・・・無理だけどw
まず、激しく今更ですが、オリンピック開幕直前にリークされた毒餃子事件について。
例の天洋食品の毒餃子が中国内で出回り6月に中毒事件が発生していたとリークされたのは、オリンピック開幕直前でした。日本では大騒ぎとなりましたが、これを伝えた中国のメディアはありませんでした。中国内から閲覧できるシンガポールの『聯合早報』が、日本メディアの報道を転載する形で伝えていたのですが、報じられた数日後には「百度」の検索結果から弾かれておりました。
これだけでなく、開会式に出席したついでに行われたフフンと胡錦濤との会談、つい先日行われた高村外相と戴秉国、楊潔チとの会談でも「毒餃子」事件は議題になったと日本では伝えられていましたが、これを伝えた中国メディアはありません。厳しく報道管制が今尚、敷かれています。
- 外務省「福田総理の中国訪問(概要及び評価)」
- 外務省「高村外務大臣の中国訪問」
- 新華社「胡錦涛会見日本首相福田康夫」
- 外交部「戴秉国会見日本外相高村正彦 (2008-08-17)」
- 外交部「楊潔[チ]会見日本外相高村正彦 (2008-08-18)」
実は13日の外交部定例会見で、この件に関して質問が飛び、外交部は中国内で中毒事件が発生していたことを認めていたのですが、この質疑は外交部のサイトには掲載されていません。
- 星島日報「官方證實國内出現毒餃子」
- 外交部「2008年8月13日外交部発言人秦剛在例行記者会上答記者問」
この件がらみで気になった記事を2本スクラップ。
【北京6日共同】中国外務省は6日、中国製ギョーザ中毒事件をめぐり「中国国内で6月中旬に中毒事件が起きていた」と認めた。その上で「中国政府は事件を極めて重視している。公安省が全力を挙げて捜査を展開している」と表明した。
共同通信の書面質問に答えた。質問は「天洋食品(中国河北省)が回収した冷凍ギョーザで、6月中旬、中国国内で中毒事件が起きたか」との内容。回答は、天洋の回収食品と中毒の関連性を強く示唆、農薬が日本で混入した可能性が高いとする中国側の従来の主張を大きく転換する内容だ。
一方、工場地元の河北省衛生庁衛生監督局は天洋食品のギョーザについて「同じ皮でつくったギョーザはすべて廃棄してある」と述べ、国内で流通したとの見方に疑問を呈した。輸出食品の安全管理を担当する中国国家品質監督検査検疫総局は「日本からの報道で初めて知った。事実関係を確認中」と述べ、事件発生の確認を避けた。
共同通信「中国、国内でギョーザ中毒認める 日本で混入の主張転換」
外交部と検疫総局との対応の温度差も気になりますが、それ以上に外交部の用意周到さの方が気になります。まるでリークされ報道されることを知っていたかのような周到さ。大事件があると「関係部署に聞いてくれ」、「その情報についてはそれ以上知らない」なんてはぐらかし、実際に情報がないんじゃないかと多々思わせる外交部が、この件に関しては先陣を切っております。胡錦濤、中央の意向が働いているのでしょうか。
そして・・・
【北京=福島香織】8日付の香港紙、星島日報によると、中国国家品質監督検査検疫総局の食品生産監督管理局の●(=烏の右におおざと)建平局長(42)が2日に飛び降り自殺した。自殺前に司法当局と接触したとの情報もあるという。
食品生産監督管理局は中国国内の食品安全を担う部署。日本で問題になった天洋食品(河北省)製造のギョーザによる中国国内の農薬中毒事件への対応も、同管理局が責任を負うが、この件が自殺と直接、関係しているかどうかは不明だ。
同紙によると、五輪開幕にあたって、自殺については報道統制が敷かれているという。また、5日には李長江総局長が検査検疫総局内の規律の徹底を求めたという。
MSN産経ニュース「中国の食品監督局長が自殺」
ソースはこれ。
- 星島日報「質監總局司長?建平跳樓亡」
血生臭い政争の薫りがプンプンいたします。
外交部が、中国内での中毒事件の発生を何度も認めているにも関わらず、未だに厳しく情報統制が敷かれているのは紹介したとおりです。宣伝部を統括しているのは江沢民や曽慶紅に近かった李長春です。そして司法を統括しているのが、これまた曽慶紅に近いNO.9の周永康です。彼は前公安部長でもあります。この周永康とNo.8の賀国強と曽慶紅とは、石油利権で繋がっているなんて噂があったりなかったり。この賀国強は、腐敗などの摘発を行う中央規律委員会を統括しております。胡散臭いですねぇ、嫌なにおいがプンプンします。もしかすると、胡温体制は形骸化しているのかな、なんて思ったりもします。
日本のメディアは日本政府だけを叩くのではなく、日本側への発言と中国内への姿勢とが大きく違うことも合わせて報じてプレッシャーをかけたり、胡錦濤の指導力を疑問視するような煽りを入れたりすると面白いのに、なんて思います。
表題の件。
福州税関の統計によると、今年上半期、福建省のウナギの蒲焼の輸出量は8,350万トン(※)で、昨年の同時期と比べて58.2%の下落で、売り上げは1.1億ドルで、52.3%の下落だという。
今年上半期の福建省のウナギの蒲焼の普通貿易と加工貿易の輸出は、両方とも下落し、その中でも、普通貿易の輸出量は5,484トンで、43%下落し、これは同時期の福建省の総輸出量の65.7%を占めている。加工貿易の輸出量は2,866トンで71.5%の下落で、アメリカ、EU、香港、韓国などの主要市場への輸出量は皆増えたが、日本への輸出が大幅に下落し、全体の輸出量が大幅に下落した。上半期、福建省が日本へ輸出したウナギの蒲焼は、5,725トンで、66.6%の下落で、これは同時期の省全体の輸出総量の68.6%を占めている。このほか、アメリカ、EU、香港、韓国にそれぞれ、805トン、584トン、430トン、308トン輸出し、それぞれ38%、87.3%、25.6%、8.8%増加し、以上の合計で同時期の省全体のウナギの蒲焼輸出総量の94%を占める。
福州税関の関係者の分析によると、福建省のウナギの蒲焼の日本への輸出量が減った主要な原因は次ぎの通りだ。ひとつ、ボーダーが絶えず高くなっていること。ウナギの蒲焼は、我が国が価格的優勢という特徴のある輸出農産品で、日本は本国のウナギ業者を保護するために、絶えず我が国が輸出するうなぎ製品に対してさまざまな過酷なウナギの残留薬品制限を設けている。2005年7月に日本は、我が国のウナギ製品に対してマラカイトグリーンの検出検査を強制し、2006年5月に日本は、正式に「残留農薬等に関するポジティブリスト制度」を実施し、2007年3月に「輸入食品監査検査計画実施細則」を再公布し、これによりウナギの蒲焼日本への輸出は挫折させられた。
2つ目は、食品安全の信頼へのマイナスの影響を受けたためだ。今年1月に日本で発生した「毒餃子」、「毒包子」などの事件は、国際社会のに我が国の食品安全に対して広範な注目を集め、我が国の輸出食品の安全信頼の危機を引き起こし、我が国の日本への食品輸出は深刻な影響を受けた。今年4月から6月までの期間、日本の神戸のウナギの蒲焼を経営する会社が検査で、我が国産の蒲焼を日本の愛知県産の蒲焼と偽造し販売していたことが明らかとなった。この偽造ウナギから使用が禁止されている「マラカイトグリーン」が検出され、これが日本の消費者に我が国の蒲焼の食品安全への信頼に対して深刻な影響を与えた。
3つ目は、原材料の活ウナギの不足だ。今年初めの寒波による雪、凍結被害の影響で、我が国の福建省と江西省などの一部の主要な養殖ウナギ場の保温生簀などの基礎的設備が雪の被害によって破壊され、更に今年は台湾、韓国、日本などのウナギ生産地の養殖量や稚魚養殖量共に少なく、中国大陸の活ウナギの需要不足を直接引き起こし、活ウナギの供給不足による蒲焼生産量の減少を招いた。この影響に加え、飼料高騰という要素も蒲焼の値段を吊り上げ、これによって消費数が大幅に下落した。
これらに対して、福州税関は次のような提案を行った。ひとつ、蒲焼の安全のコントロールの強化引き続き行うこと。更にウナギの残留薬制御体制を強化し築き上げ、蒲焼の生産、加工、運搬、貯蔵の安全性を重視すること。同時に、事前警告システムの技術的障壁の改善を進め、日本への蒲焼技術障壁の研究を強化し、日本への蒲焼輸出状況を密接に監視し、実際の輸出状況にあわせた事前警告システムを用いることで、企業が的確な対応処置を取りやすくし、企業が迅速に日本の技術障壁を超える手助けをすること。2つ目は、蒲焼の食の安全への宣伝に力をいれ、日本の消費者に対して我が国の蒲焼に対する安全信頼の回復に努力し、失った蒲焼消費市場を奪い返すことだ。
中国食品産業網「福建省[火考]鰻日本出口大幅下降」
※:記事本文では「8,350万トン」だけど、おそらく「8,350トン」の間違い
財務省の貿易統計で中国から日本へのウナギ加工品(品目:1604.19-010)を検索して、2007年と比較してみました。
| ウナギ加工品 (1604.19-010) |
2008年 数量(Kg) | 前年度比数量 | 前年度比価額 |
| 合計 | 10386730 | -61.27% | -59.79% |
| 1月 | 2049546 | -47.19% | -45.03% |
| 2月 | 2139800 | -46.05% | -43.32% |
| 3月 | 1137868 | -69.03% | -67.80% |
| 4月 | 1624924 | -69.07% | -67.27% |
| 5月 | 1507668 | -71.27% | -70.19% |
| 6月 | 1926924 | -59.79% | -58.47% |
上の記事では、ポジティブリストやらウナギの価格の高騰などごちゃごりゃと書いてありますが、財務省の統計にあるように、品物が違うのに3月の輸入量が前月にも増してドーンと減っているのは毒餃子事件の当局の対応の影響でしょう。この辺りに中国内でイライラし、痺れを切らしている業界の突き上げがあったりするのかも知れません。
次に7月29日付けの記事より江蘇省の状況を記した記事で日本に関する箇所のみを。
上半期、江蘇省の農産品の輸出は9.6億ドルで、同時期に比べて29.4%の伸びだった。これには5つの主要な特徴がある。
一、農産品加工品の輸出は急激に増加し、輸出産品システムは更に最適化されたこと。1〜6月の江蘇省の農産品加工品の輸出は5.4億元で、同時期に比べて35.1%増え、農産品輸出平均より5.7%高く、占める割合は58.6%で、去年の同時期と比べて5.1%高い。一次産品の輸出は4.2億元で、同時期と比べて22.8%増えたが、平均より6.6%低く、その占める割合は44.2%で、昨年の同時期より2.3%低い。
二、野菜、水産品の輸出は引き続き下落し、家畜産品の輸出の伸びは良好だ。今年になってから、日本の「毒餃子」事件および我が検疫部門が輸出自動検査コントロールを強化した影響を受け、我が省の農産品の第一分類商品の野菜の輸出が深刻に妨げられ、量は増えたが売り上げは下がった。1〜6月の野菜の輸出は17.6万トンで、同時期と比べて6%増え、輸出額は9,976万ドルで、同時期に比べ5%下がった。トン当たりの輸出単価は567ドルで、同時期に比べて9.1%下がった。主要市場である日本への輸出は2,972万ドルで、同時期に比べ6.2%下落した。アメリカや日本などの国家の技術的貿易障壁が悪化した影響で、上半期の江蘇省の水産品の輸出は7,528万ドルとなり同時期に比べて1.9%下落し、占める割合は7.6%で、割合は更に下落しここ数年で最低だ。その中でも日本、アメリカへの輸出の同時期と比較した下落率はそれぞれ、30.3%、17.2%だ。
(中略)三、日本への輸出は引き続き下落し、欧米への輸出は急速に増加し、新興市場への輸出の増加は力強い。1〜6月の日本への輸出は1.7億元で、同時期と比べ10%の下落だ。依然として日本は我が省の農産品輸出の第一の市場であるが、その占める割合は下落し続けていて、昨年の同時期の25%から18.2%に下落した。
(後略)
商務部「上半年江蘇省農産品出口保持平緩快速搨キ」
日本やアメリカへ出荷できなくなった分を、それ以外の国々へ出荷するも足元を見られて値段を下げないと売れないということのようです。
ウナギと同じく財務省の貿易統計で「野菜(01103)」の輸入量を検索してみました。
| 野菜(01103) | 2008年 数量(Kg) | 前年度比数量 | 前年度比価額 |
| 合計 | 655300459 | -20.7% | -24.4% |
| 1月 | 117588505 | -10.6% | -13.9% |
| 2月 | 96331583 | -26.2% | -32.9% |
| 3月 | 77713091 | -35.2% | -38.8% |
| 4月 | 124192328 | -13.0% | -19.9% |
| 5月 | 119146137 | -24.2% | -22.3% |
| 6月 | 120328815 | -16.4% | -21.3% |
事件発生から半年を経て尚、日本への輸出量が回復しない状況、更には毒餃子の影響が他の産品にまで影響を及ぼしている状況にイライラしているであろう様は、商務部が、冷凍食品の生産量が未だに回復していないという『日本経済新聞』の記事を転載したり、厳しい情報統制を潜り抜け、北京の経済紙『財経』が、毒餃子事件についての日中両政府のやり取りを報じていたりする様子からも伺えます。
毒餃子事件によるマイナスの影響は、中国食材、中国食品への不信感に留まらず、総検疫局、公安部の逆切れ会見に象徴される中国当局の対応によって、中国そのものに対する不信感、嫌悪感にまで及び、また中国という国の本質を日本人に知らしめた事件だったと思います。この負のイメージを回復させるのは、・・・・無理でしょうな。
そういえば、オリンピック開幕してからの上海の下げ幅は目を覆うばかりですね。
追記:引き続き情報統制中
20日の外交部定例会見でも毒餃子についての質疑が行われていたようです。
【北京=佐伯聡士】中国外務省の秦剛・副報道局長は20日の記者会見で、中国国内でも「天洋食品」製の冷凍ギョーザの中毒事件が起きていた問題を日本政府に公表しないよう要請したことについて、「事件は調査中で、細部の公表は差し障りがある」と説明した。
その上で、副局長は「調査結果が明らかになる前に、結論を早々と出すべきではない」として、被害の状況など具体的な言及を避けた。
読売新聞「ギョーザ中毒の非公表要請で中国外務省、「調査中」と説明」
例の如く、外交部のサイトを覗いてみたのですが、この質疑も削除され掲載されていません。フフンが開会式のついでに行った、胡錦濤と温家宝の会談では両者は次のように述べておりました。
温総理からは、一日も早く真相究明ができるよう努力し、協力していきたい旨発言。胡主席からも、この件を一貫して重視しており、7月に訪日した際にも、一日も早く真相を究明するために日中が協力することで一致しているので、これを堅持し、適切に対処したい旨発言。
外交部「福田総理の中国訪問(概要及び評価)」
なのに外交部の公式見解すら掲載できない体たらく。胡温ダメかもわからんね。
そんな中、温州税関の統計で水産物の輸出も下落しているという記事が。原因として各国の安全基準が厳しくなったことと共に毒餃子事件の影響を挙げております。
- 浙江新聞网「国外市場門檻提高 上半年温州水海産品出口下降」
商務部のサイトが20日、『あさひしんぶん』の「日中外相会談で餃子事件の合同捜査強化で一致」という記事を転載しているあたり、イライラを感じなくもないです。
ちなみに、これも外交部のサイトには記述されていません。



加工品などへの利用が回復してきているのでしょうかね。
>この件に関しては先人を切っております。
先陣でしょうか?
壁|_-)ノ
訂正いたしました。