米国債購入は、我が国の巨額の外貨準備高を使用する最も主要の方法のひとつだ。購入総額が比較的大きいので、この問題は日に日に中米両国の注目を集めるようになってきている。復旦大学の学者・宋国友は最近文書の中で次のような指摘を行った。
第一、我が国が購入している米国債の収益率は、上がることをまだ待たなければならない。購入の実際の収益評価だけでなく、購入による相対的な収益評価も、外貨準備高で米国債を購入することで獲得する収益は高いとは言えない。人民元の上昇が加速しドルが世界的に価値を下落させるなどの要素を考慮するなら、米国債購入によって生じる収益は、実際には目減りすることとなる。このような情況において、我が国が米国債を購入する際に、安全性と流動性だけに基づくのではなく、適切に利潤性をも考慮しなければならない。事実上、我が国は中国投資会社を設立し、すでに我が国は収益率に基づいた巨額な外貨準備高をいかに使用するのか新たに考慮を行っていると表明している。予見できることは、米国債の収益率が一定のレベルを保持できなくなった場合に、我が国の米国債購入の総額は、過去数年間のような急速な伸びを示すようなことはなく、反対に下落する可能性があるということだ。
第二に、中米間には決して”
金融テロのバランス金融恐怖バランス”が形成されていないということだ。アメリカの元財務長官・ローレンス・サマーズは、かつて中米間の金融関係を”金融テロのバランス金融恐怖バランス”と喩えた。しかし分析によると、中米間の金融関係は、一種の非対称的な依存関係にあることが示されている。まず、対米貿易黒字は我が国の外貨準備高の最も重要な源であり、巨額の外貨準備高は、我が国が大量の米国債を購入することを前提条件に保証されているこということだ。次に、我が国が擁している巨額の外貨準備高を用いて米国債を購入しているが、米国の資産価格と利益レベルに重大な影響を与えているわけではないということだ。中米間のこのような資金の流れと影響だけを見て、金融の領域全体から言うと、我が国のアメリカの需要は、アメリカの我が国の需要よりも非常に多く必要としているということとなる。第三に、第二の結論から自然と導き出されることは、我が国が米国債を購入しているということは、アメリカの金融市場やアメリカ経済を脅かすものでも、脅かせることもできないということがわかる。ここ数年、我が国のアメリカ国債の購入は明らかに増加しているが、客観的に言って、購入総額、あるいは全米国債の総額に占める割合に関わらず、我が国が現在所有している米国債では、米国債市場に大きな影響を与えることはできず、更にはアメリカの金融市場に深刻な脅威を生み出すこともできない。イギリスや日本などの国家とアメリカとの特殊な関係、この両国の所有している米国債総額を考慮すると、このような結論となることは明らかである。
中国青年報「我国購買美国国債收益如何」
中国内で「米国債なんぞ売っちまえ!」、「米国債売るぞと脅せ!」、「米国債を売って国内を支えろ!」、「今こそアメリカを叩くときだ!」なんていう声が高まっていたりするのでしょうか。
追記:あぁ〜日本にいた・・・_ノ乙(、ン、)_
[東京 2日 ロイター] 民主党の大塚耕平・金融対策チーム座長は2日、財務省の視察後に記者会見し、外貨準備の規模が大きすぎるとした上で、現状で国内総生産(GDP)比で約20%に達する外貨準備の規模を、約10年間で10%程度まで半減を目指すべきとの考えを示した。
(後略)
ロイター「再送:UPDATE1: 外準規模は大きすぎ、GDP比10%まで削減を=大塚・民主金融チーム座長」
追記2:米国債の保有国統計
U.S.Department of The Treasury「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES 」
Oil exporters include Ecuador, Venezuela, Indonesia, Bahrain, Iran, Iraq, Kuwait, Oman, Qatar, Saudi Arabia, the United Arab Emirates, Algeria, Gabon, Libya, and Nigeria.



…アメリカに相応の条件を飲ませた上でむしろ日本が中国から買うのは?
その前にこのタイミングで売るようなことはしないでしょう。自分の首を絞めることになりますし。逆に買い増すかも知れません。
いずれにせよ中国でさえ空気呼んであんな記事を掲載しているというのに、我等が民主党は・・。
こっそり日本は米国債をほんの少しずつ減らしているようですね。それに比して中国はどーんと絶賛急増中。香港を加えた額で日本を抜く日も近そうですが、今回の金融危機で情況が変わったりするのでしょうかね。よくわかりません。
米国債もそうですが、造船業の統計を眺めたときも思ったのですが、世界がバブルでパイを広げた中、日本はその波に乗ることなく我が道を歩んでいたのだなぁと。
結果として金融危機の衝撃が一番少なかったということでキープレーヤーになったのかなぁ、なんてど素人なりに思っていたりします。
日本より大量に財政を支えてくれるわけですから、アメリカとしては中国には逆らわず、日中が対立した時は中国側についたほうがよいとなるでしょう。
逆に日本がどんなに保有しても、アメリカが日本は自分達の家来だと思っているかぎり、あまり影響力は発揮できないでしょうから・・
中国は貿易、国債購入で着々とアメリカとの関係を強めています、大統領選挙もオバマが勝ちそうですから、日本への風当たりは相当厳しいものになりそうです。
あと北朝鮮を核保有国として事実上認めて、テロ支援国家解除ももうすぐしそうですから、朝鮮半島がいずれ統一されれば、米中関係緊密、それにより台湾平和裏に併合、核保有国統一朝鮮、それに加えて領土問題を抱えたロシアと単独で誰の支持も得られないまま対峙しなければならないという状況に将来追い込まれるかもしれません。
中国が米国債を買い増すと影響力も増えるが日本ではダメ。あー軍事力ですか。
日本マンセーというわけでもないのですが、あまりに悲観論に偏り絶望するのもどうかと。
アメリカは元の変動相場制への移行をこれまで以上に強く要求し中国国内の購買力を高めようとするのではないでしょうか。
中南海が質的成長を盛んに唱えているのもこれに備えるためかと。
この言葉は一般的には核兵器に関して使われています。つまり核戦争に勝者はいない、自国が使えばかならず相手に報復攻撃され、自らの破滅をも招くという恐怖が核保有国間の戦争を抑止しているという意味です。
「"balance of terror"という語は普通は冷戦期における米ソ間の核兵器競争をさすときに使われる。」
(Wikipedia)http://en.wikipedia.org/wiki/Balance_of_terror
それから、原文の「利率」は「金利」です。
サマーズが言ったという「金融における恐怖の均衡」についてはここが詳しいです。
【中国経済レポ−ト】
「金融恐怖バランス」―人民元切上げをめぐる米中の駆け引き
http://www.geocities.jp/mstcj182/ITEM-3A72.html
「クリントン政権時代のアメリカ財務長官サマーズ氏は米中経済関係を新しい時代の「金融恐怖バランス」(balance of financial terror)と呼んでいる」
実際には、上掲のページでも述べられているとおり、中国はアメリカ国債市場に影響を与えるに十分なだけの国債を持っており、「金融における恐怖の均衡」は形成されていると思いますがね。
アメリカ経済の崩壊は世界に波及し、それはアメリカ等への輸出依存度が高い中国経済の崩壊をも意味します。
民主主義国ならたとえ大恐慌が来たとしても、政治的には与党が野党になる程度でしょうが、独裁国家はそうは行きません。1997年のアジア金融危機のときのインドネシアのように、体制の危機に直結します。貧富の差が拡大し、民衆の不満が極限にまで達している中国ですからなおさらです。中共首脳の念頭にあるのはチャウシェスクの悪夢でしょう。
中国はアメリカの同盟国ではないし、反米的だから、アメリカ国債など簡単に売っぱらうだろうという人もいますが、私はそうは思いません。彼らを突き動かしているのは、日本の政治家や金融当局者などとは比較にならないほどの「恐怖」です。
ありがとうございます。
「金融恐怖平衡」、調べていたのですが訳語にたどり着くことができず、不細工な直訳のままに。
経済記事は専門用語などが多く読むのに時間がかかって仕方がないのですが、これがどうして、調べたり脱線しつつもなかなか面白くて頑張っているところです。中共メディアを通じて経済を学ぶというおかしなことをやらかしております。
そして解説されているページの紹介もありがとうございます。
今回の金融危機で一方が意図的でないにしろ崩れ、この「恐怖バランス」が崩れました。他方、中国側もこの不均衡に対処するだけの準備ができていないので、国債の買い増しということなのですかね。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008100500103
http://hk.news.yahoo.com/article/081004/4/8jso.html
http://hk.news.yahoo.com/article/081005/4/8k42.html
「アメリカが調子乗ってバブルを膨らませるから俺たちの構造改革が遅れたじゃねーか!」という中国側の恨み節には多少同情するところがないこともありません。
「俺たちが毒製品を世界中にばら撒いていると非難するが、てめーらは毒証券をばら撒いたじゃねーか!」なんて記事もあったり。目くそ鼻くそ、まさに紹介くださった記事にあるように強盗と泥棒の罵りあい、どっちもどっちです。
> 民主主義国ならたとえ大恐慌が来たとしても、政治的には与党が野党になる程度でしょうが、独裁国家はそうは行きません。
そして中南海が「恐怖」している。
その通りだと思います。
その「恐怖」を覗き見たいという動機から時間をかけて経済記事を眺めていたりしております(w