官民衝突から民衆蜂起へ

2008年07月04日

7月2日付香港紙『明報』の論評記事をば。

最近発生したいくつかのニュースは公安と関係があって、貴州瓮安県の公安は不公平な捜査を行い、容疑者を庇い、また被害者家族を殴打し、民衆騒乱を引き起こし、公安ビル2棟が燃やされた。上海閘北区の公安分局では昨日、再び男が刀を持って侵入し、5人が死亡5人が負傷した。

表面上は、「暴力で警察を襲った」事件だと見ることができる。しかし仔細に調べてみると、2件の案件には次々と共通点を見つけることができる。公安の説明が人々を納得させることが出来ないだけでなく、隠せば隠すほど、疑惑が深まっているということだ。まず瓮安の案件では、3日間情報封鎖した後、ようやく公安が表に出て、家族が強姦殺人と疑っている女子中学生は、友達と晩御飯を食べてから散歩に出て、突然河に飛び込んで溺死したもので、だから自殺と断定したと説明を行った。しかし公安は、どうして17歳の李少女が、友達と夕食を共にし月明かりの下散歩していたときに突然自殺したのか、説明出来ていない。

警察側の言葉には次々と疑問が

上海警察流血事件では、公安は、昨年現地で自転車を盗んだ容疑で捜査された凶悪犯である楊某が、今回はこの恨みを晴らそうと犯行に及んだと非常に迅速に発表した。ところが理解に苦しむのは、内地の処罰条例では、軽微の窃盗の処罰は最大でも十日間の拘留で、罰金は1,000元を越えないのだ。楊某にこれほど深い恨みを抱かせ、警備員に斬りかかざるを得ないような捜査ってどんなんだよ、って聞かずにはいられない。

上述の疑問点だけでなく、公安が賄賂のよって法を曲げていることで、ここ数年、多くのこのような報道を見ることができ、公安の誠実さと信用が深刻な危機に陥っている。実は、内地でここ数年、一時期騒がれた高鶯鶯、黄静などの案件を見るに、公安の出した結論は、真贋に関係なく、往々にして公衆を鼻であしらうもので、逆に言うと「扇動的な言葉」で、あっという間に火達磨となった。このような現象は、それ自体を重視するに値する。

実は、陝西の華南虎事件と同様に、瓮安騒乱もこれを反映したもので、地方政府の信用の危機なのである。

孫嘉業

明報「中國評論:政府信譽受考驗

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貴州瓮安県って黔南布依族苗族自治州内の県なんですね。ただ、被害者を含め事件当日被害者と行動を共にしていた人間全員、漢族と発表されているので、この発表を信じるなら今回は少数民族と漢族との対立という構図はなさそうです。下記が貴州省の現地公安が開いた記者会見を伝える記事です。

この会見によると、被害者は友人と夕食後川沿いを散歩していた際に突然「河に飛び込もうかしら」なんて言いだし友人が説得し平静を取り戻しつつ、その友人は橋の上で腕立て伏せを始めたそうな。腕立て伏せ3回目の時に突如彼女は河に飛び込んだそうな。

公安の会見の真偽はともかく、なんとなく、民衆の暴動のレベルが1段階上がったというか、質的変化を起こしているような気がします。これまで民衆は、背後で当局が糸を引いているであろう対チンピラであったり、当局が全面に出てきた場合でも、守るべきもの、土地であったり、農地であったり、家族であったりを守る、防衛戦だったのが、上述した論評記事が言及している2つの事件もそうですが、当局を相手に積極的に出向いて攻撃を加えております。

この2つの事件のほかにも、最近では四川大震災でおから工事によって子供を亡くした親たちが、副書記の土下座による阻止を振り切り市庁舎に押しかけておりました。更には支援物資を横領しているとして多くの人々が当局を攻撃し流血騒ぎとなっておりました。これより前には、チベット。そして昨年の大きな事件では、広西で一人っ子政策への反発から郷鎮政府が襲撃されました。

実は、この2日に湖南省の張家界で、建物の撤去を巡るトラブルから不満を持った住民が政府ビル前でガスボンベを爆発させ12人が負傷、うち5人が重傷という事件が発生しております。

更に貴州省で、省政府に陳情に訪れた農民らが公安に排除された際、毒薬で飲んで集団自殺を試みるという事件が発生していたりもします。7人が毒を飲み、病院に運ばれたようです。

農地を召し上げられタバコ工場が造られ、そのタバコ工場で農民工として働くも2003年に工場が倒産。戸籍が農民のままなので都市に働きも行けない。農業に戻るにも土地がない。なんとかしてくれと陳情するも公安に排除。そして服毒集団自殺。

守るべきものを失った人々が最後の抵抗を・・という事件が目に付きます。

以前から同じような事件があったのでしょうけど、何となく全体として変わってきているのかなぁ、なんて思います。官民衝突と言うより民衆蜂起と言った方がしっくり来る事件が多くなってきているような気がします。

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posted by タソガレ at 00:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 暴動・衝突・争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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