4月4日付のイギリス『フィナンシャル・タイムズ』の(おそらく)中国駐在記者さんによる英文署名記事の中文訳記事をば。
ニコラ・サルコジは、G20サミットでの成果の大部分は自分の功績であるとし、バラック・オバマは、その柔軟な外交手腕が称賛されたが、中国はサミットにおける成果についてはより慎重な歓迎とした。
会議の後、中国は、他の多くの国家のように大統領記者会見を開くことはなく、金曜日に本国がロンドンサミットで得た成果を列挙した。しかし、中国官員は同時に、中国が優先的に考慮している主要な問題のうち、いくつか処理できなかったことをも認めた。
中国の官員は、サミットで国際通貨基金(IMF)改革の計画が宣言されたことに満足していると示した。改革は、欧米のIMFおよび世界銀行の指導者の任命に対する独占を終結させ、そして配分額制度の改革を承諾し、中国に更なる発言権を与えるだろうものであるという。イギリス首相ゴートン・ブラウンが、中国がIMFの増資のために400億ドルの貢献を行うと述べたが、中国の官員は、中国の出資の具体的な細かな点については今尚検討中であると示した。
全体的に見ると、IMFの増資総額や貿易融資に対する増加を実行すれば、経済学者は、中国の輸出部門にとって十分に有益であると語る。
「ここ数年、中国の約30%のGDPの成長の全てが対外需要が推進してきたことを鑑みれば、我々は、中国はこれらの措置によって益することは明らかであると認識している」とスタンダード・チャータードの王志浩(Stephen Green)は述べた。
しかし、別の方面では、中国にとって最も重要ないくつかの問題で、ロンドンサミットでほとんど進展が見られなかった。保護主義の破棄(中国の最大の心配事のひとつ)に対する承諾が、相対的に曖昧であった。その上、これから2年で大規模な財政刺激策を実施するとすでに中国は宣言しているが、他の国家はこの方面において更なる行動をとるよう希望した。
サミットの準備段階で、中国は国際経済事務の中において更に大きな作用を発揮したい希望を示していたが、中国はいくつかある重点的利益のどれを守ろうとしているのか今尚はっきりさせていない。ロンドンサミットで、いくつかの手がかりを得た。
タックス・ヘイブン問題に関する論争で、最終的にオバマが、中仏の調停を行い妥協させてようやく解決した。これが示すことは、中国は断固として経済問題における主権意識を守ろうとしているということだ。
中国は、G20 が金融監理を強化するという決定に対して基本的に支持を表明していた。サルコジが”アングロ・サクソン方式”はすでに過去のものとなったと断じたことに対して、中国の国家主席胡錦濤は、何の意見も示せなかった。しかし、中国が支持している多くは、ヘッジファンドや格付け機関への抑制といった西側国家の監理を強化する措置なのだ。胡錦濤は、香港やマカオが含まれる可能性を含んだタックス・ヘイブンのリストを公表することに反対した。これは、中国が本国の金融システムに新たな国際的な監理機関が影響を及ぼすことを嫌っていることを示すものだ。
外交関係者は、もうひとつ別の要素も存在すると述べた。彼らが言う中国とインドは、共に新たな国際金融監理機関がどのようなものであれ、IMFや世界銀行と同じように、欧米に掌握させることを憂慮しているのだと述べた。
FT中文版「分析:中国謹慎歓迎G20峰会成果」
(Geoff Dyer)
結局、このタックス・ヘイブンのブラックリストは、OECDが公表するという形で決まり、すでに公表されているのでフランスなどの要求に対して中国側が押し切られた形です。
- OECD東京センター「税目的の情報交換における進展に関する報告書発表」
サルコジが「中国は、香港とマカオがブラックリストに掲載される可能性があるので反対している」なんて述べていたようで、この発言に対して2日の外交部定例会見で「このためにサミットでの合意に中国が障害なるかもしれないと言われているが」と記者から質問が飛び、秦剛が反論しておりました。
香港、マカオがリスト入りしなかったのは、そういう配慮があったということでしょうか。オバマによる「調停による妥協」が、リストに香港、マカオを入れないことだったという報道があったりもします。
例の中国政府によるIMFへの400億ドルの融資の件について。
この件は、ブラウンがG20全体会議後の記者会見で明らかにしたのですが、新華社は英中会談を報じる記事の中で、これに触れていません。
- 新華網「國家主席胡錦濤會見英國首相布朗」
全体会議で行った胡錦濤の講話の中でも触れていませんし、ブラウンとの会談の中で表明したと思われるのですが記されていません。
記されていないだけでなく、この件について「中国側は未だにこれを行うと実証していない」なんていう報道が8日になり大陸で流れていたりします。
- 中国金融網「中国将以購買IMF的SDR債券 向其注資400億美元」
しかし、記事は続けて「消息筋情報」として、「原則的には中国は400億ドルの資金を注入することに同意している」、「中国人民銀行がIMFの発行するSDR債券を購入する方法をとるのではないか」と述べたと報じています。
麻生さん訪中の件とよく似た状況。大丈夫なのか、胡錦濤。





