突然の辞任、驚きました。もう少し頑張っていただいて民主党をもっと揺さぶってほしかったのですが、福田さんの話を聞くと、もうこのタイミングでしかなかったのかなぁとも思います。
それにしても辞任会見の最後の質問者、あれ何すかね。「ひとごと」とは最もな指摘ながら、質問の前半と後半に繋がりが全くなく、ただ悪口言いたいだけちゃうんかと。
この辞任劇を中共メディアも速報で伝えておりました。昨日の今日ということもあるのか、興味深い論評記事を見ませんが、節目ということでいくつかスクラップしておきます。
まずは共産党機関紙『人民日報』から。
新華社東京9月1日電(劉贊記者)日本の首相・福田康夫が1日の晩、首相官邸で記者会見を開き、辞職を宣言した。
福田は、野党が国会で協力的でないため、多くの決定すべき事柄が処理できず、あるいは時間がかかりすぎるためだと述べた。日本の現在の経済情勢を考慮すれば、今後の国会では、このような情況は起こるべきでないと言う。彼は、新たな指導体制の下では政策の実現を図ることが必須であると思い、辞職を決定したという。
辞職は先週末に決定したと福田は述べた。今辞職を選択したのは、臨時国会まで少し時間があるので、政治的空白を作らないためだという。彼は、後任の自民党総裁の指導の下、更に強力な指導体制が形成され、国家と国民に利益ある政策の実現のために努力することを期待していると述べた。
過去を振り返り、福田は、与党が参議院で多数を占めていないという困難な局面で首相に就任し、就任直後から政治資金、年金記録、防衛省スキャンダルなど一連の長年積み重なってきた問題に直面してきたと述べた。しかし、地道に着実に改革を行い、最終的な成果はまだだが、方向は示したという。経済問題は、今年になり顕著になり、このため、8月はじめに大幅に内閣を改造し、8月29日に総合経済対策を打ち出した。彼は、自分の過去1年間の仕事は、今後の取るべき歩みの基礎を築いたものだったという。
福田の突然の辞任発表は、与党、野党、国民、みなを驚かせた。何人かの野党政治家は、福田が臨時国会開催前に突然辞任したことを”無責任だ”と批判している。
福田は、昨年の9月に安倍晋三に替わり日本の首相となった。野党が参議院で多数を占めているため、福田政権の運営は多くの妨害を受けた。同時に、国民生活に関する様々な問題によって、福田内閣の支持率は、今年はずっと低迷状態にあった。
人民日報「日本首相福田康夫宣布辞職」
大きな扱いと言えないまでも国際面の右上に位置しております。
胡錦濤の御用新聞『中国青年報』より。
9月12日の臨時国会まで2週間足らず、福田内閣はその歩みを止めた。9月1日晩9月30分(現地時間)、日本の首相・福田康夫は、官邸で緊急記者会見を開き、総理大臣の職務を辞すると宣言した。
(中略:フフンの会見内容)昨年9月に安倍晋三が首相を辞した後、福田は党内で麻生太郎を破り、自民党総裁に当選し首相に就任した。福田は、民主党など野党が参議院で優勢を占めているという”ねじれ国会”という状況に直面した。日本銀行総裁人事など重要問題を巡り、野党は参議院をコントロールし何度も審議拒否、あるいは否決を行い、福田の国会運営は前に進むことが困難だった。政策の施行を推進するために、福田は民主党との大連立を模索し努力したが、最終的に失敗に終わった。
今年初め、反テロ特措法案を延長し、5月にガソリンの暫定税率を復活させるなどの問題で、福田率いる自民党と公明党は、衆議院で3分の2という多数を利用して何度も採決し、強引に法案を通過させた。しかし、原油価格、食糧価格の高騰や年金記録問題の処理などの問題に対応することができず、更に高齢者の後期医療制度改革において元々支持層だった老人の批判にあい、内閣支持率が長期間に渡り低迷することとなった。7月の北海道でのサミット、8月の内閣改造も支持率を刺激し上昇させることはできなかった。
内憂外患という苦境の下、福田は、政権運営を続けることは困難だと判断し、このため自ら辞職を願い出た。福田が自ら漏らしたところによると、辞職を決めたのは先週末だという。
福田の辞職後、自民党はできるだけ早く総裁選挙を行い、新しい首相を選出する。今のところ、67歳の党幹事長・麻生太郎の呼び声が最も高い。
2005年9月に小泉が衆議院を解散して行った”郵政選挙”以来、これで衆議院を解散せず首相が替わるのは3回目となる。福田後の新しい首相は、その任期中に衆議院を解散し選挙を行うことは動かぬところとなった。
福田が辞職した同日の早い時期に、最大野党の民主党代表・小沢一郎は、正式に党代表選挙に立候補することを宣言した。他に立候補者がいないため、小沢は引き続く党党首を引き継ぐことが確定している。
小沢は、「庶民の生活感覚が全くなく、対応能力の欠如している自民、公明両党の政権は、できるだけ早く歴史の舞台から消えるべきだ」と強調し、政権交代実現への強烈な決心を示した。
小沢はまた、日本の経済が不安定な状況に直面していることに対して、対応能力のない政権は早々に終わらせなければならないとも示した。「民主党は必ずや新政権を樹立し、国民の新しい生活を作り上げ、新しい日本を創造する」。
福田内閣の終了に伴い新たな自民党首相が登場し、小沢一郎は「現政権打倒」の声を集結する。日本の政局は、激烈な政権の攻防戦に突入した。最終的にどちらに軍配が上がるかは、結局のところ、一千万の有権者がより美しい政治を行うだろうと認めた方になるのだ。
(後略)
中国青年報「不堪重負 福田辞職」
裴軍記者の記事なんで、確認はしていませんが、日本メディアの記事を切り貼りしただけのものでしょうかね。
小沢さんが代表選(デキレース)に出馬表明をした日と重なったということもあるのでしょうが、安倍さんの辞任の時に、ここまで小沢さんに字数を割いた記事はちょっと記憶にありません。この辺りが安倍さんの時との違いでしょうか。
前回は辞任理由が「体調不良」ということもあってか、日本のメディアがけたたましく参院選での大敗を受けての遅すぎる辞任だとかしましかったのに比して、民主党についての言及も少なく、逆に党内がバラバラでそのうち空中分解するだろうと論調で占められていましたが、今回は福田さんが明言したということもあり、野党との「ねじれ国会」状態が政権に手痛いダメージを与えていて、次期総理も非常に難しい運営を迫られるだろうという論調が占めております。
専門家が今後の日中関係ついて言及してる記事をいくつか見つけたので、その箇所のみを。
福田は任期期間中、中日関係に対して引き続き貢献した
福田の辞任が中日関係へ及ぼす影響について、中国社会科学院日本研究所・高洪教授は、まず福田の在任期間中の中日関係発展への貢献をついて肯定して見せた。
高洪教授は、「福田の中日関係への貢献は、ボチボチだった」と述べた。福田の在任期間中、胡錦濤の訪日の旅を実現し、双方にとって歴史上4つ目の歴史的文書『「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明』に署名した。この文書の意義は、今後の中日関係について拘束力を有している。
当記者が、次の首相の人選について尋ねると、高洪教授は「福田の辞任によってその職位は麻生太郎に与えられると伝えられているが、これは意外な話ではなく、私は麻生が当選する可能性は98%あると思っている。もし麻生が首相に選ばれても、中日双方が承諾した態度を忠実に守るなら、彼は福田の対中政策を引き継ぐので、中日関係には大きな影響を及ぼすことはないだろう」と述べた。
清華大学国際問題研究所・劉江永教授は、9月1日に電話で取材した際に、福田内閣の時に中日関係は非常に大きな発展を遂げ、日本の対中政策は、誰が当選しても変わることはないだろうと述べた。彼は、福田康夫が2007年9月に正式に日本の首相に就任して以来、1年足らずの任期内で中日関係の多大なる発展を促進したと言う。まず、中日ハイレベルの相互訪問が途絶えなかった。2007年末の福田康夫の訪中、2008年5月の胡錦濤も日本を訪れ”暖春之旅”を行い、中日関係の歴史的な発展を実現し、北京オリンピック開催期間中に福田は再び北京にやって来て開幕式に参加した。祖頬か、双方は戦略的互恵関係を創設した。2008年5月には、中国国家主席胡錦濤と福田康夫は東京で『「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明』に署名し、全面的に中日戦略的互恵関係を推進し、中日両国の平和共存を実現し、世代友好、互恵協力、共同発展を決意した。
具体的に日本の将来の対中政策について劉江永教授は、「誰が自民党総裁になるのか見る必要があると思っている。日本の現在の国内情勢からみて、麻生太郎と現国土交通大臣の谷垣禎一が人気ある立候補者のようだが、対中政策への影響は、もう少し観察する必要がある」と述べた。
龍虎報「四大難題逼迫福田辞"相位" 麻生太郎継任可能大」
谷垣さんはないでしょ。この論評記事では福田さんの後任として、麻生さん、谷垣さん、町村さんの名前を挙げております。
そういえば、フフンが行った日中友好を促進させた功績のひとつであるはずの「東シナ海ガス田合意」に関する言及がありませんねぇ。なぜでしょうねぇ〜。
もうひとつ。
麻生と福田は様々な問題において見解が違うが、もし麻生が首相となった場合、対中政策を微調整する可能性があるかもしれない。しかし、(上海社会科学院日本研究センター主任、上海交通大学環太平洋研究センター主任)王少普は、「福田の失脚が中日関係に対して根本的に影響を与えるようなことはないだろう。なぜなら、両国はすでに日本の国家利益とも符合する戦略的互恵関係を築き上げているからだ。指導的立場の人間の性格の違いは、いくつかの具体的な事柄について、局部的に政策への影響があるかもしれないが、誰が日本の首相になろうが、日本の国家利益を損なうようなことをするはずがないのだ」と述べた。
新華網「専家:福田対中日関系貢献需肯定(新聞晨報)」
この王少普の手による記事が、上海の党機関紙『解放日報』に掲載されていますが、今後の日中関係への言及は上記の通りです。
- 新華網「福田辞職:无奈(解放日報)」
麻生さん登場の可能性でギャーギャーと直情的に騒いでいる韓国と比べると、フフンの対中政策を持ち上げてプレッシャーをかけるあたり一枚も二枚も違うというところでしょうか。官製メディアとそうじゃないという違いだけですかね。
さて、今回で4度目となる総裁選。ついに真打、劇薬の登場なるか。
ただ、自民党にとって麻生さんは、現状では最後のカードだと思うので、これで失敗したら自民党は下野でしょうね。少数派閥に属する麻生さんが総理の椅子を射止めるには、こういう状況でしかないのでしょうけど、少し残念な気がいたします。


