中韓領土紛争勃発、「保釣」ならぬ「保蘇」設立か

2006年11月26日

中韓がそれぞれ主張しEEZが重なり合っている海域に位置する蘇岩礁(韓国名:離於島)で韓国側が一方的に開発を進めていることに対して、中国の民間活動家が王建興なる人物を中心に「保釣」関係者を巻き込んで「中華保衛蘇岩礁協会」を設立し抗議活動を行う準備をしているという報道が『亜洲週刊』でなされたことを受け、その真偽を取材した『香港文匯報』の記事を紹介してみます(ちょっとややこしい)。

「保釣」とは、ご存知、先日尖閣諸島に無謀な接近を試み「尖閣諸島はオレたちのものだ!」とゲロ吐きながら叫んでいた奴ら全般のことです。

数日前の香港メディアの報道によると、韓国が2002年から東シナ海の蘇岩礁上に大型の「海洋科学基地」を建設していることに対抗して、中国の民間によって「中華保衛蘇岩礁協会」の設立が現在計画されており、中台両岸の4つの保釣団体が蘇岩礁の主権を宣言する準備を進めている模様。内地の多くの保釣活動家と蘇岩礁問題関係者が、本日、本紙の取材に対して、民間で「保蘇協会」設立の動きがあるなんて聞いたこともないし、設立する気もない、と語った。中国社会科学院の西アジア北アフリカ研究所の数人の責任者は、王建興なる人物などいないと否定した。

社会科学院西アジア北アフリカ研究所に王建興はいない

中華保衛蘇岩礁の志願者、中国社会科学院西アジア北アフリカ研究所博士研究生・王建興が、「中華保衛蘇岩礁協会」の民間設立を申請しており、志願者数が300名近く集まり、協会設立後大陸、香港、台湾、マカオの保釣組織と共同で「中国領土蘇岩礁」、「東シナ海の領土」といった銅製のプレートや石碑を蘇岩礁に持ち込み設置するなどの蘇岩礁の主権を誇示する活動を計画していると数日前に報じられていた。

内地の熱心な蘇岩礁問題の民間活動家数人は、外地での関連報道について本紙による電話取材に応じた。彼らは全員が個別の活動家で、そんな団体など聞いたことがなく、一部の海外メディアにありえない間違った話が次々と伝わり、「保蘇協会」設立などという間違ったニュースを創作したのだろうと言っている。

民間活動家は政府に迷惑をかけることに反対している

内地でのこの研究の第一人者で蘇岩礁問題関係のWEBサイトを運営している某民間活動家は記者に対して「我々は愛国青年であり国家の法律を遵守しており、民間活動が政府の迷惑になるようなことには反対だ」と述べた。

馮景華や盧雲飛といった内地で有名な保釣活動家らも本紙に対して、民間に「中華保衛蘇岩礁協会」が設立されたなど聞いたこともないし、連絡をしてきた人物もいないと述べた。

蘇岩礁は、中国沿岸の大陸棚上の海底丘陵、東シナ海北部海域に位置している水中暗礁で、面積は2平方キロで楕円形をしている。2002年から韓国政府は蘇岩礁に杭を打ち込み、高さ76メートル、重さ3,600トンの15階建てのビルに匹敵する建造物を建築し「韓国離於島総合掲揚科学基地」と命名し、灯台、ヘリポート、衛星レーダーなどが設置されている。

中韓両国は蘇岩礁問題を交渉す

中国外交部スポークスマン秦剛は、蘇岩礁は東シナ海北部の海底の暗礁で、中国と韓国との間にはここで領土問題は存在していないと指摘している。中国側の蘇岩礁問題に対する立場は一貫しており明確で、韓国側の一方的な行動は何の法的根拠にもならない、と言った。

彼は、中韓でEEZの策定協議を数回行っていると紹介した。蘇岩礁は、両国が主張しているEEZが重なり合っている海域に位置している。2000年と2002年、中国は2度にわたり韓国側の蘇岩礁海洋観察所建設問題に対して韓国側に交渉を申し出、韓国側が両国の主張するEEZが重なり合っている海域で一方的に活動することに反対している。韓国側も蘇岩礁は両国のEEZ策定には影響しないと表明している。

香港文匯報「[2006-11-26] 内地保釣人士:未聞組「保蘇協會」

最近、「漢字は韓国が起源」、「孔子は韓国人」といったバカらしい韓国の主張に対して中国側が噛み付いたりと、何かと中韓のいざこざが聞こえてきています。また、以前からあった高句麗史を中国史に編入しようとする動きに対して韓国が無謀な地図を元に噛みついたということをきっかけに最近再び物議を醸していたりもしています。

まー、ほとんどが「なに言ってんの?( ´,_ゝ`)プッ」という中国側の反応なのですが。

「孔子は韓国人」とのバカらしい主張に対する反応で、文革を取り上げて何やら中共批判へ矛先が向いていると思える記事が散見できるのですが、ここではこの件については触れません。

これらの動きを「バカだなー」と生暖かく眺めていたのですが、領土紛争となっては少し話が違ってきます。

蘇岩礁を巡る紛争は今に始まったわけではないですが、ここに来て「中華保衛蘇岩礁協会」などと注目を集めるかのような動きの背景がきな臭いと。そして、香港で一番の親中紙である『香港文匯報』がこれを否定しているのが、またまたきな臭いと。

日本との間にある東シナ海ガス田問題、対日宥和政策によって反日的言動が押さえ込まれている現状、北朝鮮に対して親和的な盧武鉉などなどを鑑みてムフフと。今後の展開が少し気になる動きです。

韓国側は、蘇岩礁を離於”島”と呼んでいることからわかるように、問題となっている”島”を「韓国最南端の領土」と認識しているようです。韓国側のこの動きに対して中国側はえらい弱腰ですよね。

日本は、この韓国の姿勢を見習うべきだと思いますし、この韓国の姿勢に対する中共の反応からも多くを学ぶべきだと思います。

外部関連記事
星島環球網「中国民間籌備成立保衛蘇岩礁協会 与韓国争主権
金羊網「韓国欲争東海蘇岩礁(組図)
外部関連サイト
Chinese Suyan Rock
蘇岩礁的BLOG

上記で訳した『香港文匯報』の記事中に外交部の見解が出てきていますが、9月14日の定例記者会見でこの件についての応答が行われていました。「中国が蘇岩礁に対して空から警戒監視を行っているとの報道があるが、詳細を教えてください」との質問に秦剛が次のように応えています。

他国との間にある問題を処理する際、中国は公認された国家の法令を遵守し対話と協議を行うと主張してきた。蘇岩礁は、東シナ海北部の水面下にある暗礁で、この海域に中国と韓国の間に領土紛争は存在しない。中国と韓国は、EEZ策定について協議をもった。蘇岩礁は、両国が主張しているEEZが重なり合っている海域に位置している。2000年と2002年に中国は二度にわたり蘇岩礁海洋観察所建設問題について韓国側に協議を提案し、韓国側が両国の主張するEEZが重なり合っている海域で一方的に活動を行うことに反対した。韓国側は、蘇岩礁が両国のEEZ策定に影響しないと表明した。中国側は蘇岩礁問題に対する立場は一貫しており明確で、韓国側が一方的に進めている活動が法的効果は生まない。

外交部「2006年9月14日外交部発言人秦剛在例行記者会上答記者問

中共外交部のこの発言を受けて、韓国は次のように反応しています。

【ソウル18日聯合】海洋水産部の金成珍(キム・ソンジン)長官は18日、国会農林海洋水産委員会の全体会議に出席、離於島の海洋科学基地に対する中国政府の問題提起と関連し「離於島が韓国の海洋科学前進基地としての機能を継続して発揮できるよう推進する」と強調した。政府の方針を尋ねる与党開かれたウリ党議員の質問に答えたもの。

金長官は、独島の場合は韓国の領有権と直接関連があるのに対し、離於島は水面下にある岩礁のため領土という基準でとらえることはできないが、排他的経済水域(EEZ)境界協定の原則を適用すれば明らかに韓国水域だと主張した。ただ金長官は、中国との交渉を今後も続け、外交的に円満に解決できるよう努力するとの方針を示している。

(後略)
Yahoo!ニュース「離於島の科学基地は今後も活用、海洋水産部長官(YONHAP NEWS) - 9月19日9時15分更新

ところが、・・

(前略)

建設交通部(建交部)国土地理情報院は31日、韓国の境界と地名を英文で表記した全図を制作し、配布すると発表した。 政府機関が英文で全図を作ったのは今回が初めて。

(中略)

また地図は最南端の離於島(イオド、Ieodo)を表記することで韓国領土であることを確認し、(後略)

中央日報「政府、英文表記の韓国全図を制作(2006.11.01 16:06:35)

どないやねん(笑)

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posted by タソガレ at 23:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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