バラック・オバマを警戒せよ

2008年11月07日

民主党のオバマさんが圧勝で次期大統領となりました。中共は胡錦濤と温家宝、そしてポスト胡錦濤の最右翼とされる習近平の3人が祝電を送っております。

オバマ大統領登場を報じた記事を2つほど。

『人民日報』もオバマ当選を伝えていますが、表面的な記事で米中関係に触れるものではありませんでした。

まず、胡錦濤の御用新聞『中国青年報』の6日付の記事から。

中米の国交が樹立されてから30年近く、2008年のように、対中政策の基本が大統領選挙の討論の話題から外れるような大統領選挙は今までなかった。

11月5日午前、中国アメリカ商会とアメリカ駐中大使館がが模擬投票を行い、オバマが多くの票を集め当選、支持率はアメリカよりも高かった。オバマがペンシルバニアとオハイオを取ると、会場に詰め掛けていた700人ほどは一斉に歓喜した。

オバマは勝利発表演説を行っている時、北京で広告事務所を経営しているマーティン・ハプール氏は、感動で目に涙を浮かべていた。「どうして感動しているのですか?」と記者が聞くと、「希望だ!希望を見たのだ!」と彼は答えた。

今日、大統領選挙の結果が出る前に、会場に詰め掛けた大部分の専門家は皆、オバマが勝利するだろうと思っていた。会場にいた中国人大学生らは例外なくオバマを支持して、アメリカの記者たちを驚かせた。「若者は民主党を支持し、年長者が共和党を支持しているということなのか?」とある記者は言った。

専門家たちは、将来の中米関係を特に心配はしていない。「私は心配していません。オバマが就任しても中米関係に大きな変化はないだろう」と外交学院の熊勇教授は述べた。

熊教授は、オバマは外交事務の上で中国の協力が必要で、つまり経済振興の措置も中国との協力が必要なのだという。これから4年、アメリカの対外戦略は、収縮姿勢を採る可能性があるが、民主党の伝統によって、人権問題上の事柄に言及し、チベット問題を利用し中国に圧力を加える可能性があるという。

中国青年報「白宮易主 无需担心中美関系

新華社傘下の『国際先駆導報』の6日付の記事を新華網より。オバマ特集の超長文記事なのですが、米中関係に触れているくだりのみを。

【三】オバマは中国に対して友好的なのか?

アメリカ大統領選挙に多くの中国人が注目しており、その中でも最も関心を寄せていることは、将来のアメリカの対中政策の方向性だ。事実上、どのアメリカ大統領も対中政策を制定する場合、アメリカの利益をはかり考慮することを基本としている。米中問題の専門家で戦略国際研究センター研究員・葛来儀は、大統領選挙の投票が始まる前に次のようなことを述べていた。誰が大統領になろうが、対中政策の大局は簡単には変わらず、「衝突が発生する可能性は極めて小さい」。しかし、候補者が違えば、中国を見る角度と重視している点も違うということは否定のしようがない。対中姿勢を含む対外政策において、アメリカの大統領候補は常々、当選する前に述べたことを当選後には、現実的需要のために各種調整を行ってきた。実際、現在オバマは当選したばかりで、今後どのような具体的な対中政策を採ってくるのか知りようがないが、彼の言葉や顧問チームの面子を眺めると、彼の祖由来の対中政策の方向性が見えてくる。オバマは昨年、『外交』という隔月刊誌に『アメリカの市場的地位を回復す』という一文を発表し、その中の対中関係についての言及の中に、彼はアジアにひとつの有効的で広範な構造、つまり現在の二国間協定を超越した、サミットや多元化構造、例えば北朝鮮の核問題における六者会談のようなものの創設を主張している。

彼は、アメリカは中国が”責任ある真の勃興した大国”となり、アメリカの指導の下、21世紀の人類が共通して直面している挑戦を解決する助けとなるよう鼓舞しなければならないと公言している。彼は、中米間は協力、または競争関係にあるという。アメリカの対中政策が直面している最大の挑戦は、遺憾にして自身の実力を増強し投じに協力を拡大するかということだ。これらと同時に、アメリカの中下階層の選挙民の支持率を保持するために、オバマは中国との貿易問題に関して、一貫して濃縮な保護主義的で国粋主義的傾向が見られる。オバマは当選すれば、対中政策制定の過程において、いくつかの党内の反中派(例えば下院議長ペロシ)や利益集団(例えば労働組合)が、彼に対して影響を行使し、彼が人権や貿易問題において中国に対して更なる強硬的政策を採るよう迫るだろうと考えている学者がいる。

オバマは、外交と交渉を通じて外交紛争を解決することを強調しており、これはもしかすると中米のパイプの更なる強化に繋がるかもしれない。しかし、民主党のこの種の交渉姿勢は限界があると考えている人もいる。交渉によってオバマが希望するような結果を得ることができなかった場合、更には彼がアメリカの政界から”軟弱”であると見られたとき、彼は強硬に転ずるだろうという。オバマの手本と言われている元民主党大統領のケネディがこうだった。オバマの外交顧問チームの中で、核心の更に外側に200人近い構成員がおり、その中には、カーター時代に国家安全委員会顧問だったブレジンスキー、クリントン時代に国家安全顧問だったレイク、ホワイトハウス国家安全委員会中国事務主管バーダーや国務長官スーザン・ライスなどを含む対中政策の実務派は充実している。

しかし、オバマの外交顧問の中には数名の人権の専門家や自由派の人間もいる。これらの人々は、オバマの外交政策におけるいわゆる”理想主義成分”を代表し、その中の何人かは、”民主、人権”を維持するという名の下、各国の内政に干渉する傾向にあると専門家は認識している。

新華網「十問奥巴馬(国際先駆導報)

日本が備えるべきは、日本バッシングなんかではなく、アメリカの引き篭もりによる相対的な日本の地位向上への対応なのかもしれません。多元化に伴う日米同盟の希薄化とも言いますが、希薄化するということは日本の役割を増す余地があるということですし、そこをどう埋めるのかが課題となりそうです。

そう思うと10月30日に麻生さんが行った記者会見も違った風景が見えてきます。巷では景気回復後の消費税率引き上げなど国内政策にスポットが当っていますが、強烈な証券化商品周辺への批判と新しい世界秩序についての言及に驚かされました。

第二次大戦で敗戦国側、冷戦で戦勝国側、そして現在の金融危機による世界秩序の再編制でも是非とも戦勝国側の地位を。

一方、中国は、11月5日なり発展途上国、新興国家代表として先進国グループ(冷戦での戦勝国≒G8)に割って入り、戦勝国側になろうという姿勢をあらわにした記事を『人民日報』が掲載し、あわせてワシントンで15日に開催されるG20会議への胡錦濤の出席を正式に発表しております。この記事、5日、6日の2日間に渡り、上下2本として報じられております。

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posted by タソガレ at 23:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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