小泉さんが靖国神社に参拝しましたね。日本メディアは大騒ぎです。日本メディアのはしゃぎっぷりは「ぼやきくっくり」さんがまとめられています。
- ぼやきくっくり「小泉参拝でテレビも靖国ばかりでうんざりだけどやっぱりメモ」
中共も小泉さんの参拝がほぼ間違いないだろうということで、外交部が事前に用意していたであろう抗議声明を早々に新華社が報じています。内容は、
外交部「外交部声明:強烈抗議小泉又一次参拜靖国神社」
- 「人民の感情を傷つけた」
- 「中日関係の政治的基礎を破壊し強烈に抗議す」
- 「アジアと世界に巨大な災難をもたらす元凶である」
- 「国際正義への挑戦であり人類の良知を踏みつけた」
- 「国際的信用を失うだけでなく日本国民の信用も失い日本国のイメージと利益を損なった」
だそうです(笑)
ここまでは全て「小泉」が主語です。批判の対象を「小泉」に完全に絞っています。そして、最後のパラグラフで日中関係改善と未来志向を謳い上げており、何だか少々おかしな抗議声明となっています。この抗議声明の最後のパラグラフを朝日新聞は次のように報じています。
一方で、中国は今後も日中両国の平和共存、友好・協力関係に向けて取り組んでいく意欲を示した。また、日本の各界の有識者が「政治的障害」を取り除いて日中関係が「正常な発展軌道」に戻るよう努力することを信じるとの言葉で締めくくり、「ポスト小泉」での関係改善に期待も込めた。
朝日新聞「中国外務省が抗議声明 首相の靖国神社参拝で」
ウェブ魚拓(キャッシュ)
李肇星が大使を呼び出して抗議している映像をみましたが、メモに目を落とし完全にボー読みでしたね。また、申し訳程度の人数による抗議デモも北京の日本大使館前で行われたようです。まー、こんなものでしょ。
あと10年ぐらい粛々と参拝を続ければ、もう少し静かに参拝することができるようになるのでしょうか。ちーと、騒々し過ぎますよね。日本メディアが。
とまぁ、靖国参拝に対する中共の予定調和の反応なんかより、胡錦涛が中南海で先日鳴り物入りで出版された『江沢民文選』の学習大会を開き、その席上でこの書物と江沢民の提唱していた「三つの代表」など江沢民の治世を大絶賛する演説を行っています。こちらの方が非常に気になります。反日に代わる党に対する求心力保持に向けた動きのように思えなくもないですが・・。危険すぎるか・・。よくわかりません。ちょっと予想外の方向に進みそうで楽しみです。
- 人民网「胡錦涛在学習《江沢民文選》報告会上的講話」
小泉さんの靖国神社参拝を巡る喧騒や中共の政争ヲチはこれぐらいにして、東京裁判、東条英機について思いつくままに羅列してみます。
絞首刑執行前日、昭和23(1948)年12月23日に花山信勝が東条英機と面会した際に彼が口頭で読み上げた遺書の冒頭。
開戦のときのことを思い起こすと、実に断腸の思いがある。今回の死刑は個人的には慰めるところがあるけれども、国内的の自分の責任は、死をもって償えるものではない。しかし国際的な犯罪としては、どこまでも無罪を主張する。力の前に屈服した。自分としては、国内的な責任を負うて、満足して刑場に行く。ただ同僚に責任を及ぼしたこと、下級者にまでも刑のお呼びたることは、実に残念である。
天皇陛下および国民に対しては、深くおわびする。元来、日本の軍隊は、陛下の仁慈の御志により行動すべきものであったが、一部あやまちを生じ、世界の誤解を受けたるは遺憾である。日本の軍事に従軍し、倒れた人および遺家族に対しては、実に相済まぬと思っている。
(中略)最後に軍事的問題について一言するが、我が国従来の統帥権独立の思想は確かに間違っている。あれでは陸海軍一本の行動はとれない。
(以下略)
『秘録 東京裁判(p.181-p.185)』
東京裁判の一場面をば。
ブルーエット君が東条弁護を引き受けた話は、前に述べた。その他の被告人にも各々一人ずつの米人弁護士がついた。これらの弁護士は、まことによく働いてくれた。最近まで敵国の指導者であった者を、本当に弁護できるかどうか、疑うむきもないではなかったが、いったん弁護を引き受けた以上、自分の本国政府に反しても弁護士たる任務を尽くすことに躊躇しない気魄を示した。
たとえば、梅津美治郎被告の弁護をしたB・ブレークニー君である。彼は、スチムソン陸軍長官が原子爆弾使用の決定をしたことを証明する証拠を提出せんとした。これは大変なことで、この戦争中の最大戦犯である。もしこの証拠提出が許されていたら、これは世界的な大問題となるべきものであった。この申し出を聞いて、イギリスの検事コミンズカーは驚いて立ち上がり
「連合国において、どんな武器が使用されたかということは、本審理に何の関係もない」
と異議を申し立てた。プレークニーは答えて
「もし検事がハーグ条約第四をご存知なら、そのうちの陸戦法規にある、一定の種類の型の武器(注=毒ガス、細菌など非戦闘員にも傷害を及ぼす武器)の使用を禁ずる、という条項をご存知のはずである」
と述べた。以下はそのときの裁判長ウエップ卿とブレークニー君の問答である。
- ウエップ
- 「かりに原子爆弾の投下が戦争犯罪であると仮定して、それが本件に何の関係があるか」
- ブレークニー
- 「それに対してはいくつかの返答ができると思う。その一は報復の権利である」(注=国際法では敵が違法行為をすれば、これに対して報復すなわち「リプライザル」の権利が生ずるのである。それゆえ、この限度において日本の犯罪も許されるとの意味)
- ウエップ
- 「しかしながら、報復はこの行動が行われた後に起こるものだ」
- ブレークニー
- 「この被告たちは、原子爆弾の使用前とその以後に関することについて訴追されている」
- ウエップ
- 「あなたのいっていることは、議論の余地がある。私はそうは思わないが、原子爆弾が二個投下されたことにより、その後の日本のやった行為のあるものが、正当化されるかもしれない。あなたはハーグ条約第四が死文化されたということに基礎をおいているようだが、その他の点はどうなるなるか」
- ブレークニー
- 「原子爆弾使用以前のことは、ほかの証拠で立証する。それ以後のことは報復的手段として正当化できると私は主張する」
- ウエップ
- 「それはわずか三週間でも(注=原子爆弾投下の八月六日ならびに九日から九月二日の降伏までの間を意味するがごとし)被告のだれかを無罪にすることができるかもしれない」
- ブレークニー
- 「三週間の期間にかかるところの検事側の証拠書類は、たくさんあった。たとえばマニラ事件・・・・・」
以上の問答を読むと、理くつはブレークニー君のほうにあることは明瞭だ。しかし、裁判長は無理押しにこの証拠申し出を却下してしまった。・・・(以下略)
『秘録 東京裁判(p.130-p.132:注も全て原文のママ)』
ヤルタ協定について。
東京裁判開廷当時は、ヤルタ会談についての対日部分については明らかにされておらず、それが明らかにされたのは裁判が相当進行したのちのようです。
一九四五年(昭和二十年)の十二月に米国陸軍法務官プライスという人が、「ニューヨーク・タイムズ」に、次のような論文を発表したことがある。
「東京裁判は、日本が侵略戦争をやったことを懲罰する裁判だが、それは無意味だから、やめたらよかろう。なぜならば、それを訴追する原告、アメリカが、明らかに責任があるからである。ソ連は日ソ不可侵条約を破って参戦したが、これはスターリンだけの責任でなく、戦後に千島、樺太を譲ることを条件として、日本攻撃を依頼し、これを共同謀議したもので、これはやはり侵略者であるから、日本を侵略者呼ばわりして懲罰しても精神的効果はない」
この論文の趣旨は当時、日本にも伝わった。この文章の作者は米国人で、しかもその法務官である。われわれは、当時その大胆さに驚いたが、今から考えてみれば、当時すでにヤルタ協定の対日部分は、米国内では知られていたもののようである。
『秘録 東京裁判(p.134)』
そういえば、小学校の時に使っていた地図帳は、樺太の南半分と千島列島が黄色に塗られていてソ連領でもなく日本領でもないというような扱いだった記憶が・・。で、ヤルタ協定の対日部分。
三大国、すなわちソヴィエト連邦、アメリカ合衆国及び英国の指導者は、ドイツ国が降伏し且つヨーロッパにおける戦争が終結した後二箇月または三箇月を経て、ソヴィエト連邦が、次の条件で連合国側において日本国に対する戦争に参加することを協定した。
- 一
- 外蒙古(蒙古人民共和国)の現状は維持する。
- 二
- 1904年の日本国の背信的攻撃により侵害されたロシア国の旧権利は、次のように回復される。
- (イ)
- 樺太の南部及びこれに隣接するすべての島を、ソヴィエト連邦に返還する。
- (ロ)
- 大連商港を国際化し、この港におけるソヴィエト連邦の優先的利益を擁護し、また、ソヴィエト社会主義共和国連邦の海軍基地としての旅順口の租借権を回復する。
- (ハ)
- 東清鉄道及び大連に出口を提供する南満州鉄道は、中ソ合併会社を設立して共同に運営する。但し、ソヴィエト連邦の優先的利益を保障し、また、中華民国は、満州における完全な利益を保有するものとする。
- 三
- 千島列島は、ソヴィエト連邦に引渡す。
前記以外の外蒙古並びに港湾及び鉄道に関する協定は、蒋介石総統の同意を要する。大統領は、スターリン元帥からの通知により、この同意を得るために措置を執る。
三大国の首班は、ソヴィエト連邦のこれらの要求が日本国の敗北した後に確実に満足されることを合意した。
ソヴィエト連邦は、中華民国を日本国の束縛から解放する目的で、自国の軍隊によりこれに援助を与えるため、ソヴィエト社会主義共和国連邦と中華民国との間の友好同盟条約を中華民国政府と締結する用意があることを表明する。
「ヤルタ協定 (クリミヤ会議の議事に関する議定書中の日本国に関する協定)」
「日本人の手でしっかりと戦争の総括をしないといけない」、「うやむやにしてきたツケだ」などと言うわりには、どのメディアも大事なことを何も伝えずに分析もせずに、「戦争はつらかった」、「命じた側と一緒に祀られるのは嫌だ」などと表面的な事柄だけでワーワー騒いでいて、何だか違和感を感じます。
東条君のおじいさんは、泥棒より悪いことをしました。
『プライド 運命の瞬間』
東京裁判開廷中に東条家の孫を小学校の先生が皆の前に立たせて言った映画のワンシーンでの台詞です。このシーンの真偽は知りませんが、以前テレビ番組の中で東条由布子さんが同様のことをおっしゃられていました。
また、中国海南島のホテルには後ろ手に縛られた東条英機の像が晒しものになっています(註1)。ここ数日間の靖国関連にニュースを見ていると、なんだか、海南島の東条像を見させられ、先生が「泥棒より悪いことをした人です」などと言っているのを眺めているような、非常に不愉快で嫌悪感を抱かずにはいられません。このようなことはいつまでつづくのでしょうか・・。
- 参考
- Google Video「tsugawa(2時間41分)」
- 註1
- 人民网日本語版「【海南】跪いて謝罪する「東条英機像」を製作(写真)」
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13日の日曜日のお昼に読売テレビで「終戦記念番組『桜と蛍と富士』〜日本兵が目にした祖国〜」という番組が放映されていました。その中のワンシーン。






