先日、温家宝が仰々しく「嫦娥一号」が撮影したという月の画像を発表しましたが、その直後からネット上では「Google moonのパクリだ!」という声が絶えず、ついに月探査プロジェクトのトップがわざわざテレビでその疑惑を打ち消すという事態に発展しております。
中国で生まれたばっかりに自国民からも全く信用されていないかわいそうな「嫦娥一号」ですが、打ち上げ当日からこのグダグダは始まっていました。
「嫦娥一号」は10月24日に打ち上げられ、下記はその打ち上げを報じる翌25日の『荊州晩報』の一面です。
えーと、これ、どっからドー見ても9月24日に種子島から打ち上げられた「かぐや」ですね。確かに「かぐや」の打ち上げの方が、迫力ある絵ではありますが、いくらなんでもこれはいけませんねぇ。
この日の編集長は処分されてしまったのでしょうか。南無さん(´-ω-)人
「嫦娥一号」の打ち上げの映像。
「月周回衛星 かぐや」 H2Aロケット13号機 打上げ映像
出だしでいきなり小ボケをかましてはくれましたが、この後無事に月衛星軌道に進入できたことを大々的に発表し、日本の「かぐや」より1ヶ月遅く打ち上げたにも関わらず「かぐや」より早く探査作業に入ると鼻息が荒かったことは、以前紹介しました。
しかし、ここからまたグダグダが始まります。
11月12日に新華社が「嫦娥と45分間にわたって通信が途絶える」と報じたから大変。
- 新華網「“嫦娥一号”将和地面中断聯系45分鐘」
「見失ったんじゃね?!」、「失敗したんじゃね?!」という声が一気にネットを埋め尽くします。香港紙までもが騒いでおりました(笑)
この噂を11月17日に月探査プロジェクトの副総合デザイナー龍楽豪が出てきて、笑いながら次のように述べて打ち消します。
ネット上の情報は根拠のない、いい加減なもんですよ。順調ですよ。私を信じてください!嫦娥は逃げてませんよ。
新華網「探月副設計師称“嫦娥一号”并未失踪(中国網)」
トコトン信用されていません。失敗しても失敗と発表しないだろうと思われているのですから仕方ありません。
このままでは噂が一人歩きしてしまって収拾がつかないと思ったのかどうかは知りませんが、翌18日に国家航天局が「26日前後に嫦娥が撮影した月面写真を発表する」と発表しました。
これで「見失ったんじゃね?!」という声は一旦収束します。
で、ついに11月26日に「嫦娥一号」が撮影したという写真を温家宝総理自ら除幕し発表します。
今日、我々は比類ない喜びと誇らしい気持ちを持って、「嫦娥一号」衛星が初めて撮影した月面画像の発表セレモニーに出席している。(中略)私は、党中央、国務院、中央軍事委員会を代表し月探査プロジェクトの開発、建設、発射、観測、科学的応用などの各分野の任務についてる多くの科学技術者、幹部、作業員、解放軍指揮戦闘員に対して熱烈な祝賀と崇高な敬意を示し、皆に心からの慰問と心からの感謝を表す!
月探査プロジェクトは、人工衛星プロジェクト、有人宇宙飛行プロジェクトを受け継ぐものであり、我が国の宇宙活動の第三の一里塚である。初めての月探査プロジェクトの円満な成功は、我が国を世界でも数少ない上空探査能力を有している国家の列に加えるものである。これは我が国の総合的国力が著しく増強され、自主創造能力と科学技術レベルを不断に高めることの重要性を体現しており、更に我が国の国際的地位を高めることにおいて、民族の凝集力を増強し、非常に重大な現実的意義と深遠な歴史的意義とを持ち合わせていることを示すものである。これは必ずや全国各民族人民の新型国家創建を更に鼓舞し、近代化推進のための努力と闘争とを加速させるであろう。
月探査プロジェクトの実施は、党中央、国務院、中央軍事委員会が生み出した一つの重大な戦略方針である。胡錦濤総書記は、我が国初の月探査プロジェクトに非常に関心を示しており、自ら中央政治局常務委員会議主宰し、プロジェクトの進捗状況を聴取し、「嫦娥一号」が月周回にに成功した時には、直ちに祝賀のメッセージを発し祝意を示した。月探査プロジェクトには、全国各民族人民と海外華人、華僑らが熱烈な期待を託されているのである。ある老華僑が次のようにしみじみと語った。「我々は成功を期待しています。貴方達が衛星を打ち上げるたびに、我々は大変誇らしくなります。今、中国の宇宙関係者が、今一度己の心血と汗とをもって人々を満足させる結果を出しました。貴方達は祖国と人民の大きな期待と重大な使命に恥じるところが微塵もないのであります!」
(以下、延々と仰々しい演説が続く)
新華網「温家宝:在"嫦娥一号"首張月面図片発布儀式式上的講話」
ジーク・ジオン!ジーク・ジオン!ジーク・ジオン!
ガクト、うまいすっね(笑)・・・失礼しました。
国威発揚必死だな。と言ってしまえばそれまでですが「理科への意欲最下位」などと危機感を煽るより、日本もちびっ子たちに理科、科学、理系、技術に対してもっと夢を見させることをしないとなぁ、と思います。ぜんじろう先生の実験も面白いですが、もっと壮大なロマンを見せてあげないと・・・と思います。
ガンダムを見て工学系へ進んだ学生は多いのです。今の日本のロボット工学の発展のきっかけは「鉄腕アトム」であり、「ガンダム」が牽引していることは間違いありません。また、F1でのホンダエンジンの活躍を見て自動車工学へ進んだ学生も多いはず。「トヨタ、純利益1兆円突破」では、ちびっ子の心を鷲掴みにはできません。そういう意味で「かぐや」の活躍をもっと大々的に細部にわたりアピールすりゃーいいのにと思ってしまいます。
教育改革で授業時間などをこね繰り返したり先生がたの努力だけではたかが知れています。どかーんと国家予算をつけて国家プロジェクトとして宇宙開発を行い、大々的に広報すれば10年後には理系が人気となっているんじゃないですかね。とりあえず今回はNHKがんばれよ。
話が逸れてしまったので、続きは稿をあらためます。
- 月のきほん
- 白尾 元理
- おすすめ度平均:

- ランキング:116534位
- Amazonで詳しく見る
- 関連商品
- 星のきほん―STAR GUIDE
- 太陽のきほん―SUN GUIDE
- 惑星のきほん
- 月の本
- 最新・月の科学―残された謎を解く (NHKブックス)
- posted with CB400ss -PHP- at 17.Oct'09
つーか、理系って本当にそんなに人気ないのかな。あまり実感がないなぁ・・。
おまけ








>ある老華僑が次のようにしみじみと語った。「我々は成功を期待しています。貴方達が衛星を打ち上げるたびに、我々は大変誇らしくなります。今、中国の宇宙関係者が、今一度己の心血と汗とをもって人々を満足させる結果を出しました。貴方達は祖国と人民の大きな期待と重大な使命に恥じるところが微塵もないのであります!」
あ〜、やっぱり「老華僑」に人気無いっていうのを深く自覚しているんですねぇ、共産党。
ヨーロッパの華僑なども、以前は「静かに溶け込む」やり方で粛々と現地人と共存して来たようですからね。
そこへ民度の低い連中が大量にやって来て、あのイタリアでの乱痴気騒ぎです。
そして今や、チャイナタウンでも「チャイナフリー」やってるし。w
ガクト上手いなぁ…w
私は、中国から帰ってから鼻血が出るほど鼻をかみ、喉から血が出るほど咳が止まらなくなって、医者に駆け込んだ経験があります(^_^;
ちょうどインフルエンザの季節だったので、インフルだったのかもと思いましたが、「重症の風邪(大陸バージョン)」と診断されました。
ほう、そう読みましたか。
> SARSは大丈夫でしたか?
いえいえ、軽い発熱だけだったんで薬を飲んで2、3時間寝てすっかり回復しました。
向こうにいると軽い不調など気にならなくなりますよね。くわばら、くわばら。
http://www.zakzak.co.jp/people/20071211.html
「“ファーストガンダム”はガンダムの原点。中途半端な形で人にいじられるくらいなら僕がやるべきだと思った」というが、その後のガンダムについては「商業主義の副産物」とバッサリ。
BS11でファースト放映中で、アタイ歓喜www
「学研の科学」を毎月楽しみにしていたアタイはガチ理系。
> 小学校の理科の授業時間。昭和40年ころの半分
ふむう。
理科だけじゃなく全体的に共通一次時代と比較すると授業時間がかなり減っているとか。
言葉は悪いですが下(出来ない子)に合わせるカリキュラムではなく、出来ない子をフォローするシステム、環境を構築すべきだと個人的には思っております。そもそも「ゆとり教育」の必要性なんぞなかったんじゃないかとも思っていますが。
徒競走で最後は全員が手を繋いでゴールするような狂った時代ですから修正は簡単ではないでしょうが。
>ほう、そう読みましたか。
はい、そのように読みました。
それを裏付ける具体的な証拠もありますが、こちらで上手くご紹介できないのが非常に残念です。^_^;
>全国各民族人民と海外華人、華僑らが熱烈な期待を託されているのである。ある老華僑が次のようにしみじみと語った。
第一、文章がクド過ぎますよ。
そもそも、「各民族」とは56族の事ですよね。いささか必死だな、と。
海外を飛び回っているだけあって、各地華僑らの空気がよく分かっているのかも知れませんね。
くどいと言えば、昨日人民大会堂で嫦娥一号の成功を祝う式典を中央指導部全員が出席して盛大に行われ、その場で行った胡錦濤の演説も温家宝とは違う点で相当くどかったです。
トウ小平理論、三つの代表の重要思想、科学的発展観、泰山精神、滅私奉公、十七大精神を貫徹し・・・中華民族の復興を示す偉大な出来事で、中華民族が人類に貢献できる・・・・
様式美なのでしょうが、こちらもくどすぎます。