脳内お花畑の平和主義では国は守れない

2010年07月27日

7月22日付、中国人民解放軍機関紙『解放軍報』より署名記事をば。

我々は平和的発展を渇望しているが平和理想主義者のようには振舞えない

我々は国際事務において力による威嚇を用いることに反対であるが己の力を不断に増強しなければならない。

戦略資源は国家の軍事戦略能力を形成する”基礎”であり、機構化したものが国家である

軍事戦略能力は”橋梁”であり、戦略計画は国家の軍事戦略能力を形成する”魂”である。

対応の複雑化:軍事戦略能力における当面の急務

”軍事力のバランスから見ると、鉄鋼は少なくとも金と同じぐらい重要である”

西側の軍事戦略家ジョミニ(Antoine-Henri de Jomini)が「黄金を豊富に有している大国、その国防は時に悪い物となることがある。歴史が証明しているように、最も豊かな民族が必ずしも最も強大で最も幸せであるとは限らないのだ。軍事力のバランスの観点から見ると、鋼鉄は少なくとも金と同じように重要である」と早くから述べている。

我々は平和的発展を渇望しているが、平和理想主義者のように振舞うことはできない。我々は、国際事務において覇権的威嚇に反対するが実力を不断に増強しなければならない。これは歴史的弁証法であり、現代世界における共通認識のひとつでもある。国家利益の維持発展は、さまざまな方式によって実現できるのはもちろんであるが、軍事力と軍事的手段は依然として基礎的なもので、革新的な重要な作用をもたらしており、長い歴史的段階においても取って代わる物がなく、軍事戦略能力は、その他のさまざまな維持手段の重要な戦略的支柱となっている。特に我々のような独立自主の外交政策、安全保障環境、そして非常に複雑な大国にとって、国家戦略の地位にみあい、国家発展の利益に適応する軍事戦略能力を擁することは極めて重要なことである。

中国の平和的発展は、経済のグローバル化や世界の多極化が進行するという偉大な歴史的過程の中で展開されている。普遍的に総合的国力を競い合っている昨今の世界において、いかにして国家発展の安全保障の必要性を適応させるか、いかにして科学技術を高め国家の軍事戦略能力を運用するか、これらが依然として戦略研究の重要な中心である。人類社会で敗れ去った国家民族はすべからく軍事戦略能力が弱化し緊密な関係を失っており、強大な国家、強盛な民族は、自己の軍事戦略能力を不断に増強し科学的運用を行っていたということは歴史が証明している。

時代を判断することは、ハイレベルな戦略的判断である。我々は今日直面している国家安全保障の必要性は、グローバル化の時代における国家発展の安全保障需要である。グローバル化は、国家発展の安全保障にひとつの深刻な変化をもたらした。即ち国家安全保障問題の総合性、複雑性、多様な変化が更に強まり、国防や軍隊建設に対して新たな時代の課題を突きつけ、国家の軍事戦略能力に対して新たな更に高い要求を突きつけるようになった。まさに新世紀の新たな段階の時代の特徴と国情軍事事情、胡主席が常に強調してきたように、政治的な高度と国家利益という全体的思考から軍事問題を処理しなければならず、国家発展の重要な戦略的チャンスを維持し、国家戦略の利益の開拓という長期的思考から軍事闘争の準備と軍隊建設とを計画し、戦争期の革命的軍事制度から平時発展の国家軍事制度への転換という必然的な趨勢にすでに深く影響を与えており、更に科学を国家安全保障戦略の根本と軍事戦略能力の重点として掲示している。

”謀先事則昌、事先謀則亡(先に考えて事に当たれば成功し逆は失敗する)”。国家の軍事戦略能力の概念の核心のひとつは、”運用を成功させ勝利を実現する”ことであると強調する。ここで言う”成功”と”勝利”とは、実際に過程の有効性、更に結果の有効性をも含めた有効性であり、これは昨今の情勢下における我が国の軍事戦略能力の転換と目指すべき指針を明確に示している。

国家の軍事戦略能力の新たな成長点を求め、軍事戦略能力の可用性を高める

21世紀の国家の軍事戦略能力の向上は、主に軍事的思考方式の転換、軍事理論の刷新、指揮命令の統率力、軍事科学技術の革命、武器装備レベルの向上、人材知識の構造改革、軍隊体制編成の調整、軍隊訓練レベルの向上などさまざまな方面に及んでいると一般的に思われている。各方面において”後発劣勢”な発展途上国にとって、我々は全体をひとつの有機的なものとし、国家建設発展全体の大きな系統の中に含め、科学的計画に照らし、重点を突出させ、段階的に推し進め、徐々に国家の軍事戦略能力の増強と向上をと実現させ、国家利益と国家発展の安全を保障するという歴史的使命を担うことができるようになった。

国家の軍事戦略能力の新たな成長点を積極的に求めることは、新たな時期の”複雑性への対応”――つまり国家の軍事戦略能力の可用性の向上という重要な実践なのだ。ここ数年、我が国の軍事力は国家全体の発展戦略に照らし、徐々に国際対テロ演習、世界中の平和維持災害救援、海賊対策やさまざまな軍兵種にまたがる合同作戦演習等に参加し、政治と経済、外交などと密接に連携し、中国の戦略的環境を改善し、危険で不安な要素を減少させ、効果的に国家の軍事戦略能力の可用性を向上させている。もちろん、我々が軍事戦略能力の新たな成長点を積極に求めることは、西側の軍事強国の”軍事的存在”や”軍事的脅威”などといったものと、戦略目標や運営手段いおいて本質的に同じではない。我が国は積極的な防衛的軍事戦略という方針を貫き、軍事戦略能力の向上は、社会主義国家の性質と積極的防衛戦略の本質を体現しているものである。

国家の軍事戦略能力向上において重要なことは、各要素の良性循環を促さなければならないということだ。「今日の実力の意味は以前より複雑になっている、軍事力を有することが政治的影響力を保証できなくなっている。経済の巨人の前では軍事は時に弱々しく、軍事力では経済の弱さを覆い隠すことができなくなってきている。・・・このため、単純なパワーの対比は誤りで、いくつかのパワーを対比させるため、それらを相互の連携させることが必要となってくるのだ」とキッシンジャーが語っている。国家の軍事戦略能力は大きなひとつの系統である。国家の軍事戦略能力の三大要素として、戦略資源は国家の軍事戦略能力を形成する”基礎”であり、機構化したものは国家の軍事戦略能力の”橋梁”であり、戦略計画は国家の軍事戦略能力の”魂”である。戦略資源の多寡は、必ずしも軍事戦略能力の強弱を伴うものではないが、これによって両者の間には構造を変化させるものが存在している。良性の転換がなければ、客観的な戦略資源と主観的な戦略計画に効果的な連携を生じさせることは難しい。情報理論、制御工学、系統理論の関連原理は、早期警戒システム、管制システム、調整システム、統合システム、動員システムを建設するのに必須である。それぞれのシステム間には密接な連携が存在し、絶えず戦略資源を国家の軍事戦略能力へと転化させることができる。一方、軍事戦略資源、転化システムと戦略計画の間、この3つの要素に内在する各要素の間には、時間上で”秩序ある繋がり”を実施する必要がある。国家の軍事戦略能力は、一種の実践の中で生まれ、実践の中で運用能力が加わり、絶えず動きの中から生まれ、時間という要素は不可欠なものである。もし、国家の軍事戦略能力が有効時間内で必要な客体に到達することができなければ、大きな停滞を引き起こし、その作用の意義を失うだけでなく喪失を招き、国家の利益目標が実現できなくなる。もし国家の軍事戦略能力とリンクしている軍事戦略資源→機構化→戦略計画という循環の中でどれかひとつでも時間的に中断してしまうと、国家の軍事戦略能力形成システムが中断することを意味し、すぐに回復し再運行するにしても、元の数倍のパワーと代価が必要となり、尚且つ元のレベルに到達することが非常に困難となるのだ。

作戦能力は国家の軍事戦略能力の核心であり、複雑化している安全保障の脅威に対応する基礎だ

我が国の軍事戦略能力の転換のレベルアップは、現代技術、特にハイテク技術における局所戦争に勝利するということに立脚しなければならない。これは、世界の軍事変革の新たな趨勢、国家発展の安全の脅威となる様々な現実的要素を総合的に考慮することで、最も複雑で、最も困難な状況下における防衛作戦準備に着目し、軍事目標を確立することである。党の第十七期代表大会は、多様な安全保障への脅威に着目し、多様な軍事任務能力のレベルアップを成し遂げるよう軍に要求した。多様な軍事任務の基礎と核心を成し遂げるものとして、軍隊の作戦能力は国家発展の安全保障への様々な脅威への対応を確実に保障するもので、国家の軍事作戦能力の核心を構成するものでもあり、いかなるときにおいても微塵も怠ることができないものである。

戦略計画と指導能力のレベルアップは必須である。軍事力の戦略能力、まずは軍隊の指導幹部、特に高級幹部は良好な戦略的素養を具有しておらねばならず、非常に強い戦略的イデオロギーを有しておかなければならない。戦略的イデオロギーは、全体的なイデオロギーでもあり、非常に強い全体的な観念と広い世界観が要求され、全局大勢を基とし図り、全局体制を第一とし、世界戦略全局と国家利益の大局から軍隊建設を計画しなければならない。戦略的イデオロギーは、先見の明と将来性をも必要で、チャンスと時勢とを予め把握し、智恵を以って的確な判断を下し、主導権を奪い、国家の根本的利益を維持するために徹底的に闘争する戦略的意志と強固な決意をも要求される。

戦争を抑止し、戦争に勝利する能力のレベルアップは必須である。戦略的抑止力により戦争を遅延させ最大限の戦略的安定を保持することは、国家の根本的利益が求めるところである。打ち勝つ能力とは、抑止能力が前提となっているが、抑止能力は政治における要求は更に高い。人民戦争的な軍事戦略思想を更に一歩進め、戦略的核能力、防衛生存能力や素早い反応力を高めることは、信頼できる戦略的抑止力を建設することであり、伝統的な陸軍重視海軍軽視から陸海空宇宙重視への転換をなさねばならず、諸軍兵種の協調の進展を堅持し、制海権、制空権、制宇宙権、制電波権、制ネット権、制情報権奪取の能力を高めなければならない。機械化から情報化への転換スピードを加速させ、早期警戒偵察、中距離機動、精密攻撃、対情報戦、連合作戦と総合保障能力とを全面的に高めなければならない。

危機や突発的事件への対応能力を高めることは必須である。当面、伝統的な安全保障問題は依然として存在しているが、新たな展開、テロ主義、国際犯罪、環境汚染、自然災害などの伝統的でない安全保障への脅威も不断に上昇しており、社会の転換期における政治的安全や社会安定問題という新たな挑戦に直面しており、これらは国家発展の安全保障への脅威の多元化、不確定性、突発性という防ぎがたい特徴を有している。軍隊は伝統的な安全保障への脅威に対応するだけではなく、非伝統的な安全保障への脅威にも対応しなければならない。戦略的パワーのバランスを失っている状況下での外部からの脅威にも対応しなければならず、また国内の不安定因子がもたらす内部的脅威にも対応しなければならず、戦争を抑止し戦争に勝利しなければならず、突発的事件や危機上昇抑制をも行わなければならないのだ。

解放軍報「応対複雑:軍事戦略能力当務之急 劉江平

ポッポのことかー、民主党のことかー!

「普天間問題では自民党案に戻っただけなのに、どうして自民党の人たちは怒っているの?」

国家繁栄を支える軍隊への転換ということで、シーレーンにおける影響力の拡大を狙いソマリア沖に艦艇を派遣し、東シナ海、南シナ海では熾烈な制海権争いを繰り広げていますね。

北京オリンピックの開会式に鄭和を登場させたことが思い起こされます。口パク少女やCG花火なんかより、こちらの方がインパクトがありました。

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posted by タソガレ at 23:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
鄭和から一気に現代に飛ぶ超展開もよかったですね。
Posted by りえたん at 2010年07月29日 12:03
実は鄭和が出てきて大きな舟をオールで漕ぐシーン辺りから記憶がなかったりします。寝落ちってやつです。
Posted by タソガレ at 2010年07月29日 23:25
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