北は核保有国として復帰するのか

2006年11月01日

六者会談の再開へ動きがあったようですね。中国外交部のサイトには簡潔に次のように記されています。

2006年10月31日、中国の提案によって中国、朝鮮、アメリカの六者会談の団長は北京において非公式会談を行った。三者は、六者会談の枠組みを継続推進することについて率直に深く意見交換を行った。三者は、六者会談を六者が都合のよいできるだけ早い時期に開催することで合意した。
外交部「中、朝、美六方会談団長在北京挙行非正式会晤

北は、核保有国として復帰してくるのでしょうか。この点について今日の外交部の定例記者会見で次のようなやり取りがなされています。

質問
日本は、朝鮮が核保有国として六者会談に復帰することを許さないと言っている。中国も同じか?
劉建超
我々はすでに何度も中国側の朝鮮の核実験問題に対する立場を明らかにし述べてきた。我々は、まず早急に六者会談を再開し、六者会談を通じて朝鮮半島の非核化を実現することを推進し関係各方面の関心事を解決することだと思っている。六者会談自体を再開することは、当面の朝鮮半島の情勢を緩和するのに利する。我々は引き続き日本側を含めた各方面と一緒に六者会談の再開の為に積極的に努力する。
外交部「2006年10月31日外交部発言人劉建超在例行記者会上答記者問

この定例会見は、夕方に行われたものです。六者会談再開が発表される前、まさに米中朝の極秘会談をが行われていたその時に行われていた記者会見です。

日本が「北朝鮮が六者会談の場に核保有国として復帰することは許さない」と述べたのはいつなのでしょうか?恥ずかしながら、日本の報道について疎かったりして知らなかったりします。

ともかく記者が質問しているということは、日本のこの立場をアメリカや中国も承知はしているということなのでしょう。しかし、劉の応答を見る限り、中国側はとりあえず六者会談を行いその場でモロモロ話し合えばよいというスタンスのようです。アメリカがどこまで日本側のこうした態度に配慮したのか、または全くしなかったのか。開催されるまでも水面下で喧々諤々あるのでしょうね。

追記

日経の社説を転載。

北朝鮮の6カ国協議復帰は、全会一致で採択された国連安保理決議1718の効果だろう。経済制裁を定めた決議は北朝鮮に対して6カ国協議への無条件復帰を求めているが、それが目的ではない。決議に明記された核、ミサイルの完全で検証可能で逆戻りのない廃棄が目的である。北朝鮮の得意としてきた「出席カード」に惑わされ、経済制裁を緩めてはならない。

北朝鮮の6カ国協議復帰は、北京で31日に開いた米国、中国、北朝鮮の高官協議で決まった。まったく無条件の復帰かどうか不透明な要素もあるが、協議復帰は少なくとも表面的には望ましい方向の動きだ。制裁の効果だろうが、北朝鮮は6カ国協議への参加を外交カードとして使いながら、国際社会を欺くように核実験に踏み切った国である。協議復帰がただちに核、ミサイルの廃棄を意味するものではない。

ヒル米国務次官補は6カ国協議を11月にも開催したいと語ったが、北朝鮮を除く5カ国は安保理決議1718を改めて読み返し、そこに書かれた目的の実現を確認する必要がある。北朝鮮が核廃棄への道筋を明確にすることなく、事実上の核保有国として協議に復帰する格好になれば、すでに相当程度揺らいでいる核拡散防止条約(NPT)体制に対する信頼性はさらに失われる。

それはイランの核開発にも弾みをつけ、国際情勢をさらに不安定にしかねない。それだけではない。北朝鮮のような経済状況の国が核開発をし、それによって大国をあわてさせ、利益を得る結果になれば、多くの発展途上国のなかにそれに続こうとする国が続出する事態もありうる。核拡散は地球を想像を超えた危険な空間にする。

北朝鮮の核実験に最も敏感に反応したのが日本であるのは当然だが、米国、中国、ロシア、韓国にとっても核拡散が深刻な脅威であることは自明だろう。6カ国協議に向けて北朝鮮を除く5カ国は、少なくとも核保有国としての北朝鮮を認めない点では意見が一致できるはずである。それを再確認するために安倍晋三首相、麻生太郎外相は、各国の首脳、外相と早急に意見調整をする必要がある。

北朝鮮が6カ国協議復帰の動きを見せたのが先の安保理決議の効果だとすれば、核廃棄に向けてさらなる圧力が必要となる。制裁の着実な実施に向けた準備が重要である。制裁を緩めれば、それは北朝鮮の条件付き復帰を認める形になり、決議に反する結果になりかねない。

日本経済新聞「北朝鮮の6カ国協議復帰は制裁の効果

上記の外交部の記者会見を見る限り中国は、北朝鮮を核保有国として六者会談に迎え入れようという姿勢ですな。

実はアメリカも・・、相当怪しい。

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posted by タソガレ at 00:32 | Comment(3) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
とりあえず。中国のメンツは立ちましたね。よかったね。(棒読み

ところで。

「中国が北・イランへ核拡散継続」指摘…米議会報告書http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061031i104.htm

 「中国が国際社会の支柱のひとつとなる意思を持つかど
 うか、深刻な疑問がある」

この記述には1つ重要な単語が抜けていて、

U.S. report questions China's role in peaceful world
http://hateshina.seesaa.net/article/26489248.html

「peaceful」って大事な単語だと思うんです。ピース。

で、さっそく。

China slams U.S. Congress panel, arms sales to Taiwan
http://hateshina.seesaa.net/article/26529212.html

台湾に武器売ってんじゃねーとお怒りの模様。EUから武器を買いたくてしょうがないのは誰だっけ。
Posted by 果科 at 2006年11月01日 07:40
>日本が「北朝鮮が六者会談の場に核保有国として復帰することは許さない」と述べた
麻生外相が、19日の日米韓外相会談で述べたようです。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_0610.html#15-D
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_0610.html#11
Posted by motton at 2006年11月01日 11:05
> 果科さん。
情報ありがとうございます。
やっぱり気になりますよね、年次報告と台湾への武器輸出云々。両方とも昨日の外交部でも応答が行われていました。イランの核については削除されていますが、香港紙の『星島日報』によるとしっかりとイランの核問題についても応答があったようです。
http://hk.news.yahoo.com/061031/60/1vist.html
イランが濃縮ウランを生成したとの話もあり、核拡散の主犯扱いや台湾を巡る圧力を回避するというのが今回中国が動いた動機のひとつではないでしょうかね。
気になるのが大陸で六者会談再開に関するニュースの扱いが非常に小さいこと。『人民日報』など第4面の左下隅に小さく掲載しているだけ。本当に再開されるのか?という疑念が。
http://paper.people.com.cn/rmrb/html/2006-11/01/node_14.htm

> mottonさん。
ありがとうございます。
19日に明言し、その後5カ国と確認したということのようですね。
31日午前の記者会見でこれを再度明確に述べているあたり、この日の動きを見越した上での米中への牽制ですね。
31日の昼ごろに米中朝会議を行っている旨の知らせがあったと報じられていましたが、前日にヒルが北京入りしたとの情報は掴んでいたのではないでしょうかね。そして朝いちでチクリと牽制。
Posted by aki at 2006年11月01日 23:04
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