米高官、対中輸出規制を語る

2008年08月01日

中華民国の立法院院長、王金平がアメリカ訪問中で、下院議員議長ペロシと会談したとか。王金平は8月9日に来日するようですが、日本でも衆議院議長と・・・・あっ、無理っすねw

王金平は、今回の訪米で盛んに武器輸出を行うようにと働きかけているようです。ブッシュが五輪の開会式のため訪中した際に胡錦濤に武器を売却すると直接伝えるだろう、なんて話があったりするようです。

また彼は、7月16日に太平洋司令官キーリングが「台湾への武器輸出は緊急性がない」と発言した同じヘリテージ財団を31日に訪れ、講演を行ったようです。

表題の件。

アメリカの輸出の話ですが、こちらは共和国、中華人民共和国への輸出の話を『VOA』より。

アメリカ商務省副部長マリオ・マンキューゾ(Mario Mancuso)は、米中貿易は世界的に最も重要なものであると同時に、もっと複雑な経済関係であると述べた。この高級官僚は、アメリカ商務省が対中輸出制限措置を制定した目的は、米中貿易を最大限度促進させると同時に、制限を設けて輸出をコントロールすることで、アメリカの国家安全利益を確保することだと語った。

アメリカ商務省で産業安全問題を担当している副部長マリオ・マンキューゾは、ワシントン国際貿易協会で行われたシンポジウムの席上、冷戦の終結は我々に敵味方を明確に分ける時代に終わりを告げさせ、国際貿易関係は更に錯綜し複雑なものとなったと述べた。同時に、中国などの新興市場の勃興によって国際競争が激化し、アメリカの輸出制限の任務は極めて困難となり、適切な匙加減を把握するのが難しくなったという。

貿易促進と安全への配慮

マンキューゾは、アメリカ商務省は貿易を促進し繁栄させると同時に、国家安全の利益にも配慮しなければならないと語る。商務省傘下の産業安全局が、貿易関係における国家安全の確保問題を担当している機関だと教えてくれた。

「まず産業安全局は、経済部門の国家安全機関で、ここは貿易と安全問題とのバランスを保つのではなく、そのような取引を行うこともない。ここの厳格な使命は、アメリカの安全と利益を保護することだ。我々は、経済問題は非常に重要であると確信しているが、我々は国家の安全と関係のある政治経済に影響する経済問題をより重視しているのだ」

マンキューゾは、産業安全局のもうひとつの任務は、輸出制御を実行し、アメリカの科学技術戦略のトップの地位を確保することだと述べた。

ビジネスチャンスとリスクは表裏だ

産業安全事務を統括しているアメリカ商務省副部長マリオ・マンキューゾは、国家の安全を考慮すると、中国、インド、そのほかのアメリカの貿易パートナー全てにおいて、巨大なビジネスチャンスをもたらすと共に、巨大なリスクももたらすのだという。

「中国とインドは、両国ともアメリカの重要な貿易パートナーで、我々アメリカはこの両国との関係を重視している。当然アメリカは、両国それぞれを区別していて、アメリカとインドの間には戦略的パートナー関係が存在しているが、中国との関係は更に少し複雑な関係だ」と彼は言う。

中国との商業的関係に言及し、アメリカ商務省の産業安全事務を担当している副部長マンキューゾは、昨年ブッシュ政権は中国に輸出されたいくつかのハイテク製品に対して「慎重な制御」という追加規定を制定した。産業安全局が公布したいわゆる「中国条例」がそれだ。

マンキューゾによると、「中国条例」を実施するのは2つの目的があって、1つはアメリカと中国との輸入を促進し、アメリカのハイテク製品方面における中国の会社との間の貿易の良好な関係を保持するということで、2つ目は、ごく一部の軍民両用の敏感なハイテク製品に対して厳格な制御を実施し、これらの製品が中国の軍隊に流入することを防ぎ、北京の軍事の近代化という野心を刺激しないためだという。

中国の5つの会社が「信頼に足る顧客」に

2007年10月、アメリカ商務省は、「中国条例」を公布してから4ヵ月後、5つの中国企業がアメリカの審査を通過し、それぞれ許認可されなければならず、アメリカの輸出するハイテク製品を受け取るのに「信頼の足る顧客」となった。しかしアメリカが、今に至るまで新たに認可した中国企業はない。アメリカ商務省で産業安全を担当している副部長マンキューゾは、その原因について次のように解説した。

「我々が5つの中国企業のリストを発表したとき、なぜ我々が極少数の中国企業に対してだけゴーサインを出したのかという理由を十分に説明した。我々は、いくつか更に増やすことはできるが、我々の認識では、この種の審査項目は非常に重要で、事は国家の安全に関わることなので、我々はいい加減に行うつもりはないのだ。更にあなたたちもご存知のように、中国の事情は非常に複雑で、慎重なぐらいがちょうどいいのだ」

輸出制限の輸入超過に対する影響は非常に極小だ

マンキューゾは、アメリカが公布した「中国条例」に対する中国政府の反応は強烈で、公式、非公式の場で、このような輸出制限措置は正常な米中貿易を阻害するもので、アメリカの対中貿易における巨額の貿易赤字についてある程度の原因となっていると何度も非難していると漏らした。しかしマンキューゾは、このような非難は事実に反すると認識している。彼はVOAの記者の質問に次のように答えた。

「2007年の統計の数字を使ってこの問題は明らかにできる。米中貿易における巨額な二国貿易の中で、商務省の審査が必要な中国への輸出製品の占める割合は1%にもならず、アメリカの巨額な対中貿易赤字に比べると、取るに足りない額だ。アメリカの対中国ハイテク貿易に限ってみてみても、輸出に特別許可が必要なものの比率は2.2%でしかない」

アメリカ商務省の統計データーによると、アメリカの2006年の対中国ハイテク製品輸出は44%も激増し、総額177億ドルにもなり、その年のアメリカの対インドあるいはロシア市場への輸出総額よりも高かったという。専門家は、これが2007年にアメリカが「中国条例」を公布した原因のひとつだろうと認識している。

VOA「美商務高官談対華貿易和出口控制(2008年7月31日)

そういえば日本でもヤマハが中国に無人ヘリを輸出したとして、輸出禁止処分を食らうというできごとがありましたね。

産業用無人ヘリコプターを中国企業に不正輸出しようとしたとして、経済産業省から今年2月まで9か月間の輸出禁止処分を受けたヤマハ発動機(磐田市)が、7月から無人ヘリの輸出を再開した。

同社によると、経産相の許可を得て、韓国の農業団体向けに農薬散布用の20機や散布装置を17日に輸出し、年内にさらに6機を輸出する計画があるという。

同社の無人ヘリは、全地球測位システム(GPS)を搭載し、操縦装置から手を離しても空中で静止する機能などから輸出許可が必要な規制品とされ、経産省は用途や輸出先を審査して許可したとみられる。同社は、農業団体側からの要望で輸出を決めたとしている。

同社は2005年12月、軍事転用が可能な無人ヘリ1機を経産相の輸出許可を得ないまま中国企業に輸出しようとして税関で差し止められた。

外為法違反の罪で同社に対する罰金100万円の略式命令が確定。経産省は昨年5月、同法に基づき、無人ヘリや付属品、部品を9か月間の輸出禁止とした。

読売新聞「ヤマハ発  無人ヘリ輸出再開(2008年7月30日 )

日本にも「中国条例」みたいなのがあるのかな。

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posted by タソガレ at 00:07 | Comment(3) | TrackBack(0) | 経済関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
まぁ、前にも言いましたが輸出解禁は時間の問題かと。
中国に兵器部品を大量に売れれば、日本はあまり重要でなくなります。

関係ないけど竹島も帰属問題も、いったん中立にすると言ったのに、また韓国領に表記を戻すなど、
アメリカの日本に対する比重は明らかに下がっています。

遅かれ早かれ兵器の輸出は解禁されるでしょう。
Posted by まる at 2008年08月01日 04:57
王金平立法院長は、麻生さんに会いたがっていたようですけどね。
Posted by ajaj at 2008年08月02日 08:00
> まるさん。
> 遅かれ早かれ兵器の輸出は解禁されるでしょう。
そうならないように働きかえるとともに、そうなった場合に備えて環境を整えておくことが必要ですね。


> ajajさん。
麻生さん、幹事長になっちゃいましたね。
今回のタイミングなら幹事長であっても中共からの激しい抗議はないでしょうが、麻生さん自身のスケジュールの都合がつかないかも知れませんね。
Posted by タソガレ at 2008年08月02日 12:03
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