができるが、これとは逆に、全ての民族の団結が破壊されれば、社会は揺れ動き、発展は停滞し、それぞれの民族人民は災いに遭遇することとなる、彼は語った。それぞれの民族人民が団結し社会の和諧安定が、新疆2,100万の各民族の人々を含めた中華民族の最高の利益となるのだ。

白克力は、新疆では、安定こそが全てであると言う。ここ数年、我々は、民族分離主義や不法宗教活動に反対という旗幟を鮮明にしてきた。今日の新疆の各プロジェクト事業は活気に溢れ、各民族の人々の和睦と団結、安らかな暮らしと仕事、この大変素晴らしい局面は容易なことではなく、我々は、各民族の共同団結奮闘、共同繁栄と発展という非常に良好な局面を維持することに更に力を注がなければならず、和諧安定の社会政治的局面をより一層大切にしなければならない。

新華網「新疆維吾爾自治區主席努爾.白克力談烏魯木齊打[za]搶燒嚴重暴力犯罪事件(7月6日 11:01:55)

全体はウイグルで騒乱が発生した際のテンプレ声明ではありますが、もし本当に組織的に行われたものであるのなら、チベットに比べ組織力が弱かったウイグルが連帯し始めたことを示す事件であるのかも知れません。

でタイムスタンプが6日の「04:23:47」とある記事では、”扇動した海外組織”として「世界ウイグル代表大会」の名前を挙げております。

日本でもすでに報じられていますが、中共当局は具体的な死者数などを、なんと6日の昼に記者会見を開いて発表しております。

暴動対処方法が変わっているということもあるのでしょうが、先のチベット動乱で、官民衝突ではなく民族対立、更には外圧による暴動に仕立て上げれば、圧倒的多数を占める漢族はウイグル族の方を向き、また愛国心を刺激され当局側にその矛先が向くことはないということを学んだということもありそうです。

6日の12時30分、新疆ウイグル自治区で行われた記者会見の席上、自治区人大常務委員会副主任、ウルムチ市委員会書記・栗智は、ウルムチの”7.5”事件の死亡者数はすでに140人に達し、そのうち57体の遺体が辺りの路地裏で発見され、負傷した者は800人以上になると述べた。

5日晩、ウルムチで破壊掠奪放火という深刻な暴力犯罪事件が発生した。今回の事件で、ウルムチは、公共バスが260台、民間の車が50台ほどを含め車両260台が破壊され、商店203戸、民間住宅が14戸が破壊され、総延焼面積は56,850平米に達し、全市で220箇所以上が放火され、ビル2棟が焼け落ちた。

(中略)

ウルムチ警察は、すでに数百人の参加者を逮捕し、その中には10名ほどの主犯格を含んでおり、警察の調査で、破壊掠奪放火に直接参加した主犯格分子を全力で取り調べ中である。

ウルムチ公安、武装警察は、重点地区に検問所を設け、ウルムチ周辺の昌吉、トルファン、巴州などにも検問所を設け、暴徒が逃亡を食い止めている。

(後略)

新華網「烏魯木齊“7.5”事件中死亡人數達到140人

この夏、ウイグルへの旅行を計画されている方は、注意とともにある程度の覚悟が必要かと思います。えぇ、私も夜中に寝台バスで寝ているところを銃を突きつけられて起こされたことがございます。

当局側(CCTV)のニュース映像。

一見多くの情報が流出しているように見えますが、ほとんど全てが当局側が流している情報です。現地の抗議者側からの情報は、今のところ見当たらず、抗議者が組織的なものであったのか、偶発的に広まったものであるのか、何を叫んで行進したのかすらよくわかりません。時間を置かずに出せる情報を一気に出している当局側が、情報戦において主導権をとっているように見えます。

そんな中、「在米ウイグル人協会声明」が声明を出しております。「真silkroad?」さんが、その声明を和訳し紹介されています。一部を引用してみます。

(前略)

2009年7月5日日曜、ウイグル人の学生がウルムチにおいて、中国当局による2009年6月26日の広東省韶關市の玩具工場での暴徒によるウイグル人労働者の殺害と撲打への不満への対応への不満を表明する為の抗議活動を組織した。

抗議者の目的は韶關市での犠牲者の為の正義を求め、殺害されまた負傷した人々の家族への同情を表現する為のものであった。

報道は2009年7月5日ウルムチ二道橋地域を1,000人から3,000人の抗議者が行進したことを示している、何人かには中国国旗を振っていた人間もいた。

(後略)

真silkroad?「ウルムチ抗議活動で140人死亡:在米ウイグル人協会声明
Uyghur American Association「Protest in Urumchi violently suppressed by Chinese government forces

(強調は引用者)

日々是チナヲチさんによる世界ウイグル会議日本代表・日本ウイグル協会会長であるイリハム・マハムティ氏への電話取材(凄いですね)でも「みんなが持っていたのは中国の旗です」と述べておられます。

中国国旗を振っている人間が本当にいたのかどうかわかりませんが、いたとすれば当局は、この映像や画像だけは是が非でも流出させたくないでしょうね。

零八憲章を毛沢東語録みたいなポケットサイズで発刊し、民族を超えた中共に対する抗議のシンボルになったりする可能性はないのかな。大中華を掲げているし、ウイグル側も漢族に対する拭いがたい感情があるだろうから無理かな。

関連外部記事
日本ウイグル協会「世界ウイグル会議「東トルキスタンで発生した虐殺事件に関する声明」
RFA「鳥魯木斉発生中共建政后最大規模維族騒乱
21世紀中国ニュース「140人死亡のウルムチ騒乱=当局は鎮圧終了宣言、ネット封鎖も万全か
MSN産経ニュース「【ウイグル暴動】独立派を支える民族感情 不安定な状態継続は不可避
時事通信「新疆ウイグル暴動・識者談話

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posted by タソガレ at 00:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | ウイグル・新疆・中央アジア

日本人の北朝鮮感情が悪いのは日本人が不勉強だからだ

2009年07月04日

『朝日新聞』と中共外交部との間で、北朝鮮の金正雲が訪中し胡錦濤らと会談した、いやしていない、という応酬がしばらく続きました。この件を取り上げた6月29日付新華社傘下の『国際先駆導報』より。

メディアのいくつかの報道は、まるで007の小説を読んでいるかのようだ」、「『朝日新聞』はこの件に関して我々と接触していない。あなたが言っている事は、007の小説の続編か何かですか?」――外交部スポークスマン秦剛は、日本メディアのいわゆる”金正雲の北京訪問”報道に対して記者にこのように応えた。

6月25日、秦剛は定例記者会見の席上、日本の『朝日新聞』が金正雲と中国指導者が会談したというニュースを報じたことに対して再び触れ、「あなたは彼を信じるか、それとも私を信じるのか、自分で判断し選んでください」と述べ、これは秦剛がこの問題について述べた3度目である

検索サイトで”日本メディア、朝鮮”とキーワードを入れ検索すると、瞬時に300万件がヒットする。中国が再三にわたりはっきりとと述べても、このような”007物語”の執筆は、まだまだ終わらない。日本メディアは、北朝鮮に対する”過剰な関心”は、日本国民の北朝鮮に対する複雑な心理状態を表したものでもある。

虚報は”偽情報”から

『朝日新聞』は先週、北京発のニュースとして、北朝鮮の指導者・金正日の末っ子、金正雲は、すでに中国を訪問し、中国の指導者と会談した云々と報じた。この報道は、すぐさま韓国、アメリカの政府系メディアが転載し、それは”会談の内容”、”面会日程”、そして”随行人員”にまでおよぼ、生々しい”小説”となっていた。

”この報道は、本当に大きな関心を引き起こしました”と日本の共同通信社北京駐在の時事政治記者・水野雅央は、日本の自民党の元幹事長、日中友好協会会長・加藤紘一と中国の関連官員とが北京で会見終了時に『国際先駆導報』に述べた。更に彼は、この報道は皆の笑いの種になることは間違いないとも述べた。

彼の同僚で、中国国内のニュース報道を専門に担当している記者・塩沢英一も、日本や北京駐在記者たちの間でも、この話題で持ちきりで、中国側スポークスマンが否定してからは、ほとんど日本メディアは関連状況を報道したが、『朝日新聞』は未だに沈黙していると漏らした。

イギリスの『フィナンシャル・タイムズ』の中文サイトの専属コラムニストの日本人である加藤嘉一は『国際先駆導報』に、日本の五大新聞(『朝日新聞』を含む)の記者達は、比較的仕事熱心であると言う。

しかしながら、一部の記者のこのような”仕事熱心”が、北朝鮮問題においてエスカレートしてしまっているという。例えば、いくつかの日本のメディアが金正雲の”スクープ”を得ようとするあまり、スイスで、彼らは金正雲の学友を狂ったように追い掛け回し、学友の母親たちまでもが驚き、「日本の記者は絶えず呼び鈴を鳴らし、(私達は)気が狂いそうです」という。一方、彼らは各国の空港で、金正男を”遮り”、毎回北朝鮮の高層の情報を得ようと彼の体に”覆いかぶさって”いる。

今回の『朝日新聞』の”根も葉もない噂”は、日本の同業者が見たところ、「我々には常に様々な人が偽情報を売ろうとしてくるのだが、この記者は騙されたのだろう」、と匿名希望の日本の記者は本紙に対して述べ、昨年、金正日の健康問題が報じられてから、様々な”噂”が次々と出てきて、「過去の経験と体験を頼りに、普通はこのような情報の源を厳格に考察しなければならず、怠れば簡単に騙されてしまう」と述べた。

取材拠点は北京

北朝鮮と日本は正常な外交関係がないために、両国の交流はゼロに近く、神秘である北朝鮮の全てが報道の対象となる。加藤嘉一によると、どのメディアもスクープができるので、競争力は言うまでもなく、「この対象が神秘であればあるほど、メディアの影響力は大きくなる」という。

如何にして自分の情報源を築き上げるかは、それぞれのメディアにとっても肝である。ひとりのベテラン日本の北京駐在記者は、北京、中朝国境年は、情報収集の主要な基地であるとと本紙に漏らした。「当然、ほとんどの日本メディアは鴨緑江を超えることはできない」

対して、日本の共同通信社は、他のメディアから嫉妬されている。平壌と協定を締結したことから、共同通信社は1人の記者を平壌に駐在させている。この記者は普段は北京に駐在しているが、2カ月に1回、平壌当局に事前に知らせれば北朝鮮を訪れることができる。「平壌で取材する際には、北朝鮮側の担当者を同伴しなければならないが、両国に外交関係が状況では、これも容易なことではない」と塩沢英一は述べ、「我々は平壌で若干の人間を雇っており、北京から遠距離”リモートコントロール”し、彼らに情報の補充をさせている」という。

解決しがたい3つの大きな問題

北朝鮮問題に対しては、日本のメディアは、北朝鮮の隣国である韓国以上に関心を寄せている。これは日本民衆の心理状態を表してもいる。『朝日新聞』並みに有名な別の日本の新聞社の記者は、「日本の民衆が北朝鮮を重点的に注目しているのは、日朝関係正常化、拉致問題、そして核実験が進展しないからだ」と本紙に漏らした。

如何にして北朝鮮との国交正常化を実現するのかは、戦後の日本外交の重大な課題だ。1990年代初めから、日本と北朝鮮は13回の国交正常化交渉を行い、特に日本の元首相・小泉純一郎は、平壌に2度の”電撃”的な”氷を砕く旅”を行い、両国関係に1度は希望の光が見えた。しかし、北朝鮮核危機が少しずつ進み、加えて日本国民が極めて関心を持っている”拉致問題”(1970年代に多くの日本人が思想史、日本はこれらの人々は北朝鮮に”拉致”されたと称している)が重なり、元々脆弱であった両国関係が再び凍りつくこととなった。

日本の民衆の最大の関心事である北朝鮮問題に話が及んだ際、取材した数名の日本の記者全員が、真っ先に”拉致問題”に触れ、この問題が依然として両国の間の最もほどき難い蟠りであることは明らかだ。加藤嘉一は、「拉致問題について、妥協したり弱腰になったりする日本の政治家がいれば、彼は落選するだろう」と語った。

であるので北朝鮮の核実験、ミサイル問題は、更に日本人の頭の中に”威嚇”と思わせるのだ。世界で唯一の被爆国として、日本国民は未だに”核となると顔色が変わる”という”敏感な反応から脱する”ことができずにいる。塩沢英一は、彼らが朝鮮の指導者の継承問題に注目するのも、「北朝鮮が次の一歩をどう出るのかを知りたい」為だと思っている。

多くの日本の世論調査が、日本人が敵国と見ている国家の第一が北朝鮮であることを示している。これに対して、共同通信記者も、多くの日本人が北朝鮮を仮想敵国と見なしている根本的な原因は「日本が北朝鮮に対して歴史認知が不足しているからだ」と本紙に対して指摘した。「過去の朝鮮の殖民地時代に、我々は彼らを傷つけたが、多くの国民はこの時期の歴史知識が非常に少なく、認識も非常に浅い」という。

国際先駆導報「日媒如何炮制渉朝“007式報道”

「日本の対中感情が悪いのは日本人が中国に行ってきた歴史を知らないからだ」

共同通信記者”も”」とあることから、この記事の筆者は共同通信の記者と意気投合したということなのでしょう。

この発言、塩沢さんのものなのでしょうかね、それとも水野さんのものなのでしょうか。それとも『国際先駆導報』の創作なのでしょうか。中国が反発する前に、何かと「中国の反発は必至だ」とやる人たちですから、言っていたとしてもなんら不思議はないのですが、こうもはっきりと記事にされるとドロドロとした感情が沸いてまいります。

今更ですが、北京発の共同通信の記事は、この手の人たちが送ってきているということを念頭において眺めないといけませんね。

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posted by タソガレ at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国・北朝鮮