表題で「弧」を「狐」としているのは全く意味はございません。
18日付け『人民日報:海外版』の記事をば
7月末に日本で行われた第21回参議院改選選挙で、与党自民党は惨敗した。自民党党首で日本の現在の首相である安倍晋三は非難されている。日本の参議院選挙の砲煙はまだ漂っており、安倍晋三首相の去就に関する討論は未だに完全に終結していない。しかしこの時、安倍は”剣走偏鋒(註1)”で、揺れ動いている国内政局を顧みず、19日に東南アジアを歴訪し、その意図は外交事務を通じて自己のプラスとすることだ。
頻繁に外遊し外交での加点を求める
とはいえ7月29日の日本参議院選挙での惨敗の影響は依然として安倍の頭上を覆っているが、8月に入り、安倍と閣僚は国内の戦場にすでに未練がなく、”調轉車頭”、停車することなく直ぐに一連の外交活動を展開した。
8月7日、日本の新任防衛大臣・小池小百合は5日間のアメリカ訪問を行った。アメリカ国防長官ゲイツ、国務長官ライスなど数名の高官との一連の会談の中で、小池小百合はアメリカ側に日本政府の規定方針を伝え、秋の臨時国会で「反テロ対策特別法」の期限延長修正案を断固として通過させると述べた。
8月13日、日本の外務大臣・麻生太郎は中東および南米に対して13日間の訪問を開始した。中東訪問中、麻生とヨルダン、イスラエル、パレスチナの外相と会談を行い、重点的に日本の”平和と繁栄の回廊”提案を推挙し、同時にパレスチナに対して経済援助を行った。その後、麻生はメキシコ、ブラジルを訪問し、今月22日にブラジルで開催される"東アジア-ラテンアメリカ協力フォーラム"第三回外相会議に出席する。
8月19日、日本の首相・安倍晋三は、インドネシア、インド、マレーシアの3カ国を訪問する。メディアの報道によると、安倍は22日からインド議会でアジア外交政策に関する演説を行うという。演説の中で日本インドが協力し主軸となるという新しいアジア外交を提唱する。
加点してもなおマイナス、これをどう見るか
このように短期間で密度の濃い外交活動は、確実に少し人の目をくらませる。しかし、安部がこれらを行うことの苦心は並大抵なことではないことは明らかに見て取れる。参議院改選後の日本政界に出現した混乱は、首相である安倍にとって前代未聞の圧力となっている。党内の長老や国際社会の盟友の支持により留任したとはいえ、短期間での重大な政経改革の可能性は低い。前首相・小泉純一郎さえ安倍に「今は何をしても間違っているといわれる」と忠告した。そこで安倍はまずしばらく国内問題の処理を冷却し、”剣走偏鋒”外交事務を自ら掲げ、国内民衆の視線を情理の中に移動させる。
安倍の今回のインドネシア、インド、マレーシア3カ国訪問は、彼の思い描いている外交の新しい機運は、安倍に秋季臨時国会の成功と今後の衆議院選挙においてプラスをもたらすのだろうか?
安倍の1年ほどの執政の過程を振り返ると、ひとつの外交路線を簡単に見出すことができる。前任の後、安倍は中韓などの近隣各国との関係改善を主導した。日米同盟を引き続き強化した。アメリカ、EU、オーストラリア、インドなどと”共通の価値観を用いて”国家間対話を推進した。更に積極的に日本の国連常任理事国入りを推進した。安倍外交の骨格は終始”日米同盟の強化”と”アジア国家との連携強化”を展開している。首相選挙時の公約の話をするなら、その核心は「国際社会の中で日本の存在感を高める」とあった。
4カ国戦略同盟は未解決のまま棚上げ
日米同盟関係を処理する中では、安倍は”危険を冒さず驚かす”と言える。日米双方には”慰安婦”問題で齟齬を何度か見せているが、現在の情勢は、この問題が同盟関係自身を傷つけるほどにはなっていない。アメリカは終始、日本を極東地域における最も信頼できる盟友であると見ている。日米戦略同盟関係は日に日に強化されている。特にいくつかの国家利益の核心の問題において、双方の暗黙の了解はやはり目を見張る。まさに安倍政権が非難を受けているとき、”崩壊”の危機的状況に直面しているとき、アメリカ政府高官は安倍留任支持を表明した。これに答える形で、小池小百合はアメリカ訪問時にアメリカとの協調を維持し、テロ根絶に尽力すると表明した。
日米同盟関係の日々の強化に比して、アジア地域での安倍外交政策は、大体意図どおり推進しているようにに見える。前任者の後の日中、日韓関係を積極的に改善し、人々を驚かしたほか、安倍は絶えずアジア太平洋地域で多角的安全の骨組み構想を推進している。今月初めフィリピンの首都マニラで行われた東アジア地域フォーラム外相会談の席上、日本の外交官は精力的に遊説を展開し、アジア太平洋地域に新しい戦略対話構造、アメリカ、日本、オーストラリア、インドからなる”4カ国戦略同盟”の設立を望んだ。この構想は、最終的にオーストラリア、インドの冷淡な反応により未解決のまま棚上げとなった。
今回の安倍のインドネシア、インド、マレーシア3カ国訪問は、もし彼が頑固にこのアジア太平洋地域の新しい戦略対話機構構想を推進するなら、それは日本のアジアにおける”指導者”として地位を強調することで、アジア各国との関係を改善することではない。そして、その希望の翼により”ポイントを得る”こともなく、逆にアジア各隣邦の激しい非難を受けることとなり、国内政界に泣き面に蜂となるだろう。
人民日報:海外版「安倍政府欲借外事从国内脱困」
- 註1
- 常道ではなく意表をついて問題を解決し勝利すること
以前「自由と繁栄の”狐”が怖い@慰安婦決議案」で紹介した、参院選直後、8月2日の中央党校の機関誌『学習時報』の記事と比べると、日米同盟に対する考察が180度変わっています。『学習時報』の記事では、アメリカ下院での慰安婦決議案可決と参院選での自民党の惨敗の勢いに任せて、「アメリカはもはや日本を利益ある同盟者としてはみていない」という論調でした。
しかし、その後、退陣すると思われていた安倍さんが、政治的空白を作ることを嫌い留任宣言し、予定通り「価値観外交」を推し進めているのを見て、「こりゃ、一筋縄ではいかんべ」とでも思ったのでしょうかね。
ともかく、日米同盟、価値観外交に対して恐怖している中国、そして北朝鮮が参院選惨敗直後に「ニヤリ」とした期待を、安倍さんが留任という困難な道を選んだことで「やや、これは・・」と困惑している、というところでしょうか。「アジア各国から非難されてしまえ!」なんて八つ当たりしていて微笑ましいです(笑)
拉致問題解決を外交政策のトップにすえている安倍内閣としては、政治的空白を嫌い留任を選択したことは外交的にはプラスであったということなのでしょう。少なくとも中共は、参院選惨敗による日本の外交力低下が期待したほどではないという認識のようです。
日本のメディアなどが、小池さんの訪米を「国会を休んでまで行くとはけしからん」、麻生さんの外遊を「卒業旅行」などと貶める動機はここにあったのですかね。
インドネシア、インド、マレーシア訪問を「求心力を失っている安倍の訪問に各国の反応は冷ややか」という論調が日本のメディアで展開されるのかな。
安倍さん、インド議会で演説するのですね。その内容が楽しみです。
ただ残念なのは、以前麻生さん自身も言っていましたが「外交は票にならん」のだそうです。外交でポイントは稼げんということのようです。確かに日本のあんな報道では稼げるもんも稼げませんわな。
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- 「自由と繁栄の”狐”が怖い@慰安婦決議案」
上記の『人民日報』の記事では、防衛事務次官人事に関するゴタゴタや小池さんも首相と共にインドネシア、インド、マレーシアを歴訪することにになぜか触れていませんね。
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つい今しがた映画『出口のない海』を見終わりました。やはりどんなに怒号が飛び交おうがその中を毅然と全て受け止め参拝しないといけませんね。







相変わらず隣は“敵性国家”丸出しですねぇ。
台湾みたいに友好的で民主的なら、こういう気苦労は無いわけで…。
今後永遠にジャイアンと牽制し合わねばならないと考えると、気が重いですわ。
中共が展開する「戦略対話」とやらが上下関係のあるものであることを自ら吐露していますねw
外務省: インド国会における安倍総理大臣演説「二つの海の交わり」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/19/eabe_0822.html
で、朝日と東京が速攻で火病っててワロタ。
首相の訪印―価値観外交のすれ違い
http://www.asahi.com/paper/editorial20070824.html
東京新聞:安倍外交 『価値観』もほどほどに:社説・コラム(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007082302043136.html
おまけにロイターも火病った。ワロタ。
Japan asks Asian democracies to unite, omits China - Yahoo! News
http://news.yahoo.com/s/nm/20070822/wl_nm/india_japan_dc_2;_ylt=AugbnMquC8coNz36oqGC5eKUsLkA
By George Nishiyama and Surojit Gupta
こういう日本人くさい名前の記者が一番臭い。キムチ臭い。ダンボール肉まん臭い。やれやれ。
「あさひ」や「東京」が脊髄反射してしまうほどに中国の付け入る隙のない演説ですね。
> 太平洋とインド洋は、今や自由の海、繁栄の海として、一つのダイナミックな結合をもたらしています。
中国には紛争が絶えない南シナ海と東シナ海、汚染された黄海、紛争と汚染の海しかないですからねー。「西太平洋をよこせ!」なんて暴言を吐きたくなる気持ちも分からなくもないです。
「あさひ」の社説相変わらずですね。
> 価値観を共にする相手であっても、国益の違いを乗り越えるのは容易でない
価値観が違えば尚更ですわな。