規制緩和で内需を拡大せよ

2008年09月22日

9月19日〜21日まで上海で開催されていた第五届中国国際金融フォーラムでの経済学教授の発言を抜粋した論評記事を21日付『南方都市報』より。

国際金融体系に激震が発生した時、中国経済について言うと、直接の衝撃は限定的で、中国の経済構造に対しては重大な脅威とはならないだろう。間接的な衝撃については、我々は今相対して、研究しなければならない。アメリカの経済的衰退は、現在のところ、避けることが出来ないようだ。もしアメリカが衰退すれば、日本、EUに続いて、我々の経済も衰退の兆候がすぐに現われ始めるだろう。これは長年、外国貿易が経済成長を牽引してきたことを意味しており、現在すでに衰弱し力をなくしている。珠江デルタにある数多くの中小企業に困難が発生しているのは、まさに外需が衰弱しているという現象なのだ。注文が減り、労働コストが上昇し、人民元が高くなり、最も肝なのは、我々の中小企業はここ数年、低価格低品質のままで、簡単な製造業を展開し、リスクに対応する能力が非常に低く、利潤が非常に薄いままだった。環境に対して適切に変化し、自らの経営策略を合理化する。このような能力が非常に低いのだ。中小企業の現在の困難は、表面的にはマクロ的な情勢が引き起こしたように見えるが、実際はミクロ的な次元の問題、企業のリスク対応能力の欠如が問題なのだ。

外需の減少と同時に、国内の投資成長の速度も下がってきている。我々は三頭立ての馬車を運転していて、一頭の火が消え、一頭が減速、残る一頭は国内消費なのだ。しかし、個人消費のGDPに占める割合は、たった35%しかない。短期間のうちに消費が、減少した外需と投資の衰弱によって損なった経済の動力を牽引する可能性は大きくない。今年下半期、そして来年の経済情勢は、ますます厳しくなるだろう。

外部の衝撃、内部経済に発生した問題の方面に対応する中で、我々は制度の剛性にぶち当たっている。制度の呪縛により、企業は瞬時に外部環境の変化に反応することが出来ないのだ。これは、我々が最も憂慮していることだ。中小企業融資を例とすると、中央銀行は、貸付限度額を5%増やしたが、この5%のうち、中小企業に注がれたものは非常に少ない。中小企業融資は、これまでも問題だった。中小企業融資はミクロ的な問題だが、どうしてもマクロ的な問題と捉えてしまう。中小企業融資の問題の解決は、金融統制の解除に頼らざるを得ない。PE(個人資本)やVC(ベンチャー投資)の発展は起こらないのは、審査が道を遮っているからだ。中小企業融資の貸付機関も、現在までこの機運を生み出すことは出来なかった。江蘇・浙江、沿海地区の活発な私営金融機関の運行は非常によく、現地経済の発展に対して、代替不可能な作用を発揮している。政府は、不法構造をしっかりと叩き潰すことができず、彼らは一気に地下に潜った。政府がすべきことは、管制の解除であり、中小企業融資の道を法律、監視管理から開放することで、つまり闇金を一律に合法化し、商工部門に登録させ、最も基本的な監視要求、資本金を求めるだけで満足するべきなのだ。現在の政府の過度の監視管理は、経済における融通性、弾力性、対応能力、全てを制御しようとしている。これは中国経済のモデルチェンジにとって、非常に不利なことだ。経済情勢の変化と制度の剛性との間の衝突は、これからも長期にわたり我々を困らせることとなるだろう。

南方都市報「経済転型過程中的金融開放

いいもの貸して差し上げます、っ「ミミ彡  ゚̄ ̄' 〈 ゚̄ ̄ .|ミミ彡 <共産党をぶっ壊す」

構造改革、規制緩和、共産党をぶっ潰す、中国が民主主義体制ならこの3点を繰り返すだけで広範な支持が得られそうです。

胡錦濤、温家宝が相次いで重要講話とやらを発表しましたが、様々な危機は深刻に受け止めているものの、その対策は当然の如く今までと変わらず、構造改革、規制緩和にまで踏み込んだ発言は一切ございません。

そうそう、毒ミルク事件で国家品質検疫総局局長の辞職が発表されております。罷免ではなく辞職が了承されたという形です。

そして、ないわけがありませんでした。貴州省で毒ミルク販売員との間で”小競り合い”が発生し、警察が出動したと『貴州都市報』が報じております。

『南方都市報』の記事は続きます。

中国経済のモデルチェンジとは、外需から内需への転換なのだ。内需の駆動は、投資はダメなので、消費への転向だ。我々の消費は、GDPの35%を占めているだけで、アメリカはこれが70%ある。個人消費には、民衆の生存問題の解決が必須で、これによって初めて消費が生まれる。GDPの構成の中で、製造業が50%を占め、サービス業が40%弱を占めている。サービス業の比率が40%弱というのは、アメリカの80%の比率に遠く及ばず、日本の65%よりも低いレベルで、経済発展が我が国と同じ程度のインドの50%と比べても10%低い。製造業からサービス業へのモデルチェンジの過程で、大多数の重要なサービス業は、全て政府の厳格な管制下にあって、限られた者しか入ることが出来ない許認可制度となっている。重要なサービス業に金融サービスがある。現在、金融方面の業務を行おうとすれば、第一に北京へ行って、認可書を手に入れなければならない。通信サービス、交通運輸、湾口空港、文化教育、医療衛生、メディア娯楽などなど。これら全て我々が、これから就業への道を解決するのだ。我が国の製造業はGDPの50%を占めているが、就業面での貢献はたった27%に過ぎず、サービス業はGDPの40%を占めているが、就業面での貢献は30%以上あるのだ。我々は、人口の半分ほどの労働力を農村に有している。中国の都市化の進行は、これからも進むだろう。農村人口の都市への流入は、これからは全てサービス業となるだろう。まず、解決しなければいけないことは、サービス業に対する過度な管制で、参入時の壁を低くし、それによって資源、人、材料がより速やかにサービス業へ注がれるようになるのだ。中国の経済成長速度を適度に緩める際に、このような仕事を提供することで、社会の安定を維持できるのだ。

経済環境は確かに劇的な変化を起こしている。我々は、いかに中国経済と中国起用の活性化を増やせばいいのだろうか?如何にして中国経済と中国企業の対応能力を増やせばいいのだろうか?キーは改革を深めることを継続することにある。改革を深化する過程において、管制を解除することもまた、ひとつの極めて切迫した任務だ。当然、管制解除は言うは易し行なうは難しだ。困難、困難の中にこそ利益があるのだ。我々がこのような社会的共通認識に達すれば、中国経済の発展を新たな段階へと推し進めることとなるのだ。

南方都市報「経済転型過程中的金融開放

社会保障制度を確立させないと個人消費はなかなか伸びませんよね。

実は数ヶ月前から湖北省で農民工を、非常に厳しい条件があるものの都市籍に”帰化”させる実験が行われていたりするのですが、これを行う理由のひとつに社会保障制度の枠組みに農民工らを組み込むというものがありました。面白いのは、この”帰化実験”を伝える新華社の記事が、都市籍に転籍した者を「新市民」と呼んでいたこと。市民権を求めて反乱が頻発し衰退し滅亡した大帝国が大昔あったような。

政府が厳しく管制している周りには、その利益に群がっている政府役人や党幹部がいるわけで、その利益分配が中共を支えているので、ここにメスを入れることは中共自身を切り刻むということですね。そういえば「広東省をひとつの国とすると〜」なんて記事を数日前に『南方都市報』が報じていたようです。北京の許認可権がウザイのでしょうね。

それにしても、中国製品問題をはじめ、中国の経済成長を支えていた物が、いかにいかがわしい物であるのかが、経済の混乱と共に次々と明らかにされてきますね。

参考
日本銀行「個人消費関連指標のみかた
経済産業省「通商白書 2006年版:第1章 国際経済の動向と構造変化 

おまけ:麻生太郎自民党総裁

麻生太郎新総裁決意表明
麻生太郎新総裁記者会見2-1
麻生太郎新総裁記者会見2-2

わかっていたことですが、相変わらずマスコミがほんとひどいな。記者会見や演説会をろくに取り上げず、ただ「理念がない」、「政策がない」、「わかりにくい」、「何をするのか明確にせよ」・・・。単なる悪口大会ですねぇ・・・。

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posted by タソガレ at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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