久々でございます。
でありますが、宇宙ができて137億年、そして地球ができて46億年たっているのですから、この程度で久々などと・・・
表題の件。
以前「中印国境紛争激化中」で触れた通り、ダライ・ラマが中印国境紛争地帯であるアルナーチャル・プラデーシュ州を訪問したことは報じられている通りです。
『毎日新聞』のこの件を報じる記事の中で次のような一文がありました。
インド政府は「ダライ・ラマは国内の自由な移動が認められている」として中国政府の反発に抵抗する一方、ジャーナリストの取材活動を制限するなど、関係改善が進む中国への「配慮」も見せた。
(中略)インド政府はジャーナリストに対し、同州入りを制限し、タワンのダライ・ラマの訪問先での取材にも特別許可証の取得を求めた。
毎日新聞「ダライ・ラマ14世:インド北東部訪問 政府は中国に配慮、取材制限」
インド政府が発行した「特別許可証」がないと取材できないなんてインドが実効支配していることを世界にアピールするだけのことで、「配慮」に見せかけた嫌がらせと中共は受け止めているやも知れませんね。
例により中国外交部が「強烈な不満」を表明しております。
もう一点、この記事で「中印関係が改善している」との一文がどうしても引っかかります。
例により中国側の記事しか見ていないのでインド側の雰囲気はまったくわかりませんが、関係改善が進んでいるようにはとても思えないのです。もしろ国民会議派が勝利して以降悪化している、悪化とまで言わないまでもインド側の対中姿勢が強硬となっているようにしか見えません。この記者さんは、どの時期と比べて、どのような根拠から「関係改善が進んでいる」としているのでしょうかね。
11月9日付の人民日報傘下の『環球時報』の記事をば。
11月9日付の『環球時報』の報道によると、ダライ・ラマは8日、中国政府の反対を無視し、五回目の南チベット達旺地区を訪問した。これに対し、中国現代国際関係研究院南アジア問題専門家・胡仕勝は8日、ダライがこの時期を選び南チベットを訪れたのは、インドが強制した結果である可能性があり、これによってインドでの彼の生活が若干よくなるかも知れないと分析し述べた。
胡仕勝は、インドはかつてダライに南チベット問題に対する態度を表明するよう要求したが、ダライは日本をコソコソと訪問した期間を含め沈黙を保ち続け、”南チベット地区はインドである”と公に表明することは、彼自身の願望ではなく、オリンピックや3.14暴力事件以来、ダライはチベット問題は対話と接触によってのみ解決でき、中央の政策が強硬に傾く中、もし南チベットを訪れれば、接触の可能性が更に低くなると思っているという。更に南チベットを訪問すれば、中国人全体の反感を引き起こし、自滅するだけで、割に合わず、不味い一手であるという。
胡仕勝は、インドがダライに南チベットを訪れるよう強制した戦略は、おそらく中国の民族宗教の原則の下、南チベット問題の解決能力を削減し、同時にダライを南チベットに訪問させることで問題を更に先鋭化させ、中国に解決を迫り、解決の速度を速め、更に”インドのやり方でやる”としているという。これに対して中国は明確な応対をしなければならないという。
環球時報「専家称達頼訪問藏南地区是受印度操縦」
ダライ・ラマの訪問をインド政府が強要したという陰謀論を専門家に吐かせ、インド政府を非難しております。
真偽は別にして、陰謀論を展開しインド政府を非難するほどに、キチガイ攘夷『環球時報』とはいえ、中共メディア内にインドに対する不満が燻っている、または中共政府の対応の甘さに憤っているということではないでしょうかね。
10日の外交部の反応は次の通りです。
外交部「2009年11月10日外交部発言人秦剛行例行記者会」
- 質問
- 中国は、ダライが先週末”アルナーチャル・プラデーシュ州”を訪問したことに対してインド政府に交渉を行ったのか?
- 秦剛
- 中国側は断固としてダライの中印国境東端の紛争地区での活動に反対する。ダライの当該紛争地区での活動は、その祖国を分裂しようとする本質をはっきりと暴露するもので、彼の企みは実現することはない。
- インド側は中国側の厳正な交渉を顧みず、ダライが中印国境東端の紛争地区で活動することを許可し、中国側はこれに対して強烈な不満を表明する。
ダライ・ラマに関してはいつもの通りの強硬姿勢です。インド政府に対してはシン首相が同州を訪問した際と同じ応答。つまりテンプレ。
上述した『環球時報』の記事の最後の一文は、「交渉(申し入れ)」という生ぬるい対応ではなく、批判のトーンを上げよということなのでしょう。煽っております。
これにとどまらず10日には、かつてインドのシン首相がインド内のインド共産党(毛派)が国家安全保障における最大の脅威であると述べたことを紹介し、8日にインド内政部の事務長が「中国はインド共産党(毛派)の武器供給源だ」と発言したと報じております。
また、インドはダライ・ラマのアルナーチャル・プラデーシュ州訪問を控え、中国側の動きを牽制するためにミサイルを配備したとインドメディアが報じていると伝えていたりもします。
そして12日にも、インドメディアが同州駐屯部隊の増員を行い、今後も兵力強化を行うと報じていることを紹介しております。
- 環球時報「印高官称叛軍武器来自中国」
- 環球時報「傳印度部署超音速巡航導弾為達頼喇嘛護航」
- 環球時報「印媒披露印度正悄悄向藏南地区摯コ両个師」
真偽はおくとして、この手の報道が盛んに行われております。
上述した『毎日新聞』の記事は、ニューデリー支局の記者さんによるもので、もしかするとインド国内では中国メディアが煽っているほどに反中的雰囲気はなく、中国メディアが勝手に針小棒大に煽り立てているだけなのかも知れません。
それはそれで環球時報の”煽り”がより気になります。





