「国家海洋局の2隻が尖閣沖領海侵犯す」の続きのようなもの。
香港紙『明報』の12月19日付の尖閣沖領海侵犯について論じた記事をば。
今月初め、中国の海洋監視船が釣魚台島海域に進入した事件は、未だに余波が続いている。この件は、駐日両国に異なる反響を引き起こし、異なる憶測をも引き起こし、中日関係の前途にある暗雲が険しいことを反映したものとなっている。
釣島巡視に民間は喝采す
まず、両国世論の反応は大きく異なってるが、政府は共に高度に重視している。中国メディアは、これは中国の法執行機関の船が始めて釣魚島海域に進入した「維権の旅」であると大々的に報じた。内地のネットユーザーらは興奮して喝采し、中国外交部の官員も声高に、スポークスマン劉建超は「釣魚島およびその島嶼は古来より中国固有の領土である。中国側の関連船舶が中国が管轄する海域で得市場名巡航活動を行ったので、なんら非難されるものではない」と述べた。日本のメディアの報道は素早かったが、大きく扱うことはなく、これは金融危機にメディアの注意力が分散し、これらのニュースに対してあまり興味を持たなかったからだという。しかし、東京は十分に関心を示しており、調査によると日本の首相・麻生太郎は、事が起こった翌日に外務省高官の会議を招集し、事件について討論し、福岡と同時に温家宝総理とのトップ会談の中で「遺憾」を示すこととしたという。
解説は様々だが前後が矛盾している
次に、事件の原因に関して、中国側メディアが伝えたところによると、綿密に準備され、適切な時期を選んで行われたという。日本側は、中国が三カ国サミット前夜になぜこの種の行動を取ったのかすぐには解せず、そのため様々な憶測が飛んだ。サミットが日本側の外交的勝利で、中国側はバランスを取る必要があり、外に向けて対日外交の強硬姿勢を示したが、実は国内の民衆に対するパフォーマンスで、更には中国側がこの行動を取ることを事前に日本側に通報していて、今回の権利保持の旅は、実は両国合作による自作自演だったいう説。更にもう少し陰謀論の色彩のあるものとして、今回の出来事は、中国の反温家宝総理勢力による仕業で、温の訪日の前に彼を難しくさせることが狙いで、このため、中国側はすでにパイプを通じて日本側に謝罪しているといったもの。しかし、この種の言い草は、前後の矛盾を説明しきれておらず、中日間の猜疑心が重なりあっていることを反映したもので、いわゆる戦略的互恵関係は、依然として前途多難であるように見える。
孫嘉業
明報「中國評論:中日猜忌重重難互惠」
サミットが日本の外交的勝利ねぇ・・・、ピンと来ませんが三カ国サミットが開かれた日が南京陥落71周年記念日と重なったことを気にしていたりするのでしょうかね。
「日中友好なんて幻想だ!」とはっきり言うでもなく、何が言いたいのかよくわからない、なんとも弱々しいコラム。香港人でも今回の中国側の行動がよくわからない、今回の行動は失敗だったという認識なんですかね。
前回の続きを時系列でまとめておきます。
麻生さんは、事前に述べたように13日に行われた日中会談の席上、この件を持ち出し抗議すると共に日本側の立場をアホに話すが如く言い聞かせております。
麻生総理から、非常に遺憾であると述べるとともに、東シナ海を「平和・協力・友好の海」とし、両国が戦略的互恵関係を築こうとしている中での事件であり、日中関係に良い影響を与えない旨述べた。これに対し、温総理からは中国側の基本的な立場が述べられ、併せて、中国としては、話し合いを通じ、適切に解決したい、良好な二国間関係に影響を与えないようにしたいとの発言があった。
麻生総理から、再度我が国の立場を述べるとともに、良好な二国間関係に影響を与えないためにも再びこのようなことが生じないよう対処願う旨述べた。
外務省「日中首脳会談(概要及び評価)」
まず、抗議し日本の立場を述べる。それに対して温家宝が中国側のイチャモンを述べる。そして日本側が再度、日本の立場を述べる。
日本のメディアは「双方が激しい応酬をした」とだけ報じていましたが、最後にキッチリ殴り返していることが、日本側にとっては両者の立場を明確にする意味で非常に重要。中国側が、これを報じるわけもなく、この会談を伝える新華社の記事では、麻生さんの発言には一切触れずに、中国側のイチャモンだけを報じております。
- 新華網「温家宝会見日本首相麻生太郎」
また、温家宝の発言で新華社が報じていない箇所があって、それは「話し合いを通じて」という箇所。総理自らが述べた言葉をそのまま報じる事ができないほど腰の引けた今の中南海に危ういものを感じます。
もうひとつ、この「話し合い」という発言は曲者で、日本国内から「相手が話し合いしようと言っているのだから、無碍に断らずに話し合いで解決すればいいじゃん」なんていうお花畑な声を誘っているわけです。ガツンと殴っておいて、話し合おうと。まんまヤカラでございます。
そんな輩に対して沖縄県議会が19日、抗議決議を全会一致で採択しております。
去る12月8日午前8時10分ごろ、中国の海洋調査船2隻が尖閣諸島・魚釣島南東約6キロメートルの海域を航海しているのを第11管区海上保安本部の巡視船が発見した。
同巡視船は、国際法上認められない航海に当たると判断し、2隻の調査船に領海外へ退去するよう警告したが、2隻は周辺の領海内で航海を続けた後、午後5時20分から35分にかけて領海外へ出た。
尖閣諸島に関しては、同諸島周辺海域における海洋資源の存在が明らかになって以来、中国政府は領有権を主張し、さらに南西諸島西側に広がる沖縄トラフまで大陸棚が続いているとして大陸棚全域での排他的経済水域(EEZ)を主張している。
しかしながら、明治28年1月に日本政府が沖縄県への所轄を決定して以来、漁業や林業、かつおぶし工場が営まれてきた実績があることや、中国政府はもとより諸外国からこれまで公式な異議申し立てが一度もなかったこと、さらには中国政府が発行した「外国地名手冊」に「日本領」と明確に記されていることなどから、尖閣諸島が石垣市に属する我が国固有の領土であることは疑問の余地がないところである。
よって、本県議会は、我が国固有の領土である尖閣諸島周辺海域における今回の領海侵犯に抗議するとともに、今後、領海侵犯を行わないよう強く要請する。
上記のとおり決議する。
平成20年12月19日
沖 縄 県 議 会中華人民共和国国家主席
沖縄県議会「中国調査船による領海侵犯に関する抗議決議」
中華人民共和国駐日本国特命全権大使 あて
「外国地名手冊」とやらは知りませんが、1953年1月8日の『人民日報』に尖閣諸島は沖縄諸島に属すとはっきりと記されております。また、1968年10月6日の台湾の『聯合報』の記事にも尖閣は沖縄に属すと記してあることが、中国人記者によって発見されております。この記者は、この記事を発見したことに対して大いに驚くと共に絶望しております。
閑話休題。
更に沖縄県議会は、日本政府に対しても「もっとしっかりしろ」と意見書を全会一致で採択しております。
政府におかれては、尖閣諸島は我が国固有の領土であるという毅然たる態度を中国政府を初め諸外国に示すとともに、今回の領海侵犯に関して中国政府に抗議を行うよう要請する。
沖縄県議会「中国調査船による領海侵犯に関する意見書」
そして防衛省は、このタイミングで・・
防衛省は、中国空軍の近代化などに対応するため、沖縄県の航空自衛隊那覇基地に、来年1月上旬、F15戦闘機を配備する方針です。今回の決定は、これ以上配備を遅らせればこの地域の防衛に支障が出るという判断があります。
沖縄県の航空自衛隊那覇基地には、F4戦闘機が20機余り配備され、外国からの領空侵犯などに当たっていますが、機体が老朽化し、中国空軍の航空機の近代化などに十分に対応できないという指摘が出ていました。こうしたなかで、防衛省は、F4戦闘機より航続距離が長く、広い範囲で行動できるF15戦闘機およそ20機を、来年1月上旬に茨城県の百里基地から移転させる方針を固めました。防衛省は、地理的な条件などから中国を刺激するとして、これまで那覇基地へのF15の配備を見送ってきましたが、今回の決定はこれ以上配備を遅らせれば、この地域の防衛に支障が出るという判断があります。
NHK「F15 那覇に1月上旬配備へ」
そして、米軍も・・
米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)の報道部は17日、最新鋭のステルス戦闘機「F22Aラプター」12機を来年1月から約3カ月間、同基地に暫定配備すると発表した。同機の配備は昨年2月以来で2度目。要員約250人とともに、米バージニア州のラングレー空軍基地から派遣されるという。
報道部は配備の理由として「日本に対する米国の責任を強調するとともに、太平洋全域で安定と安全を確実にする決意を示すため」としている。グアムのアンダーセン空軍基地にもF22Aを12機派遣する。
(後略)
共同通信「嘉手納基地、ステルス機再配備へ 来年1月から3カ月間」
新華社もこれを報じております。
- 新華網「日本将在沖縄那霸基地部署二十架F-15戦机」
- 新華網「美軍将再次在日本臨時部署F−22型戦机」
また、11日にAFPが、アメリカ空軍がラプターを新たに60機購入しようとしている動きがあると報じ、これを新華網が転載しています。
その中で軍高官の話として「大量のF22を購入することは、アメリカの潜在的ライバル――中国に対するためである」と述べたとあります。
ここまでの動きを中国側と協力して行った・・つーのは流石に無理がありそうd・・・・北朝鮮には遠いよな。



同じ市議会で自衛隊は殺人機関とも答弁しています。
リークというより外務省が外交文書を公開し、その中に件のものも含まれていたということのようですね。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081222/plc0812220051007-n1.htm
スケジュール通りの公開なのでしょうかね。
にしてもきな臭い動きがてんこ盛りで少し恐ろしいです。
18日にはオーストラリアとの間で2+2を行っていますし、
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/australia/2plus2/0812.html
福田さんが訪中しましたし、来月には麻生さんが訪韓。
北朝鮮からは金正日について怪しい生存情報が続々と。
事前に定められたスケジュール通りなのかどうかわかりませんが、急にバタバタと慌しく動いているような。
> sinarsinarさん。
離島の状況視察ということで麻生さんが先日、五島列島などを訪れ、また超党派の議員団が対馬の状況も視察したとか。
そろそろ国境の離島について、海上保安庁や自衛隊だけでなく、行政として何らかの対策なり、方針なりを示す必要がありそうですね。