北京市政府前など、各地でデモ多発

2008年11月21日

まず表題の北京の件から。

19日、温家宝の私邸に程近い、北京の市政府門前で1,000人ほどが抗議行動を行っております。

水曜日、北京市政府門前で約1,000人による大規模な抗議行動が発生し、付近の道路が遮断され、公安が交通管制を行った。大部分のデモ参加者は、”万里大造林”プロジェクトの投資者だ。消息筋によると、数名が逮捕されたという。RFA香港駐在特約記者による突撃取材報道。

RFAの調べによると、水曜日の午前9時に北京市政府門前で、1,000人ほどの大規模な民衆抗議が発生し、市政府のある付近の道路は、このために交通管制が敷かれ、一般車両の通行が禁止され、約100人の警官が現場に到着した。11時、市政府周辺に警戒線が敷かれ、数名の抗議者が逮捕された。

水曜日、当ラジオの記者は電話で目撃者である北京の人権活動家・周莉を取材した。「北京市政府門前にいたのは、主に植林事業の被害者たちで、市政府に対して問題の解決と行政行為を執行するよう要求していた。それから主に中央電視台に対して自分達のお金を返金するよう要求していた」と彼女は当時の状況を述べた。

目撃者の一人である楊秋雨は、デモ隊は、非常に多くの小さなスローガンを手にして、一緒に”団結は力なり”、「インターナショナル」などを高らかに歌い、「公民の財産の侵犯を許さない、民と利を争うは天理が許さず」等のスローガンを叫んでいたと当ラジオに語った。

調査によると、内モンゴルの”万里大造林公司”が”植林信託”という名義で不法に雑木販売を行い、虚偽の宣伝を用いて合わせて32,200人あまりの人々から、13億700万元を騙し取り、その中のほとんどの人が、一生の貯蓄をつぎ込んでいたという。かつて、多くの新聞が”万里大造林”に対して質疑を呈していたが、この会社は中央電視台の肯定的な広告の助けを借りて、多くの民衆が餌食となったという。現在に至るまで、中央電視台は、最低限の謝罪さえも行っていない。

周莉は、中央電視台はこの件で、いくらかの責任を認めるべきで「当時、中央電視台が大量にこの広告を放映し、一般市民の財産の損失を生み出したからだ。中央電視台は国家の放送局であるにも関わらず、このような虚偽広告を放映したことは、責任の一端を引き受けるべきで、私は民衆の要求はある程度、道理に適っていると思う。この件はすでに1年以上が経過しており、当時の北京市公安局は、半年前に数名を逮捕したが、彼ら一般庶民から集めた中央電視台への巨額の広告費は一切返ってきていない。虚偽広告であったので、これらのお金は返金されてしかるべきなのだ」と語った。

周莉は、現場で何人かの新国大投資プロジェクトの被害者や北京で強制退去させられた人々も見かけたと述べた。

楊秋雨は、中国各地にも陳情事務所はあるが、陳情者の訴えの解決には全く効果がなく、「今では各区県から末端の各事務所、各郷鎮にまで陳情事務所はあるが、解決にはならず、相談に乗るような振りをしつつ、実際はごまかしたり、騙したり、追い払ったりされるので、自分の体や智慧を用いて、頑強に抗争するしかなす術がなく、抗争の結果、人々が憤怒し立ち上がり、今日のようなインターナショナルや団結を歌ったり、ファッショ的な言葉を用いるようになったのだ。庶民が彼らに対してどのぐらい敵視しているか考えてみてください」と述べた。

聞くところによると、当日は外交部の南面、司法部門前も民衆によるデモによって交通が遮断されたという。

RFA「北京市政府門前発生大規模抗議

「万里大造林」、簡単にググッただけですが、2006年にはすでに問題となっていたようです。多くの郷土の有名人をも巻き込んでいるようで、今なお信じて疑わない人が多いとの報道もあります。CCTVをも利用しつつ信用させて詐欺を働いていたようです。問題のCMがいつ放映されていたのか知りませんが、担当者の懐にはたんまりと・・・間違いないでしょう。

地方では、デモ隊が政府機関を標的にするののはメジャーとなっていますが、その流れが遂に北京にまで到達したということでしょうかね。焼き討ち事件が勃発するのも時間の問題でしょうか。

それにしても、司法部はまだわかるのですが、外交部に何を訴えたのでしょうかね。「海外へ援助するなら俺たちを救えー!」、「IMFへ金出すなら俺たちを救えー!」、「外貨準備高を還元せよー!」でしょうか(w

それとも、これまた今流行の交通を遮断しての抗議行動が、たまたま外交部近くだったというだけの話でしょうか。建国門がデモ隊によって封鎖されるのも時間の問題でしょうか。

また、12月4日は「普法日(法制普及の日)」という日らしく、この日に行動を起こそうと全国から陳情者が続々と北京に集まっていると言います。当然、当局の取り締まりも厳しくなり、周莉によると、10日ほど前に1人の地方から出てきた陳情者が殴られて死亡するという出来事があったようです。

今週は、この北京の件だけでなく全国から抗議行動の情報が漏れ伝わってきております。一部を簡単に紹介しておきます。

甘粛省隴南市で2千人が市庁舎を襲撃す

今週の月曜日(17日)から火曜日の2日間にかけて、甘粛省隴南市で強制退去させられた住民ら2,000人ほどが市政府ビルなどを襲撃しております。

この事件で、武装警察69人と公安2人、記者3人が負傷し、うち11人が入院。110軒の官員住宅、22台の車両が破壊され、23人が逮捕されております(当局発表)。消防車を奪い取り、これで官舎に突っ込んだなんて情報があったりもします。デモ参加者数は、当局発表が2千人ですが、少なくとも1万人は越えているだろうという情報もあります。8万人なんて数字があったりするのはご愛嬌。

この地域は、四川大震災の際に大きな被害を受けたものの救済が薄く、また支援金の支給にも大きな格差があることなども暴動に発展した理由のようです。

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博訊網「和諧中国是這様打造的:甘粛隴南暴図

リンク先には、更に数枚、抗議者らをボコボコにする当局の姿を写した写真があります。

湖北、湖南で教師らが賃上げ要求す

湖北省潜江市の10の郷鎮の小中高学校の教師ら約4,000人が、賃上げを要求し11月11日からストに入っているようです。

また、湖南新化県の小中高の教師ら約1,000人が、これまた賃上げを要求し11月17日から2日間ストを行い、県政府前までデモ行進を行ったようです。

両地域共に理由は、「教師の給料は公務員と同額と定められているにも関わらず格差がある」というもの。これ、背後でデモ屋(人権活動家)らが暗躍している姿が透けて見えます。更に携帯など通信機器を駆使して連絡を取り合っている様も伺えます。年々抗議者側のスキルが上がってきております。

更に湖北省随州市では、ここ1ヶ月ほど市民らが変電所建設に反対し、数千人の署名を集め、座り込みを行っているとRFAが伝えています。

反対理由が、住宅地の中に建設されるということで健康被害が出るんじゃないかという迷信めいたものと、建設されることで周辺の不動産価値が下がる可能性があるからというもの。後者の方が比重が大きかったりするのでしょうか。資産確保に敏感になっているということでしょうか。

広東ではデモへの敷居が非常に低く

深セン市竜崗区の香港資本の衣料メーカーが、業者に対する料金未払い請求を連日受け先週の水曜日に行政執行により閉鎖。そして今週の火曜日(18日)になり、元工員ら400人が未払い給料、1ヵ月半分ほどを求め地元の通りを閉鎖して抗議を行い、深セン市政府ビル前までデモ行進を行っております。

RFAによると、前回紹介したように温家宝が広東を訪れ中小企業救済をぶち上げたのですが、地元メディアが社説などでこれに一切反応を示さなかったことから不満が高まっており、この件もこうした不満の高まりから発生した抗議行動であると解説しています。

また19日、深セン華強北路の路上で、70人ほどが携帯電話のインターネット使用料金値上げに抗議したと『太陽報』が報じています。それまで定額制だったのが、利用量による課金制に切り替わったことに対して抗議を行ったようです。

デモに対する敷居が随分と低くなったものですね。

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posted by タソガレ at 23:55 | Comment(4) | TrackBack(0) | 暴動・衝突・争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
私も北京デモのニュースを知った時、す…すげーっ!(驚)と思いました。
「インターナショナル」を歌ったり、市政府門前に陣取ったり、非常にアピール性の高いデモですね。

それはそうと、広東は猛烈ですね。
デモの垣根が低いのもそうでが、中央に喧嘩を売ったり、最近特に激しさを増していますね…
某大手紙によると、広東に進出している香港企業はおよそ7万社に上るそうですが、この不景気で、そのうち4分の1が逝ってしまうのではないか?という事でした。
以前、香港資本のホテルがレミントン銃を持った集団に実弾を打ち込まれて叩き出される事件がありました。
「中国進出は、香港やシンガポールの企業と組んで行えば無問題!」という事がよく言われていましたが、逆に危ないんじゃねーのか?と思う今日この頃。
Posted by ajaj at 2008年11月22日 07:00
「インターナショナル」を聞くと革命前夜という雰囲気を感じさせ、気分が高揚してしまうのは、何故でしょうか。ベルリンの壁崩壊や東欧の民主化、ソ連崩壊のニュースのBGMとして幼い頃に刷り込まれたのかしら。

広東の労働者デモは、次々と倒産していることもあって、当局がある程度ガス抜きのために黙認しているようでもあります。
また、農民工が早々に帰省しているのも、広東政府が帰省を斡旋している風でもあります。不発弾を手元に置いておくのではなく、地方に投げ返してやれと。農民工が広東からいなくなれば、広東の失業率は上がりませんし、まさに一石二鳥。
汪洋ならこれぐらいのことはやりそうです。

不発弾を投げ返された方、重慶などは苦心しそうです。
不発弾を投げ返しているのが団派の汪洋、投げ返されてどうしようかと苦心するのが太子党の薄煕来。
なんて構図で観察してみるのも面白いかも知れません。

温家宝、引退説が流れたことがあったりと政権内でも浮いているような気がします。
子供を抱きかかえて涙するぐらいしか能がないのですから当然でしょうけど。
Posted by タソガレ at 2008年11月22日 12:05
突然六四天安門に関わる海外のメディア報道をインターネットで見られるようになりました。
趙紫陽の秘書時代の温家宝が登場し、9月末にCNNのインタビューに事件について、
「中国の民主化の発展と関係があると信じている」
とおっしゃったり。
なんか中央とズレ始めてる気がしますが。
彼、大丈夫でしょうか。
Posted by こばん at 2008年12月03日 23:07
趙紫陽の秘書でありながら干されることなく風見鶏よろしく総理の椅子にまで登りつめた御仁ですから大丈夫じゃないでしょうかね。そういう嗅覚だけは鋭そうです(w

温家宝はポピュリストぽいところを見せ、中央から浮いているように見えることがあります。庶民の味方、温総理を演じているだけなのか、本当に浮いているのか、どーなんでしょうかね。
Posted by タソガレ at 2008年12月04日 23:58
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