中国の造船業など、終了のお知らせ

2008年09月27日

人民日報傘下の9月23日付『国際金融報』の記事をば。

造船業:衰退への曲がり角が早くやってくる?

本紙記者・徐海慧、上海発

緊急事態だ。長年、持続的に繁栄してきた中国製造業が、大賑わいの中、静かに衰退への曲がり角がやってきている。しかし、予想外なのは、サブプライム危機がまるで暴風雨が加速したような破壊力で、各国の中央銀行は強敵に攻められているが如く、世界経済が衰退のパニックの中に陥った。この危機は、中国の造船業の衰退の”前触れ”となるのだろうか?

サブプライムは高リスクへの”前触れ”

長興島造船吉一号ライン工作の呉氏は、このような変化に大変いらついている。

現場の生産責任者を務めたことのある彼は、浙江のある民間造船企業から現在の仕事の5倍の年俸でヘッドハンティングされた。「もしこれが2年前だったら、私は間違いなく何の躊躇もなく飛び込んだ。しかし今は、」呉氏はため息をついて記者に「今回のサブプライム危機が、どうして今来たんだよ?」と述べた。

「サブプライム危機があなたの飛躍にどのぐらい大きな影響を与えているのですか?」記者は不可解に思い尋ねた。

「曲がり角は2010年〜2012年の間に現われるというのが、業界内の比較的一致した見方だった。今サブプライム危機によって急変し、この曲がり角が早くやって来ちまったんだよ」と呉氏は述べ、「管理部は私に留まるよう奨めて、今は飛び出していった者は、何とかして戻ってこようとしているんだよ、意外だろ」という。

長興島造船基地は現在、国内最大の造船企業だ。このような大型国有企業は、従業員にとって最も良いところは安定で、業界の景気に左右されず、業界の収益に左右されず、給料が変わらないことで、業界が衰退周期になると、最良の”避難港”となるのだ。民間の造船企業は、特に小規模な民間造船業者は、衰退の波に打たれると生き残れるかどうかの問題となる。このような情況下、呉氏は”逆流”するかどうか、動くかは自然と考え込んでしまうということなのだ。

融資困難は耐えがたく船を捨てさせる

サブプライム危機が呉氏に5倍の年俸をためらわせているのは、それが呉氏の造船業の将来性の判断に影響しているからのように思える。

業界の者は記者に、大体、サブプライム危機が造船業界に与えた影響には2つあると教えてくれた。

ひとつは、サブプライム危機が引き起こした世界的な金融緊縮によって、船主が高騰する造船コストの融資困難に直面しているからだという。現在の通常規模の船で、一隻あたりの造船価格は、場合によると1億ドルを超える。例えば、2010年に引き渡す17.5万トン級貨物船は、韓国での造船価格は約1億ドルで、中国での造船価格は約9,500万ドルだ。2011年に引き渡し予定のVLCC(超大型タンカー)は、韓国では約1.55億ドルで、中国では約1.45億ドルだ。このような建造費の高騰は、造船業界と金融業会とを密接にさせ、船主は普通、自分の資金の一部を投じて、残りは融資で解決しているのだ。

「韓国では、少し前に船主が船を捨てる事件が発生した」と某船会社マーケティング部門の責任者である秦氏は記者に教えてくれた。

いわゆる船を捨てるとは、船主が船会社とが造船の署名を行い手付金も支払った後に、契約を放棄し船を建造しないことで、これに伴い手付金を全て失う行為のことだ。

1億ドルの造船価格の手付金は5%で計算され、船主が船を捨てると少なくとも500万ドルの代価を支払わなければならないということになる。

「韓国の棄船事件の主要な原因は、船主の融資に困難な発生したために、残りの資金の支払いが調達できないというものだ。手付金の損失は小さくないが、実際どうしようもなく、船主は船を捨てるしかないのだ」と記者に述べ、「今のところ中国では棄船事件は発生していないが、我々もその出来事が示している警告に注意をしなければならない」という。

経済の衰退に造船業は”風邪を引く”

一方、サブプライム危機は造船業に重大な影響を引き起こし、世界的な経済衰退を引き起こす可能性がある。

ひとつの業界の景気が良いかどうかは、根本的に需給状況に左右され、造船業の需給状況に影響を及ぼす一つの決定的要素は、世界経済の発展状況だ。造船業の需給は海運市場に由来し、海運市場の需給は主に国際貿易に由来しており、国際貿易の繁栄は即ち各国経済の状況によって左右される。万トン級船舶の輸送における有利な点は、主に輸送量、巨大な体積の物品の輸送、遠距離輸送における運送コストの低さだ。そのため、往々にして石油、鉄鉱石、食糧、セメントなどの一国の経済の基礎を支えている大口商品を積載している。各国が経済的衰退に入ると、これら大口商品の貿易需給が降下し、これによって運送業界が衰退し、リレー式に造船業が衰退するのだ。

2003年から現在に至るまで、中国の造船業界は5年連続で繁栄の下、密かに調整周期でもあった。今のところ、サブプライム危機は大きな暗雲となってみっしりと広がって、造船業界の頭上に漂っている状態だ。もし、本当にサブプライム危機によって世界経済が”インフルエンザ”となると、中国の造船業も”風邪を引くこと”は避けられないだろう。

コスト上昇が利益を侵食す

サブプライム危機の暗雲以外に、造船業界は絶えずコスト上昇の圧力に直面している。

ここ数年、鉄鉱石価格の高騰が鋼材価格を押し上げ、造船業界について言えば、その原材料のひとつである船板の仕入れ価格が徐々に増えてきている。例えば、各種規格の船板価格の平均は、年初の5,800元/トンから7,600元/トンにまで膨張している。労働コストもある程度増加しており、例えば南通地区の溶接工は、以前は数十元/日だったのが150元/日にまで膨らんでいる。

「我々は、2006年に多くのVLCCの注文を受け、当時の価格計算では間違いなく利益が出ていたのだが、現在は儲けがない」と秦氏は記者に述べ、「鋼板価格の上昇が利潤を喰い、人民減の上昇にも喰われ、労働コストも増加している。このような状況が続くと、損益が出てしまう」という。

「現在、我々はVLCCでは全く採算が合わず、貨物船も比較的採算が合わなくなっている」と秦氏は述べ、相対的に、VLCCが用いる鋼板の方が多く、造船期間が長い。鋼板価格の上昇、人民元の上昇、労働コストの増加という状況において、貨物船の利潤が散逸する空間も大きくなってきてるという。

業界関係者は、サブプライム危機は新たな世界的な経済の衰退を引き起こすかどうかは、現在のところ未知数だという。本当に嵐が到来した場合、中国の造船業よ、準備は大丈夫かね?

国際金融報「金融風暴横掃全球 中国実体経済受累几何

韓国の造船業が、ガタガタになっているというニュースはちょくちょく目にしています。韓国や中国とは競合していないと言われている日本の造船業の情況はどうなのでしょうか。

次ぎは鉄鋼業界のお話。

鉄鋼業:統合再編の好機

本紙記者・傅光雲、上海発

不動産が鉄鋼を凍結す

「私たち夫婦2人は、ここ数ヶ月失業中で、蔡は南方人材マーケットに行って何度も通っている」と付女史は大いに感嘆しながら記者に教えてくれた。彼女と夫の蔡は6月から今まで、ずっと失業状態で、現在も職を見つけることが出来ていない。付女史は、ここ数年、建築上に従事し、特に昨年は、2人とも非常に忙しく休みもなかったが、今年になってから、毎日に”家で暇している”という。

「今年の建築業は特に低迷していて、昨年と比べると、本当に雲泥の差だよ」と付女史は漏らし、彼女の知っているところによると、彼女のように2人とも失業に直面している夫婦は、業界内の殆どがそうだという。

建築業と同じように低迷している業界に、中国の鉄鋼業がある。2年の高度発展と高利益の時期の後、今年の下半期には、鉄鋼業は集団で厳冬に突入し始めた。

「鋼材市場の低迷は、不動産業界の需給の大幅な低下が招いていると言える」とある民間の鉄鋼企業の工場長が漏らした。今年になってから、伝統的な鋼材の大口需給である不動産市場が低迷期に入り、新規着工プロジェクトは昨年の同時期に比べて大幅に下落し、建築用鋼材の需給の大減少を直接的に招き、多くの中小民営鉄鋼業者は、現在、様々な困難に直面している。

9月18日、我が国の鉄鋼のトップで宝山鉄鋼は、鉄鋼産品価格を10月期の基本価格において下方修正すると宣言した。同時に、馬鋼、邯鋼、安鋼、莱鋼、柳鋼などの20以上の鉄鋼企業も次々と値下げの隊列に加わった。現在、全国の鉄鋼産品の価格の平均下落率は、20%に達したと関連統計が示している。

「全体的に判断すると、ことしの中国の鉄鋼工業が直面している情勢は非常に厳しい」先日、国資委規計発展局局長・王暁齊が、鉄鋼買収合併フォーラムの席上で述べ、元々、今年の国内の鋼鉄の生産量は5万トンを超えると年初に予想されていたが、世界の経済成長が明らかに鈍化し、我々の予想は更に深刻となり、5万トンを超えることはありえないだろうという。

世界的減産

我が国の鉄鋼業界だけが悲鳴を上げているわけではない。全世界が金融危機による日に日に悪化する影響を受けて、現在、世界中の鉄鋼生産量が降下している。

9月19日、国際鉄鋼協会が発布した統計データによると、今年8月の世界66の主要な鉄鋼生産国と地域の粗鋼生産量は1.12234億トンで、7月と比べ3.8%の下落しているとある。内訳は、EU27カ国の粗鋼生産量は1577万トンで前月比で9.4%の下落、CISの粗鋼生産量は1034万トンで前月比で2.7%のマイナス、アジアの粗鋼生産量は6378万トンで前月比で3.5%の下落、北米の粗鋼生産量だけが前月比で0.5%のプラスで1171万トンだった。

世界の金融危機は、アメリカの鉄鋼企業にもすでに明らかな影響が現われている。現在、アメリカのSeverstal Wheeling Steel Co.が、MingoJunction工場の5号高炉の修繕後の火入れを遅らせると発表し、アルセロール・ミタル・アメリカ会社のキングストンにあるD高炉が9月25日から75日間閉鎖されている。USスティールは、10月と11月にモンバレー工場、グラナイトシティ工場、ゲーリー工場の設備の検査修繕を行う。

輸出需要の低迷により、ロシアとウクライナのいくつかの鉄骨と棒材の生産工場は、すでに生産を削減、生産を停止して検査修繕を予定している。

アジアの鉄鋼のトップの新日鉄と浦項は、引き続き減産計画を実行すると表明している。

再編によい機会

中国の鉄鋼業界全体が厳冬に陥っているが、今までずっと産業構造の合理化を実現することが出来なかった鉄鋼業界について言えば、今回の世界的に金融危機が急速に蔓延したことは、あるいは業界の統合が加速するよい機会なのかもしれない。

「宝山鉄鋼の需給も盛んではなく、注文不足だ。鉄鋼業は高度成長に別れを告げ、旧来の規模を拡大する生存発展方式で利潤を生みことはなくなった」と宝山グループCEO・徐楽江は、鉄鋼買収合併フォーラムの席上で述べ、中国の鉄鋼企業は低コストに依存し、死に物狂いの価格競争方式で走りきった。徐楽江は、「我々は、地域を越え、省市を越え、複数所有制の鉄鋼業界の合併再編を積極的に支持し推進することを主張する」と表明した。

「現在のような市場は、事実上、合併再編にとって好機でもある」中鉄協常務副会長・羅氷生は、中鉄協、宝山鉄鋼研究院のデータによると、中国の鉄鋼業界の生産の集中度合いは非常に低く、現在国内に約1,200軒の鉄鋼企業があるが、66位までが総生産量の79%を占めており、そのほかの鉄鋼大国の生産の高集中度合いと比べると、その差はあまりに大きいという。彼は、ここ数年、国際的な鉄鋼貿易は、保護主義が頭をもたげてきており、国を越えた合併再編により、超大型の多国籍鉄鋼グループが創設されており、貿易の保護主義を防止するのにマイナスの影響をもたらす可能性があると述べている。

「市場が低迷している情況下では、買収合併にとって必ずしも最適な時期とは言えない」ある鉄鋼業界証券のアナリストは述べ、業界が低迷しているときは、各大鉄鋼企業が資金的に緊迫していて、このような時期はすべて自らの身が危うく、他の企業を買収合併するには法外な資金が必要で、企業が更に苦しくなるのだという。この人物は、現在の中国の鉄鋼業界はいくつか統合されるが、例えば武漢鉄鋼が広西にある柳鉄鋼を買収統合したり、宝山鉄鋼が系列を買収合併したり、河北、山東、遼寧などの地域で、いわゆる大規模再編が出現しているが、この種の再編は”行政再編”で、”市場再編”ではなく、その効率は疑わざるを得ないと述べた。

紡績業:ダブルパンチ

本紙記者・李媛、上海発。

(中略:基本的に先日紹介した「中国の紡績業、終了のお知らせ」と同じ。元の対ユーロ高とサブプライム問題によるアメリカ経済の失速のダブルパンチで業績が悪化しているという話)

国際金融報「金融風暴横掃全球 中国実体経済受累几何

市場経済というには、あまりに統制され過ぎているという矛盾の中でどうにもこうにも出来ずにもがいているというところでしょうか。あーすれば、こっちがダメ。こっちを修繕すると、あっちがほつれる。何もしなくてもいずれ瓦解する。

つづく。

おまけ、第63回国連総会麻生太郎総理一般討論演説

「平和と繁栄の回廊」、少しずつ前進しているようでなにより。そして、いい話。

そして金融危機を酔っ払いに喩え、「日本はしらふだ」なんて財務大臣へのあてつけですか(棒

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posted by タソガレ at 00:11 | Comment(2) | TrackBack(0) | 経済関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
<中華経済>造船大国へ、受注量が世界の40%超える―中国
ttp://news.livedoor.com/article/detail/3835938/
こんな記事あったんですけど、どうなんですかね。
Posted by 丸 at 2008年09月28日 01:28
日本造船協会のデータを見ると、中国、韓国の受注情況が2002年から一気に延びている様子がよくわかります(PDF資料4、6ページ)。
http://www.sajn.or.jp/data/index.htm
この好景気を支えていたのがサブプライムバブルに伴う海運量の増加(≒中国の輸出入量の増加かな)のようで、これが弾け、当初の予想より早く急降下しているというというのが今回紹介した記事ということのようです。
ちょうど周期的に造船期ともぶつかったということなのかも知れませんが、全く詳しくないのでよくわかりません。資料を精査すると色々見えてきて面白いかも知れません。

造船業の情況は「すでにキャンセルが出ている韓国よりまし」とありますが、中共メディアの言っていることなので本当のところはわかりません。
実際の情況もさることながら、人民日報傘下のメディアがこのような記事を報じているということ自体が何らかの信号かと。
記事は、まだ続くのですが全て上海発の記事というのもなんだか胡散臭く。
Posted by タソガレ at 2008年09月28日 18:25
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