経済成長速度が明らかに緩やかになり、インフレとデフレの圧力が交替で交互に出現し、不動産価格の下落が現われ、中小企業の生存状況が更に一歩悪化し、雇用情勢が厳しくなり、財政収支のバランスの難易度が極めて大きくなると作者は思っている。2009年の中国のマクロ・コントロールは、更に複雑な局面に直面するだろう。
”成長を保持し、内需を拡大し、構造調整を行う”、この目標を実現するために、消費の拡大が迅速に得がたい状況において、我が国の2009年のマクロ経済政策は、真剣に”積極的+安定した”方針を実行するだろうことは疑いようがなく、内需拡大に力を入れ、併せて低所得者や貧困層の保護や生活保障を増大し、これによって経済の安定と社会情緒の安定とするだろう。
□王自力
2008年は、極めて稀な1年だった。国内外において様々な不利な要素の挑戦に対応するために、我が国のマクロ経済政策は、3回の重大な調整を行い、国民経済の健康で安定的な運行を基本的には保持することができた。2008年の終わりが近づいてきた今、来年の情勢はどのようなものとなるだろうか?先日、終了した中央経済工作会議は、2009年は”成長保持、内需拡大、構造調整”という経済基調を確定した。ここから、我々は、2009年の中国の経済情勢についてはっきりとした判断を導き出すことができる。
まず、国際金融危機は今なお拡散しており、我が国への影響についても更に重くなり、中国経済の成長が明らかに緩やかになるだろう。今回の経済危機の世界中の実態経済への衝撃と生み出す損失は、よりいっそう拡大し、主要な成熟した市場国家の経済が全て大幅に下落し、世界経済は衰退へと向かうだろう。国際通貨基金(IMF)が先日発表した予測報告によると、世界経済は、明らかに減速段階に入っているという。その中で、アメリカの今年のGDP成長率は1.6%となり、来年には0.1%にまで下落するとある。イギリスは、来年の成長率は0.1%で、イタリアは0.2%、ドイツは停滞に陥るだろうとある。この影響を受けて、来年の世界経済の成長率は3%となり、グローバル化しているために、中国の2009年の経済成長も緩やかになるのは確実だ。
次に、来年の国内のインフレとデフレの圧力が、繰り返し交互にやってくるだろう。国内の様々なマイナスの要因の総合的な影響によって、2009年の中国のマクロ・コントロールは、更に複雑さを増した局面に直面することとなるだろう。国際的に見れば、世界が金融危機の影響を受け、国際的な大口商品価格に大幅な下落が出現し、徐々にインフレ抑制から成長保持へと政策の重点を移す経済体が多くなってくるだろう。相対的に緩和された金融条件の下、一旦市場は自信を回復し、国際的な商品価格が再び上昇傾向となるかもしれない。その上、中国、インド、ブラジル、ロシアなどのBRICおよび新興市場経済国家の工業化が急速に進む過程で、資源と要素価格の高騰の傾向が出現する可能性は、依然として存在している。この意味するところは、我が国のインフレ圧力が最近大幅に軽減したが、来年は非常に大きな不確実性を有しているということだ。
3つ目は、中国の株式市場と不動産市場が引き続き揺れ動き、不動産価格の下落の可能性が増大するだろうということだ。世界的に見ると、今回の金融危機もバーチャル資本のバブルが弾けた過程におけるひとつの出来事だ。今年になってから、中国の株式市場が持続的に下落し、すでに底となっているものの、投資家心理は短期のうちに回復しにくい。2009年の株式市場は、引き続き乱高下の状態を呈し、世界金融危機の衝撃の下、2009年の中国の株式市場が大幅に上昇する可能性はは極めて低く、相対的に穏やかな株式市場の運行を保持するか、あるいはそうすることが関連管理層の仕事の重点となるだろう。注目に値することは、不動産市場で、不動産価格のここ数年の持続的な高騰から、すでにバブルとなっており、市場取引が低迷している。そして、経済の不景気な状況において不動産市場の崩壊を防がなければならず、不動産市場の崩壊は国民経済に深刻な衝撃をもたらし、更に連鎖反応を引き起こすからだ。市場の堅調な需要は、不動産市場の危機を解消するのに有利な条件であるが、住宅価格を安定させようと思えば、市場取引を活性化させることは難しい。ゆっくりと放水しバブルを小さくすることだけが、不動産価格を合理的なレベルに維持させるので、2009年の不動産価格は小幅な下落となる可能性が非常に大きい。
4つ目は、中小企業の生存状況がよりいっそう悪化するということ。我が国の経済構造の中で、輸出が国民経済に占める割合は3分の1で、この輸出の絶対的多数は、我が国の中小企業が為しえたものである。我が国の輸出の主要な市場である国家、欧州、アメリカ、日本は全て経済衰退の状況が現われており、我が国の輸出状況が影響を受けないはずがない。中国社会科学院が分析を行ったところ、アメリカ市場に占める中国の輸出は20%前後で、アメリカの成長率が1%下がった場合、中国の輸出が4%下がるという。紡績業を例にすると、我が国は、すでに何度が輸出還付税の額を引き上げてきたが、紡績業界は生産能力過剰のために、生き残る事が難しくなっている。毎年開かれている広州中国輸出商品交易会は、我が国の最重要輸出製品の紡績衣服、靴類の展示販売会なのだが、例年に比べて今年は明らかに寒々しく、発注が大幅に減少した。組織委員会の責任者は、来年の中国の紡績衣料品の輸出は、あるいは1998年以来初めとなる”マイナス成長”となるかもしれないと語った。これにより分かることは、我が国の中小企業の来年の生存状況の厳しさである。
5つ目は、雇用情勢が、改革開放以来、最も楽観できない1年になるかも知れないということだ。まず、国際金融危機の影響を受け、大量の海外人員が帰国し、それによってハイエンドの競争から重心が下に移ることとなり、この状況は、大卒者の雇用情勢に新たな挑戦をもたらすことは間違いない。その次に、金融危機が実体経済に蔓延するにしたがって、来年は大量の外資系企業や中小企業が倒産、収縮すると予想されており、このために大幅に労働者の雇用が減少するだろう。次に、来年の大卒者数は600万人近くに達し史上最多となり、更にすでに卒業している者で就職できていない者もおり、2009年にさばかなければいけない大卒者は1,000万人近くにもなる。そこで今年始めた公務員の行政機関の構造改革と間もなく動き出す事業単位改革は、財政を投入し、職種の増加の幅を緩和する予定で、これは全て2009年の中国の雇用情勢が楽観視できないことを表している。
6つ目は、中国の2009年の財政収支バランスの難易度が非常に大きくなるだろうということだ。経済成長が伸び悩み、中小企業の生き残りが困難で、財政終始の増加の余地は極度に圧縮されている一方で、政府は、国民経済の成長を保障するために、現在のような状況の中においては、投資を拡大することが最も直接的で有効な方式で、財政収入の支えが必要なのだ。同時に、消費を刺激するために、民生分野への投資を性急に行わなければならず、更に失業者が増え、都市の低所得者の生存が困難な状況のおいては、社会の安定を保持するために、政府は更に社会保障への投入を拡大させなければならず、これは2009年の中国の財政収支のバランスが未曾有の圧力に直面することを意味している。
上述したように、中国の2009年の全体の経済情勢は楽観できず、”成長保持、内需の拡大、構造調整”という目標を実現するためには、消費の拡大に迅速な効果を得がたい状況の下、中央の2009年のマクロ経済政策は、”積極的な財政政策+安定的な金融政策”という”積極+安定”方針を真剣に実行するだろうということは疑いようがなく、国内需要、特に消費の需要の拡大に力を注ぎ、併せて低所得者や貧困層の保護と生活保障を拡大し、これをもって経済の安定と社会情緒の安定とするだろう。
中国証券報「中国経済発展将経受六大考験」
今年の夏ごろぐらいから経済関連の記事を意識的に眺めるようにしてきました。経済については全くの無知ですので、勉強しつつ、難解で大変でしたが「中国経済はヤバイ」という言葉を裏付けるいくつかの具体的な情況を垣間見る事ができたように思います。
中国経済の現状認識と将来の展望について、日本のメディアよりも中国メディアの方がシビアに見ているように思え、不思議な感覚に陥ることもしばしば。全ての責任を「米発の金融危機」になすりつけ、胡錦濤の談話をはじめとし、中央が危機感を全面に押し出しているということもあるのでしょうが、実に様々な経済論議を見ました。そんな中で温家宝のぬるさが気になったのが秋頃でした。
華南を中心に壊滅的な情況となりつつある中国経済ですが、だからといって「もう崩壊すんじゃね?」とは、まだ思えなかったりもします。随分と弱ってはいますが、では中共に代わる何かがあるのかと問われると「うむぅ〜」と唸ってしまいます。
各地で暴動が頻発し、その暴動の質も突発的なものから計画的で、横の繋がりを感じさせるものへと変質し、一部ではプチ易姓革命の如く要求が通り、成功するものも出てきていたりしています。そして中共体制以外のもうひとつの選択肢、ひとつのあるべき姿を示した「零八憲章」が発表されたりと、次の時代への準備が少しずつ整いつつあるように見えますが、もう一押し何か、中国人の琴線に触れる錦の御旗のような精神的な何かが欲しいところです(そんなものがあるのかどうか知りませんが)。
いずれにせよ、従来の社会不安に金融危機が追い討ちをかける形となり、不安感、不満感を解消するひとつの方法、政権交代をスムーズに行う制度を持たない中共独裁体制にとって、2009年もより以上に厳しい年となりそうです。
「失敗は個人の責任、成功は党の功績」が何時まで通用するのでしょうか。



http://www.asahi.com/international/update/1231/TKY200812310127.html
尖閣付近の石油を共同で開発って話がでてましたけど、中共は台湾と本気で対日戦線を構築したいと考えているのかもしれません。
世界中中国シフトになっているように思えますが、
2009年以降はやはり日本にとって相当厳しい時代になりそうに思えます。
年末なのにこんな書込みで申し訳ないですが。
ということで来年も良いお年を。
また、紹介くださった記事中にある「軍事面での相互信頼システムの構築」は、すでに中共側はソマリアへの海軍派遣の過程において具体的に動いていたりもします。
更に、真偽不明ながらも中共解放軍が台湾に向けているミサイルの一部撤去を中央と軍とが合意したなんて報道もあります。
自衛隊のF-15の沖縄配備、米軍のF-22Aの沖縄、グアム暫定配備といった、少々過剰かと思えるような体制は、こういった動きへの牽制なのかも知れません。