中国の貿易統計(序)

2008年12月12日

随分と前にエントリしようとして記していたものが出てきたので、投稿しておきます。(序)とあるように、当時は続きを記すつもりでいたのですが・・・・全くの未定でございます。

では、どぞー。

中国の海関総署が発表している貿易統計を覗いてみようと思います。

「中国当局が発表した数字なんて・・」なのですが、大まかな姿が見えればいいかなということで。まず初めに、どのぐらい中国当局と各国が発表している数字に差があるのかを見てみます。

まず、アメリカ当局の発表しているデータと比較してみます。

(100万ドル) 2005年 2006年 2007年
中国側統計(対米輸出) 162,891 203,448 232,704
米側統計(対中輸入) 243,470 287,774 321,443

どちらも中国側から見た場合の対米輸出総額です。グラフにするとその差がよくわかります。

china-usa001.jpg
(画像をクリックで拡大表示)

日本の統計と比べても下記の通り。どちらも中国側から見た場合の対日輸出の数字です。

(100万ドル) 2005年 2006年 2007年
中国側統計(対日輸出) 83,986 91,623 102,071
日本側統計(対中輸入) 109,105 118,516 127,644
china-jpn001.jpg
(画像をクリックで拡大)

対日貿易に限りませんが、中国側から見た輸入でも大きな差が見られます。

(100万ドル) 2005年 2006年 2007年
中国側統計(対日輸入) 100,408 115,673 133,951
日本側統計(対中輸出) 80,340 92,852 109,060

両者の輸出入の統計に大きな差があるために日中貿易の統計では、中国側、日本側の双方から見た場合に両者が貿易赤字という奇妙な結果となっております。

(100万ドル) 2005年 2006年 2007年
中国側統計(対日収支) ▲ 16,422 ▲ 24,050 ▲ 31,880
日本側統計(対中収支) ▲ 28765 ▲ 25665 ▲ 18583
china-jpn002.jpg
(画像クリックで拡大)

日本側の統計では、この3年間で対中輸入の伸び(117.0%)が輸出(135.7%)に比べると鈍化しているため赤字額が減っています。

一方、中国側の統計では、この3年間で対日輸入の伸び(133.4%)が輸出(121.5%)を上回っているので対日貿易赤字が増加しているという結果になっております。全体の動向には差がないことがわかります。

中国との間にだけ統計差があるのではなく各国それぞれの統計に差があるんじゃないか、ということで日米を比較してみました。下記は、両方とも日本側から見た場合の対米輸出額です。

(100万ドル) 2005年 2006年 2007年
日本側統計(対米輸出) 134,889 145,651 143,383
アメリカ側統計(対日輸入) 138,004 148,181 145,463

両者に違いがあります。日米中の統計の差がどのぐらいあるのか、アメリカ側から見た場合の対日輸入の差と対中輸出の差のグラフを並べてみました。

china-trade000.jpg
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日米の統計差なんぞ鼻くそに見えるぐらい米中の統計差が大きいですね。

各国の貿易統計の計算方法の違いから誤差が生じるのは自然なことのようですが、中国との統計との差はこれだけでは説明できないほど大きなものです。

このように中国の統計との大きな差が生じるのは、香港経由の中継貿易が原因であると下記で解説されています。

つまり中国を含め世界各国は、輸出する際は香港と計上し、輸入する際には香港を経由し入ってきたものをその前段階の国で計上していることから生まれる差だということのようです。例えば、中国から香港経由で日本に入ってきた商品でも、中国側の統計ではその殆どが香港への輸出と計上されているということです。逆も然り。

中国の統計では、中国から香港への輸出額が全輸出額に占める割合は、下記のようにEU(21%)、アメリカ(18%)に次ぐ第3位(13%)だったりします。ちなみにEUがアメリカを抜いて輸出がトップとなったのは2007年の2月からです。それまではアメリカが1位。

china-ex0809.jpg
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日中間の貿易収支のより実際に近い数字は、双方の輸入統計を元にした数字ということで下記のようになります。

china-jpn003.jpg
(画像クリックで拡大)

2007年頃から中国側が赤字(日本側の黒字)に転落している様子が伺えます。



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posted by タソガレ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 統計・資料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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