アルカイダは俺たち漢人と欧米とを結びつける仲人だ

2009年07月18日

香港紙『明報』の15日付のコラムをば。

新疆騒乱が中国にどのような良いものをもたらしたかという話をすると、中国と西側国家(現在スパイ事件で騒いでいるオーストラリアを除く)との関係を更に融合させ、特にアルカイダ組織が中国に報復しなければならないと公言してからは、中国は、反テロ戦争中である欧米国家と今まで以上に「同じ釜の飯の戦友」となったということだ。

欧米と急に戦友となる

依然として北京は西側メディアの報道手法に不満を抱いてはいるが、昨年のチベットのラサでの「3.14」騒乱の後の国際環境と比較すると、中国は、西側国家の空前の理解に対して満足しなければならない。ラサ騒乱後、西側各国は非難の声一辺倒で、半年の間に、多くの欧州の国の指導者が次々とダライ・ラマと会見し、北京オリンピックの開会式も一部の国の指導者にボイコットされた。しかし、ウルムチでの「7.5」騒乱後は、トルコの政治家が比較的激動した以外は、西側国家の指導者の大部分の反応は温和であり、多くは各方面に自制を呼びかけ、アメリカは中国政府による鎮圧の証拠がないと述べ、更にフランス駐中大使は、中国のウルムチ騒乱の中での海外メディアに対してとった「開放的態度」を高く評価し、胡錦濤はすぐさま帰国し、巧みに各国指導者からの「関心」という圧力をも避けた。

現在までのところ、中央アジア諸国、アラブ・イスラム世界の新疆事件に対する反応もまた、予想されたような強烈なものではなく、ほとんど全ての中央アジアの国家が属している上海協力機構は、中国を支持する声明を発した最初の国際組織だ。アラブ諸国は今のところ、激しい反応はなく、アルカイダ組織が声明を出した今、親米のアラブの主流世界は、更に中国を非難しがたくなった。反響が最も大きなトルコでさえも、その外相は楊潔チとの電話会談の中で「何人もトルコの領土内で中国の主権や領土保全を破壊する活動は許さない」と保証したのだ。

西側は中国に対する評価を改めず

しかし、今回の西側の政治家たちの「寛容」と「理解」に対して、北京がはっきりと認識しておかなければならないことは、西側の中国の政治体制や人権状況の評価に何らかの変化を意味するものでは決してなく、単にイスラム過激派のテロ勢力に対する憂慮と中国の膨れ上がった財布が目当てなだけであって、儒教文明とイスラム文明の正面衝突を引き起こすことも排除してはいけない。

孫嘉業

明報「中國評論:新疆騷亂 外交更和諧

このようなコラムを見せ付けられると、日々是チナヲチさんの「ウイグル弾圧:やっぱ「流出」がね……。」での指摘に頷きたくなります。

下記は15日にロンドンで行われたデモの様子を写したものなのですが、ウズベキスタンとアゼルバイジャン、そしてチベットの旗が見えます。映像を見ると、トルコ、北キプロスの旗も見えます。これが広がる風景を中共、そして漢人は見たくないでしょうね。

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daylife「Getty Images

更に翌16日の同じく『明報』のコラムをば。

昨日当欄で、西側世界の昨年のラサでの「3.14」騒乱と今年のウルムチでの「7.5」騒乱で態度が異なることを論じたが、そこには、西側のイスラム教徒への敵視や新疆独立に対するダライ・ラマのような国際的に比較的影響力を有している精神的指導者が不足しているといった要因があるが、新疆独立とチベット独立の行動方法の違いにも関係がある。

イスラムを信奉しているウイグル族は、気性は剛烈で、徹底的に戦うことを好み、ここ数年、バス爆破やハイジャックしようとするなどのテロ事件を起こしており、今月の大騒乱でも100人以上を虐殺した。仏教を信奉するチベット人は相対的に温和で、街頭での抗争(投石したり放火したり)を除けば、未だに有名なテロ襲撃事件がない。更に重要なことは、チベット独立の精神的指導者であるダライ・ラマの平和的なイメージが、西側世界の人々の心に深く入り込んでおり、チベット独立の「平和」というイメージと無関係ではない。

このような異なる点が要因となり、中共の新疆独立に対して異なる対処を行っている。指導者の陣容を見ると、中央チベット工作協調小組の組長は全国政協主席・賈慶林で、中央新疆工作協調小組の組長は中央政法委員書記・周永康だ。ここから伺えることは、チベット問題は依然として民族、宗教の統一戦線を主としており、主管とダライ代表との交渉は、中共統一戦線部長、全国政協副主席・杜青林が行い、彼はウルムチ騒乱発生時、ちょうど欧州を歴訪し、欧州にチベット情勢を説明している最中であった。新疆問題に対しては、北京は反テロを主とし、強引に腕力でこれを鎮圧し、新疆独立問題のために国際的な広報をあまり行う必要がないようだ。

両独立勢力の合流

しかし、万事は変化するもので、一部のチベット独立過激派が、ここ数年、暴力化の兆候を見せており、ダライ・ラマの死後、チベット独立勢力が新疆独立勢力の暴力路線に走る可能性があると予測する者もいる。最近、世界ウイグル代表大会は、ダライ・ラマ事務所に手紙を送り、双方が協力し、行動を統一し、新疆とチベットの両独立勢力を合流させようと呼び掛けた。そこで昨年、中央チベット工作協調小組は改組し、初めて武警司令官・呉双戦をメンバーに加えている。今回のウルムチの騒乱の中で、新疆における民族、民生の面における欠陥が暴露され、各方面が民族の融合、貧富の差の縮小の方面へ今後更に力点を置かなければならないことを気づかされた。

孫嘉業

明報「中國評論:疆藏兩獨有別 中央軟硬兼施

ウイグル問題をイスラム過激派と安直に結びつけてテロとする宣伝を盛んに行っている中共ですが、この宣伝をやりすぎるとイスラム世界から思わぬ反発を食らわないとも限りません。

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7月15日ジャカルタ@インドネシア

daylife「AP Photo

親中共と言われて久しい『明報』だけあって、中共の喧伝に載っているところもありますが、西側世界におけるウイグルの立ち居地の厳しさは指摘の通りだと思います。そして中共は、情報戦において猛烈な勢いで学習し実践していることも事実だと思います。

ただ、アメリカでの9.11テロから8年が経過しイラクからも徐々に米軍が撤退を始めております。逆に昨年のチベット大弾圧と聖火リレーと共に世界中を漢人による赤色デモが巡りました。「俺達よりイスラムの方がイメージが悪い」と胡坐をかいている場合ではないのかも知れません。

【カイロ17日時事】イランのラフサンジャニ元大統領が17日導師を務めた金曜礼拝後、会場となったテヘラン大学周辺で、改革派ムサビ元首相を支持する1万人以上の若者らがデモを行った。警官隊や民兵バシジが大量に動員され、催涙弾を発射するなどして解散させた。

(中略)

 目撃者が時事通信に語ったところによると、ムサビ氏の選挙キャンペーンカラーだった緑色の布を身に着けた参加者は「ロシアに死を。中国に死を。独裁者に死を」とのスローガンを叫んだ。ロシアはアハマディネジャド大統領を支持したために、中国は新疆ウイグル自治区ウルムチでのデモ弾圧のためにスローガンにされたとみられる。(2009/07/17-23:28)

時事通信社「ムサビ支持者1万人超がデモ=「中国に死を」のスローガンも−イラン
世界各地の今回のウイグル大弾圧に対する抗議行動


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posted by タソガレ at 23:33 | Comment(0) | TrackBack(2) | ウイグル・新疆・中央アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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カザフスタンでウイグル人、ウルムチでの弾圧に抗議集会

Excerpt: NHKニュース カザフのウイグル族 抗議集会 魚拓http://s01.megalodon.jp/2009-0721-0139-59/www3.nhk.or.jp/news/k100143753110..
Weblog: 真silkroad?
Tracked: 2009-07-21 03:07

【戦争中国】人民解放軍を中央アジアに派遣して“東トルキスタン”テロ勢力を攻撃する?

Excerpt: 変なニュースを見つけてしまいました。どこまで本気の話かわからないのですが、人民解放軍総参謀長がこのように言ってるのですから、まんざらの冗談でもないみたいです。 中国人民解放軍参謀総長陳炳徳は木曜日..
Weblog: 黒色中国
Tracked: 2009-07-24 02:52


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