新華網が格差記事を削除するも転載とまらず

2010年06月11日

まず、中国が世界トップクラスの格差社会であることを伝えた記事をば。

世界銀行が中国の財産の集中はアメリカ以上であると述べる

ジニ係数とは、総合的に住民の収入分配格差の状況を示す国際的な重要な分析指標のひとつである。世界銀行の最新の報告によると、アメリカは人口の5%が財産の60%を占めているという。そして中国では、1%の家庭が全国の41.4%の財産を占有しており、財産の集中度合いがアメリカを超え、世界で貧富の二極化が最も深刻な国家のひとつとなっている。

アメリカでは、最高所得の2つのグループの所得が、中下層の60%の所得の総計を上回っている。しかし、所得分配の二極化は、多くの発展途上国のようではなくアメリカの労働収入の大部分は中産階級の懐に入っている。

世界銀行の最新の報告によると、アメリカの人口の5%が60%の財産を占めており、そして中国は1%の家庭が全国の41.4%の財産を占め、財産の集中度合いは悠々とアメリカを超えており、世界で貧富の二極化が最も深刻な国家のひとつであるという。

世界銀行の試算によると、欧州と日本のジニ係数は、ほとんどが0.24〜0.36の間であるが、一方中国では、2009年のジニ係数は0.47に達し、公表されている135カ国の中で36位であった。中国のジニ係数は、30年前の改革開放の初期の頃は0.28だったのが、2009年には0.47にまで上昇し、現在も上昇し続けており、これは社会利益を享受する構造に深刻な亀裂が生じているという明らかな信号である。ここ10年、我が国の地区、都市と農村、業界、グループの間の収入の格差は明らかに増大し、所得分配構造がバランスを失い、社会財産が少数の利益集団に集中し、特に官僚利益集団や専売利益集団に集中し、更にこれらがさまざまな問題をもたらし日々社会各界の関心の的となっている。

当面、我が国の都市と農村の所得比は3.3倍に達し、業界間の賃金格差は日に日に顕著となり、最高と最低で15倍ほどの差があり、異なるグループ間の収入格差も迅速に拡大し、上場国営企業の幹部と一般従業員との収入格差は18倍ほどで、国有企業の幹部と社会平均賃金との差は128倍となっている。

北京師範大学所得分配貧困研究センター主任・李実教授は、1980年代から4回大規模な住民所得調査に参加している。彼の研究データによると、最高所得の10%のグループと最低所得10%のグループの収入格差は、1988年7.3倍から2007年には23倍にまで広がっていたという。2008年末、機関公務員の年金水準は、企業の2.1倍、国家機関の月間年金は企業の1.8倍であるという。

電気、通信、石油、金融、保険、水力発電、タバコなど、国有業界の従業員数は、全国の従業員数の8%だが、給料と手当ての総額は全国の従業員給料の総額の55%となり、平均給与はそのほかの業界の2〜3倍で、手当てや福利厚生の違いを考慮に入れると、実際の格差は更に大きくなるだろうという。そのほか、都市住民の収入のうち、統計に含まれていない所得が4.8兆元に達すると試算され、この所得を生み出している主要な都市住民の10%の高所得家庭が、この所得全体の4分の3を占めているという。

ここ数年、大卒者が”吃皇粮(親方日の丸)”を奪い合い、公務員求人1人に数千人が殺到するという現象まで出てきている。専売業界の異常な高所得もたびたび疑問視されている。このような現象は、政府の政策が保護と資源の独占という”権力の配置”方式に傾倒しているためで、機会の平等、自由競争という市場の原則と矛盾しており、所得分配のねじれ現象が生まれているのだという。

(中略:ジニ係数の説明)

専門家の視点

市場化は推進し続けなければならない

北京大学教授・夏業良は、中国の国民財産の配分の深刻な不均衡、所得分配のねじれと貧富の格差の拡大で、キーとなっているのは、”計画思考”への回帰と資源の逆市場化という権力配置にあるという。国民財産の少数の利益集団への深刻な傾倒は、重度の制度の腐敗と資源の独占が、絶対多数の国民の発展と競争の機会とを奪っているという側面を反映したもののひとつであるという。市場化を引き続き推し進め、権力を特定の範囲内に限定して初めて、一般国民は平等な競争の機会を得ることができ、選択と発展の余地を更に広げ、これが所得分配の深刻な不公平、甚大な貧富差の問題の根本的な解決の筋道であるという。

新浪財経「世行報告称中国 1%家庭掌握全国41%財富(財経国家周刊)

この記事を新華網が掲載直後に削除したとサーチナが報じております。

サーチナによると6月8日に新華網が上記記事を掲載したものの、同日午後5時20分までに削除されたようです。

夏教授の「一部が大部分の機会を奪っている」という一文が新華網は気に入らなかったのでしょうかね。

実は上記で訳出した記事のタイムスタンプは「2010年06月09日 15:57」とあったりします。おまけに、百度で検索するとバンバン同記事がヒットしますし、新華網の記事削除が火に油を注いだかのように今現在も次々と転載され続けていて、まるで炎上状態。

また9日に国家統計局の関係者に取材したところ「我々はジニ係数を採用していない」と述べ、世界銀行の報告に関しては反応しなかったと報じられていて、これも火に油を注いでおるようです。こちらの記事も削除されているものが散見できます。

記事の内容よりも、この記事を巡る動きの方が面白そうでございます。



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posted by タソガレ at 00:40 | Comment(2) | TrackBack(0) | 経済関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
確か、世銀のチーフエコノミストは中国人だった気が・・・。

となると、「世界で貧富の二極化が最も深刻な国家のひとつとなっている」という指摘は余計に正しいもののように思えてきます。
Posted by 歩厘 at 2010年06月12日 08:10
> 確か、世銀のチーフエコノミストは中国人だった気が・・・。
林毅夫ですね。

ここ半年ほどろくに記事漁りをしていなかったので確かな根拠はないのですが、1年ほど前に電力消費データを巡るゴタゴタから表面化した国家統計局(その実当局、温家宝)への批判が徐々に強まっていることを示す一つの出来事なのかなぁ、と思っております。

これがどのような結果をもたらすかなど全く妄想すらできない状態ですが(w

実はCPIの数値も同じ頃に、それまで公表されていた詳細が省略されるようになっていたりします。

ジニ係数の数値を見ても、もうひとつピンとこないのですが、当局の態度の変化に事態の深度を感じています。
Posted by タソガレ at 2010年06月13日 13:13
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