12月15日に中国社会科学院が、2009年『社会青書』を発表したことを受けて報じられた『南方都市報』の記事をば。中国当局の発表する数字なんて・・・なんですが、その辺りは大幅に脳内補完していただくということで。
中国社会科学院は昨日、2009年『社会青書』を発表し、同時に中国の社会情勢報告会を挙行し、中国の社会情勢を解読すると共に2009年の社会的注目点を予測した。会に出席しした専門家は、2008年のGDP成長率予測は9.5%前後となり、来年は8%前後になる可能性があり、国民所得の成長率は7%となり、昨年に比べ半分ほどに下落、現在は全国的に財政収入はマイナス成長となっており、今年の大卒者数560万人のうち年末までに150万人が職を見つけることが困難だと予想され、2009年の中国の雇用圧力は更に大きくなり、来年の失業率は9.4%を大きく超える可能性があり、これは政府に登録されている失業者の2倍になる、と指摘した。
GDP成長率:今年は9.5%には達するだろうとの予測
「現在まで見てきたところ、今年のGDPの成長率は、9.5%前後は達成することができるだろう」と中国社会科学院社会学所所長・李培林は示し、来年は8%前後は達成するだろうとした。
彼は更に、一般的に経済成長の”3つの馬車”は投資、輸出、国内消費と言われており、昨年の経済成長の70%前後を占めていた輸出入貿易総額は来年、この牽引作用が底を打つ可能性があり、このために内需を始動させることが新たな成長ポイントとなると解説した。中央は現在、4兆の資金を投入し経済を牽引しているが、この大規模な投資を配合し、更に多くの難関を突破する社会的パワーを育成し、みなの自信を安定させなければならないという。
財政収入:全国的に財政収入にマイナス成長が現われている
李培林教授は、今回の金融危機が社会に対してこれから起こりうる影響を分析した。
彼はまず、財政収入に対する影響を指摘した。今年になってから、特に10月になってから以降、財政収入の下落速度が更に加速したことは明らかで、現在すでに全国的に財政収入のマイナス成長が出現しており、いくつかの都市、例えば上海のマイナス成長は比較的大きいという。
次に、国民所得と消費への影響に関して。李培林は、今年の国民所得の成長率は7%に達するが、これは昨年と比べると半分前後も下落している。今年は、ここ20数年で初めて、農民の所得増加率と都市部の増加率の差がほぼ同じという状況が出現する可能性があると述べた。そのため、昨今の株式市場や不動産市場が不景気となっている状況において、人々は貯蓄といったリスク回避行動を取る方向へ更に進むだろうという。公定歩合を不断に下げているが、現在のところ貯蓄は依然として急速に増加している。こうなると、人々の消費にも比較的大きな影響をもたらすことになるのだという。
突出している問題:物価が突出した社会問題となった
青書は、物価、医療、所得格差、失業率が最も突出した社会問題であると示し、大部分の人々は社会的集団の利益衝突を感じているが、39%の人は対立が激化するとは思ってないということを示している。
調査で示した18の社会問題のうち、人々が最も深刻なものと考えているトップ3は、物価の上昇(63.5%)、”医療費が高く病院に行きづらい”(42.1%)、所得格差が大きすぎる(28%)となっている。第4位から7位までは、”就職失業”(26%)、”住宅価格が高すぎる”(20.4%)、”汚職腐敗”(19.4%)、年金保障(17.7%)となっている。”物価の上昇”が属している今年特有の問題を除くと、その他の社会問題の順番は、2006年の第一回調査の結果と比べると明らかな変化はない。
(´-`).。oO(何一つ解決もせず、好転もしていないということね)その他、4割近い人々が社会衝突は激化しないと思っている。
(´-`).。oO(残り6割の人は・・・零八憲章ですね)
日々是チナヲチ「【速報】「08憲章」署名者ついに5000名を突破!」解読
農民工帰省:400万の農民工が早めの農村帰省
就業への影響について話が及んだ際、李培林は、現在すでに400万人の農民工が早めに農村に帰っているが、現在様々な調査によって、彼らは完全に居住していた元の村落に帰っているわけではないことがわかっていると述べた。今の農民工は相当な数が80後世代で、彼らは都市での生活に慣れてしまっているので、現在、非常に多くが現地の小さな城鎮、城市に散らばり仕事を行っており、現地政府は、これらの人々が困難な時期を乗り越えることを手助けする措置を積極的に取っているところだという。
(´-`).。oO(爆弾が散らばり交わりしつつ情報交換が進み署名も進むと)金融危機:広東、上海、北京、浙江などが受ける影響は相当厳しい
『社会青書』の編集主幹・陸学芸は、広東、浙江、福建、上海、北京が受ける金融危機の影響は、相当厳しいと述べた。
陸学芸は、金融危機における中国が受ける影響について分析したいくつかの文章で、それほど深刻ではないとあるのは、中国はそれぞれの地域がそれぞれ均一ではない国家で、しかし、それがひとつの大国として存在し、また我々の総人口は欧州に比べて多いからであると語った。
(´-`).。oO(量こそ力なり!)調査によると、広東、浙江、福建、上海、北京、これらの大きな都市や省の経済情勢は相当厳しいが、中部地区、西部地区は、あまり大きな影響はないという。更に、中部地区を調査している際、中部の某省の状況は悪くないことを発見したという。
(´-`).。oO(バブルの恩恵を受けなかった地域を取り出して「状況は悪くない」は無理がないかい)国家幹部:調査は、この10年間で最もおいしい思いをしたと示している
青書は、当面の主要な社会的集団の利益衝突は、主に貧富の対立と幹民(幹部と民衆)衝突であることを指摘している。また、、”雇用主と雇用者”や”管理者と被管理者間”に、支配と被支配、管理と被管理者の関係が存在しており、利益関係の対立衝突が発生しやすくなっていることが調査によってわかった。
(´-`).。oO(造反有理の足音が・・いや今は零八憲章がありました)「どの集団が、この10年間で最もいい思いをしたのは?」との質問でのトップ3の集団は、国家幹部(68.6%)、国有グループ企業経営管理者(60.4%)、私営企業の社長(52.3%)となった。ワースト3の集団は、農民工(6.7%)、労働者(6.8%)、農民(16%)だ。これは、当面、幹民の関係をうまく処理することが重要であるということを示している。
(´-`).。oO(さすがに官民衝突とは言えないか)被災損失:地震、雪害の損失は1兆に達する
統計によると、今年全国の震災、雪害、氷害による損失は1兆元に達するという。
李倍林は、四川ブン川地震の被害損失は、最初、4,000億元だと予測していたが、最終的には予想の倍の8,000億元以上にもなったと指摘した。しかし、このような損失は主に、既存財産の損失を計算したもので、当然ながら地震災害は、いくつかの企業を停止に追い込みもした。しかし全体的に言えば、四川経済の総量が全国に占める割合が高くなく、主な損失は既存財産だったので、根本的に経済成長へ影響をきたすようなものではなかったという。
(´-`).。oO(ということは雪害が及ぼした影響は広東を中心とし金額以上に大きかったということね)大学生の就業
大学生の失業率、今年は12%を超え、これは登録されている失業率の3倍ほどになる
本紙のニュース、青書は、今年の年末までに150万人の大学生が職を見つけることが困難だろうという予測を公表した。就業率が最も低い本科の学部は、芸術系や生命科学系だ。その他、就業問題の専門家・陳光金は、大学生の失業率は、今年12%を超えると予想され、これは登録されている失業率の3倍ほどになると指摘する。大学生の就業問題も比較的大きな問題だ。
美術音楽系の就業率が最低
青書の調査で、就業率が高い本科の専門、その卒業生の月給がどのぐらいなのかがわかった。就業率が最も高い本科の専門のトップ10は、機械電子工学、検査医学、放射線医学、公認会計士、物流工学、検査技術工学、建築学、自動車工学、情報安全、過程制御装置だ。これらの専門の就業率は最高で100%、最低でも96.8%だ。
就業率が最低の専門は、主に二大専門に集中している。ひとつは、美術、音楽、音楽演出の専門を含む芸術系の専門で、もうひとつは、医学、生物や農学の専門を含む生命科学系の専門だ。これらの専門の大学生の月給は多くが2,000元以下で、本科の卒業生の平均月給の2,483元より低い水準だ。
(´-`).。oO(意外だけど、さもありなんか、このままだと腐海に沈むのは時間の問題か)臨床医学の月給が最低
月給水準の専門間格差では、卒業半年後の月給のトップ10の専門は、フランス語(4,783元)、石油工学(3,550元)、公認会計士(3,494元)、ドイツ語(3,473元)、ミクロ電子学(3,447元)、建築学(3,427元)、ソフトウエア・エンジニアリング(3,384元)、保険(3,102元)、日本語(3,096元)だ。
(´-`).。oO(サルコジw)月給のワースト10の専門は、臨床医学(1,540元)、小学校教育(1,588元)、中国医学(1,676元)、教育学(1,744元)、美術学(1,745元)、放射線医学(1,774元)、林業学(1,833元)、歴史学(1,837元)、スポーツ教育(1,845元)、音楽学(1,853元)だ。
10の月給が最も低い専門のうち、医学系の専門が4つを占め、これはこの仕事が専門性非常に高く、職業訓練期間が長く要求され、卒業後の短期間の月給は低くなっているからだ。
南方都市報「今年居民收入搨キ僅去年一半」
最後の就業データは、中国という国の中身が透けて見えそうで、なかなか興味深いですね。
教師の給料はワースト2なんですね。教師の待遇改善要求運動が広がるわけです。歴史学ってのはプロパガンダのことかなw
ロイターの記事を置いておきます。
[マドリード 15日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は15日、世界経済が前例のない減速に直面しているとして、2009年の中国の成長率予想を5%前後に引き下げる可能性があるとの見解を明らかにした。
IMFは11月、09年の中国の成長率予想を0.8%ポイント引き下げ8.5%とし、08年の9.7%から鈍化するとの見通しを示していた。
ストロスカーン専務理事は当地で開催された会合で「中国の(成長率)見通しを当初は11%としていたが、その後8%へ、さらに7%へ引き下げた。おそらく5─6%の成長率になるだろう。世界的な景気後退の可能性は現実的だ。何らかの手を打つ必要があることを認識している」と述べた。
(後略)
ロイター「09年の中国成長率予想、再び引き下げる可能性=IMF専務理事」
中共当局は大々的に「保八(成長率の8%キープ)」をぶち上げた手前、8%を切る予測は簡単には出せないでしょう。しかし、最近では雇用悪化を全面に押し出しつつ、「保八」のトーンが少々ダウン気味。8%を切る予測を出す前振りでしょうか。
メラミンを混入させていたのは中国の大企業だし、国内向け製品を中心に混入していたのだから海外からのプレッシャーなど関係ないでしょうに。不自然なカットが入っているから、質問に対する答えじゃなかったのかも知れないけど、これは酷いのー。



ただ、今のところ、来年後半からは4兆元の財政支出の効果で中国は景気が持ち直すという予想をしているところが多いようです。仮にそうなったとしても、その持ち直しまで辿り着くのが非常に大変という気がします。
日系がシャンハイや広州に集中しているからですかね。
うちの卒業生、そんなにもらえているかな〜。
4000元もらってるなんて自慢げに報告してきている卒業生もいるようですから、ありえない金額じゃないのかも。
(でも2000元ぐらいの卒業生は、教えてくれないし 笑)
4兆元のうちどのぐらいが実のあるものなのか不明ですが、この奪い合いが熾烈を極めそうですよね。
来春から沿岸部が農民工の受け入れを制限し始めたり、財政収入の落ち込みを補おうと物流の通路になっているような地域で通行税みたいなのを徴収したりなど、地方が暴走を始め、中国国内でブロック経済化が進むんじゃないかなぁ、なんて妄想しております。
> nhatnhan625さん。
語学系がこれだけ上位にランクインしているのに驚きました(そして格差にも)。
少し考えれば、さもありなんなのですが、にしてもフランス語がトップなのには驚かされました。
こういうデータを眺めると(数値の正確性は別にして)色々見えてきて面白いですね。
まぁEU主要国の首脳も日本素通りでしたが。
http://www.recordchina.co.jp/group/g26780.html
中華帝国に屈する米国、オバマ次期大統領の早期訪中は敗北?―米メディア
2008年12月14日、米政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」は、
米国人ジャーナリストであるリチャード・ハロラン氏のコラム「アジアを重視せよ」
を掲載した。16日付で環球時報が伝えた。
オバマ次期大統領はすでに就任後の方針を数多く発表しているが、
その一つが早期の中国訪問。就任後1か月以内に国務長官、財務長官、国防長官
らを伴い訪中、オバマ政権の対中外交の基盤を固める方針を示している。
この方針に対し、ハロラン氏は「極めて愚劣な提案」だと批判している。同氏はアジアにおいて
外交儀礼の持つ象徴的な意味合いは欧米以上のものがあると指摘、オバマ次期大統領の
訪中は中国側に屈したとの印象を与えかねないと警告した。
ハロラン氏は英国が1792年と1816年に清朝政府に外交使節を送りながらも、皇帝への
「三跪九叩頭(頭を地面に9回打ちつける儀礼)」を拒否したため交渉は成立しなかったことを紹介し、
オバマ訪中は「三跪九叩頭」そのものとして、まずは中国政府指導者を米国に招くべきだと提言した。
(翻訳・編集/KT)
これが大本の英文記事。
http://www.realclearpolitics.com/articles/2008/12/setting_priorities_in_asia.html
上記の英文記事を翻訳して『環球時報』が掲載したのが下記。
http://china.huanqiu.com/eyes_on_china/politics/2008-12/313945.html
そして丸さんが紹介くださったのが、上記の『環球時報』が中文に翻訳した記事を『レコチャイ』が日本語に翻訳した記事。
それぞれの過程で削除されている箇所があってなかなか興味深いことになっております。
また、大本の記事を書いたアメリカ人ジャーナリストなる人物は、10年間NYTに勤務していた人物というのも興味深い点でございます。
中共メディアの「民主党は理想主義に走る」との懸念の一旦が早くも顔をのぞかせているということでしょうか。
『環球時報』の記事には掲示板が併設されコメントが多数寄せられていて、その中にこんなものが。
「違うぞ、真の冊封とは、中国で大統領就任式を行うことだ!」
ご尤も(w