中国の夏、暴動の夏、刀狩の夏

2006年08月02日

昔、「日本の夏、金鳥の夏」ってなコピーがありましたね。金鳥の蚊取り線香は、中国の蚊にも大変有効で大助かりしたことがありました。金鳥万歳です。

【香港=吉田健一】香港の人権団体「中国人権民主化運動ニュースセンター」によると、中国四川省巴中市で19日夜、当局者が住民に暴行したことをきっかけに、数百人の中学生を含む住民約2000人が警官隊と衝突し、双方合わせて少なくとも30人が負傷した。
ロイター通信は、暴行を受けたのは、路上で当局者ともめていた売り子を助けようとした男子中学生(14)だったと伝えた。
住民は、警察車両を破壊したほか、役所になだれ込んで窓を割るなどして暴れ回ったという。当初、警官300人が出動したが制圧できず、当局は20日未明に武装警察官150人を投入し、ようやく鎮圧した。
中国では、貧富の格差拡大や当局者の権力乱用に対する住民の不満が募っており、各地で頻発する暴動の大きな要因となっている。
(2006年7月28日18時59分 読売新聞)
読売新聞「中学生含む住民2千人、警官隊と衝突…中国・四川省
ウェブ魚拓(キャッシュ

『RFA』の記事によると、路上で果物を売っていた老人に都市管理員なる輩がいちゃもんをつけ、それを近くを通りかかった学生が咎める。すると、この都市管理員なる輩がこの学生を取り囲み、殴る蹴るの暴行を働き学生は流血。で、それを市民ら数千人が取り囲み暴動に発展、ということのようです。

都市管理員なる輩が露天商にいちゃもんをつける姿、容易に想像できます。恐らくいつもと同じように果物が食べたくなったのでしょう。で、しょば代よろしく、いつものように勝手に果物に手を伸ばしたのではないでしょうかね。ところが老人は、いつもと違い抵抗した。

もちろん全て想像ですが、このような風景はよく目にしました。ヤクザのような輩が露天をふらふらと訪ね歩きながら商品を手に取り口に運ぶ。それを愛想笑いで迎える店主。どこの世界にもいるのでしょうが今回それが行政当局の人間であったので、普段からの不満とが相まって騒ぎが大きくなったのかも知れませんね。まー、ヤクザ≒当局なのでしょうが。

また、8月1日付けの『RFA』では、四川省や陝西省で住民立ち退きに伴う暴力衝突事件が続発していると報じています(当該記事)。いつもの風景と言えばそれまでなのですが、少し綴ってみます。

衝突の原因は、都市開発に伴う立退き料が安いという毎度おなじみのものです。記事では、成都で起こった衝突を詳しく報じています。

行政当局が、中央の抑制の声もどこ吹く風で都市開発を推し進めようとし、住民に立ち退きを要請します。しかし、住民は立ち退き料が不当だとしてこれに応じません。すると今度は、マフィアが乗り込んできて暴れまわり破壊の限りを尽くす。当然、住民は公安に連絡し、公安が駆けつけるもマフィアたちは公安にも殴る蹴るの狼藉を働き一向におとなしくならない。たまらず公安が発砲しようやく御用。ところが数日でマフィアらは釈放。

公安、住人に対して曰く「包丁などを手に取り自衛してくれ・・」

いつの時代の話だと耳を疑いたくなりますね。

現場の公安は、住民らに同情するもののマフィアらはより高級な幹部との繋がりがあるのでどうすることもできないということのようです。

次は、陝西省西安でのお話。今回当局と衝突しているのは西安市蓮湖区のイスラム教徒である回族です。これだけでワクワクしますね。

同地区には、およそ1800戸の回族が居住しているようですが、彼らに対して市当局が道路の拡張のために立ち退きを要求。しかし、例の如く立退き料の不当を訴え動かない回族。更に動かない原因はこれだけではなく、回族に言わせるとモスク近くで生活と商売を営んでおり、別の場所へはそう簡単に移るわけには行かないという少し宗教が絡んでいたりするので話がややこしい。

動こうとしない回族住民に対して7月12日に400人ほどの公安が出動し強制排除を試みたようでが、回族住民らは抵抗し問題は解決していないようです。包丁を手に公安を撃退したのでしょうかね。

住民が安心して暮らすためには武器を手に取り自衛しなければならないという状況の中、四川、遼寧、吉林で刀狩を行ったと新華社が報じています。

今年の6月以来、中国警察は国内で大規模な銃・弾薬と爆発物の取締りを行っている。”収銃令”を最近二ヶ月の間に発布し遼寧、四川、吉林の3つの地方警察は各銃器約6000丁を押収し、銃に関する事件で200人余りを逮捕した。
(以下略)
新華社「遼寧四川吉林三地警方“收銃”約六千支

四川省と遼寧省それぞれで押収したものと量が簡単に紹介されていますが尋常な量じゃないです。

四川省
  • 銃 器:5,500丁
  • 弾 薬:23,500発
  • 爆 薬:25,000`
  • 雷 管:およそ100,000本
  • 手榴弾:203個
遼寧省
  • 銃 器:336丁
  • 弾 薬:10,884発
  • 爆 薬:1,911`
  • 雷 管:38,922本
新華社「遼寧四川吉林三地警方“收銃”約六千支

ちょっ、四川省(笑)

四川当局と繋がりのあるマフィアが敵対するマフィアを売ったんでしょうか。それとも中央のご機嫌取りのために数字を操作したのでしょうか。どちらにしろ四川省すげー。それに比べて遼寧省やる気ねぇー(笑)

刀狩強化月間は10月まで。

四川省といえば、麻婆豆腐やパンダ、世界遺産の九寨溝など人気観光スポットが多いですね。しかし、このような側面も併せ持っているということを知っておく必要もあると思います。心構えがあれば、少々のことに遭遇しても慌てなくてすむでしょうし。

かつて新疆を旅行中に観光しようとホテルから出ると公安が町中に溢れていたことがありました。何事かと既に顔なじみになっていた屋台のにぃちゃんに聞いたところ、ウイグル族による漢族の殺人事件が発生したと。そして「あそこにいる奴ら、たぶんあいつらが犯人だ。お前らは漢族に間違えられやすいから、俺たちのかぶっている帽子や服を着るといいよ。漢族は絶対にそれらを身に着けないからね」と。

最後に宗教絡みの暴動をもうひとつ。

【大紀元日本8月2日】中国人権活動情報センターの報道によると、7月29日午後、浙江省杭州市警察官500人が同市蕭山区にある建築工事中のキリスト教教会を強制に取り壊した。そのため、地元のキリスト教信者3000人が抵抗し、少なくとも20人の信者が警察官に殴られ負傷し、50人の信者が警察に連行された。同教会は同日夜に完全に取り壊された。
(以下略)
大紀元-日本「中国杭州:当局、基督教会を取り壊し、信者3千人抵抗

日本では全く報じられていないようですが、『RFA』や『明報』も報じています。上記、大紀元の記事では50人が連行されたとありますが、『RFA』の記事では70人が連れ去られ行方不明とあります。

大紀元のソースとなっている「中国人権活動情報センター」、最近良く目にします。このセンター、産経新聞中国総局の記者さんによると「中国記者や中央の党員らがネタもとだから、精度は相当高いと見られている。」だそうです(北京趣聞博客「第17回党大会前のちっさな花火!その2」)。

そういえば、昨年西安の教会でも開発に伴うトラブルから修道女らが暴行を受けるという事件がありました。そろそろ横で連帯して一斉蜂起とか起こらないかなぁ。

関連記事
中共を厳しく非難するバチカン
西安修道女暴行事件詳細(襲撃は2度)
ウイグル族VS漢族暴動@山東

ウイグル関連の話を少し。

以前取り上げたグアンタナモ基地からアルバニアに移送された5人のウイグル人らがようやく難民として認められたようです。そして、彼らはドイツメディアとのインタビューの中で1997年のイーニン暴動に対する当局の弾圧の様子、そして拷問と中国脱出などの話をしています。それを真silkroad?さんが「ウイグル版"The Road To Guantanamo.Then To Albania" 証言「ETIMは中国のでっちあげ。」(その1)」の中で紹介されています。

関連記事
アルカイダとして拘束されたウイグル人
アルカイダとして拘束されたウイグル人2
ウイグル・新疆

アマゾンって何でも売ってますね(笑)



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posted by タソガレ at 23:12 | Comment(4) | TrackBack(4) | 暴動・衝突・争議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
宗教がらみといえば。台湾週報がなかなか過激なマトメを載せてましたね。
http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/06/060727b.htm

教会襲撃の記事は最初APで流れて、あとからReutersで流れてました。

China church demolition leads to clash
http://news.yahoo.com/s/ap/20060731/ap_on_re_as/china_church_demolition;

China confirms church demolition, arrests two
http://news.yahoo.com/s/nm/20060801/wl_nm/religion_china_dc;

Hong Kong-based Information Center for Human Rights and Democracy

っぅことで「人権と民主主義の情報センター」を名乗ってますね。いいのか民主主義って。(w

武器弾薬のほうも、APで流れてました。
http://news.yahoo.com/s/ap/20060801/ap_on_re_la_am_ca/china_weapons_seized;

爆薬は闇炭鉱用に備蓄されてたものだろうっぅまっとうな指摘もあり趣深く。

でも。日本では報道されないのがデフォルト。(w
Posted by 果科 at 2006年08月03日 20:24
果科さん、こんばんは。
英文記事情報などありがとうございます。なかなかそこまで手を回せないので非常に助かります。
日本とそれ以外とで中国に対する情報格差が大きく存在するということですね。日本のメディアがいかに盲目的に「日中友好」などと叫んでいるのかがわかりますね。

> 宗教がらみといえば。台湾週報がなかなか過激なマトメを載せてましたね。
外電記事などを集めただけとはいえ、台湾にこれができて日本がなぜできないのでしょうね。
宗教がらみで8月2日に河北省でも信者と500人の警官隊が衝突する事件が発生していた模様です。逮捕された神父2人の釈放を求めて信者らと警官隊が衝突したとあります。
http://www.rfa.org/mandarin/shenrubaodao/2006/08/03/zongjiao/

> いいのか民主主義って。
香港は、靖国神社参拝阻止や尖閣上陸などより普通選挙権獲得に燃えてますからね。
最近ここからの情報が異様に多いし、暴動の背後で横の繋がりが構築されつつあるのかな、などと希望的妄想をしてみる。

> 爆薬は闇炭鉱用に備蓄されてたものだろうっぅまっとうな指摘
ロイターもこの点に触れていますね。
http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/PEK155384.htm
Explosives are relatively easy to obtain thanks to a thriving mine industry.

Police in June blamed the illegal manufacture and sale of weapons and explosives for fuelling a crime wave in poorer parts of China, as well as leading to accidents.

At least 33 people were killed and buildings flattened in April when explosives stored by a former coal mine owner went off in northwestern Shanxi province.

拙ブログの「相次ぐ民間施設での大爆発」で取り上げた事件ですね。
http://ihasa.seesaa.net/article/20448076.html
山西省での摘発の報告がなされれば四川省を上回る恐ろしいことになりそうですね。広東あたりの摘発状況も気になりますが公表されないところを見ると公表できない事情があるのでしょうね(笑)
Posted by aki at 2006年08月04日 21:31
Hong Kong-based Information Center for Human Rights and Democracy。ここですね。

中国人権民運信息中心
http://www.hkhkhk.com/index.html

英語版
http://www.hkhkhk.com/english/indexen.html

デザインが。。。読みにくい。。。orz
Posted by 果科 at 2006年08月05日 05:40
果科さん、ありがとうございます。
実は、このセンターのサイト、探していて見つけることが出来なかったのですよ。
本当に読みにくいですね。変な音楽も流れているし(笑)

このセンターの存在を批判するような記事が『青年参考』に出ていたので、このセンターの発している情報の確度は相当高く、知られたくない情報を発信しているということなのでしょうね。
Posted by aki at 2006年08月05日 22:23
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