激しく今更な話題ではありますが、現在も感染地域拡大中ということで『南方都市報』の5月6日付けの記事をば。
昨日(訳者註:5月5日)までに全省で1692例の感染、死亡3例の報告あり、佛山では成人の手足口病感染例の疑いあり
昨日、佛山市衛生部門は、手足口病の専門家とメディアとの報告会を手配し挙行した。これによると、今年1月から佛山では、合わせて120例以上の手足口病患者を治療し、大多数の患者の症状は軽微であったという。また、佛山では最近これとは別に成人で手足口病に感染した疑いのある患者が現れたが、症状は軽微だという。
高明の2つのEV71の死亡例は合併症
会見では、佛山市の某病院の小児科主任医師である麦智広によると、高明の2例の手足口病で死亡した患者は2人とも1歳前後の幼児で、症状は典型的で、診断は明確で、治療は適切で、病状は相対的に安定していたが突然悪化し、短時間のうちに治療の甲斐なく死亡し、その原因は神経系と呼吸器系の合併症で、呼吸循環の衰弱を招き、これはEV71感染の特徴と一致していると説明した。
麦智広は、2、3人の成人で手足口病と疑わしき患者を診察したことがあるが、全員が子供が病気になり自分も気分が悪くなったと感じついでに医者に問い合わせたものだったと説明した。診察したところ、成人の症状は軽微で、微熱で、単に喉が痛くなり、少し水ぶくれなどの症状が見られただけだという。
昨日は新たな死亡例はなかった
記者が昨日、広東省衛生庁から聞いたところによると、5月5日午前10時現在、今年の全省の手足口病感染例は合わせて1692例、死亡3例(佛山市高明区で2例、茂名で1例)で、昨日は新たな死亡案件はなかったという。一昨日現在の感染例は合わせて925例だったので、つまり昨日一日で767例増えたということだ。
南方都市報「广東手足口病1日767例/発病数或過万 専家:EV71病毒很狡猾」
嘘くせー。本当に1日でこれだけ急激に増えているのなら恐ろしい事態だけど、報告していなかった感染例がボロボロ後から後から出てきているということなのでしょうね。記者もさすがに心得ていて皮肉たっぷりな書き方。
ちなみに9日の『南方都市報』の記事では、広東省衛生庁が8日晩に発表した統計によると、省全体での感染例は7103例で、そのうちEV71のものが34例、死亡が4例となっております。激増。
- 南方都市報「广州新揶齬瓲V71死亡病例 東莞一童死亡:疑因手足口病」
あっ、これはあくまで広東省に限った話です。今回の大流行の発生源であろう安徽省などは、また別の話です。・・・・記事は続きます。
昨日、深セン市疾病コントロールセンターが発表した最新の監視測定報告によると、一昨日現在で全市の今年の手足口病感染例は合わせて518例で、大多数の症状は軽微で、未だに重病者や死亡例はないという。検査測定の結果は、少数の病例サンプルで腸の毒性ウイルスEV71型を検出したとある。
広東の発病数はもしかすると1万を越えるかも
発生しやすい季節に局地的に爆発的に流行する可能性を排除せず
省政府応急処は、昨日その公式サイトで、6〜7月は手足口病が発病しやすいピークの時期で、国内外での以前からの流行の状況と結合し、全省で今年の発病件数は1万例を越える可能性があると予測している、という専門家の言葉を引用し述べた。発病しやすい季節では、局地的な爆発的な流行の出現も排除せず、死亡例もある程度増加するだろうという。
専門家の予測を引用している情報によると、衛生部は5月2日に手氏口病を丙種伝染病管理分類に入れ、各地で疫病状況報告工作を強化し、短期間のうちに報告される症例数は比較的早く上昇するだろうという。5月〜9月、特に6月、7月はこの病気の発生のピークとなり、国内外の流行状況とリンクすると、全省で今年の発症数は1万例に達する可能性があるという。この病気の感染源のコントロールはある程度難しく、成人の劣性感染者が伝播の原因であったりなどし、ピーク時には、局地的で爆発的な流行の発生も排除せず、死亡案件もある程度増えるだろうという。
ウイルスは狡猾で結果は非常に深刻
専門家曰く、EV71症例は完全に死を免れる方法はない
EV71ウイルスは、なぜ致命的なのか?昨日午前、広東省疾病コントロールセンターの専門家は記者にその真の姿を晒してくれた。専門家は、EV71に感染すると急に症状が危険な状態になるのは、それが極めて狡猾な一面を持っているためだと述べた。
EV71感染例で完全に死を免れる方法はない
理解したところによると、手足口病を引き起こすウイルスは20種類以上あり、その中で主要なものは2種類あるという。コクサッキーウイルスと腸道ウイルスのEV71だ。ではなぜEV71ウイルスに感染すると多くが危篤状態に陥るのだろうか?
「EV71ウイルスは狡猾な一面を有している」と広東省疾病コントロールセンター流行病予防チ用研究所副所長・何剣峰は昨日、記者の取材を受けた際に指摘した。EV71ウイルスに感染すると、その症状はコクサッキーウイルスの典型的な症状とは違い、感染した子供の熱は高くなく、発疹も大きくなく、はしかの時に見られる程度の大きさのあせもが出るだけだが、一旦合併症が現れると、ウイルスは一気に人間の脳神経系統、例えば脳幹に浸入し、多くの臓器の衰弱を引き起こすのだと述べた。「それは非常に短時間の内に死を引き起こし、医師の応急処置の時間もないほどで、このために完全に死亡を免れることは不可能なのだ」
ウイルスは球体で20面体構造
昨日の午前、何剣峰は記者に対してEV71の真の姿を晒した。記者は、電子顕微鏡で撮影された映像を見たところ、EV71ウイルスは球状で、表面に不ぞろいな凹凸がある構造で、「これの表面のデコボコは人体の細胞に吸着するのに便利で、細胞上で繁殖する」という。
説明によると、EV71ウイルスの最大のウイルス粒子は、たった30ナノメートルで、ウイルスは20面体の構造で、主に人体の喉頭部と腸内粘膜で繁殖し、7〜14日潜伏し発病するという。「このウイルスは人体のリンパ系統を侵食し、ウイルスは血液中に一定時間滞在しないと検出できないので、更に脳幹など多くの人体の臓器に浸入するのだ」という。
何剣峰は、現在のところEV71ウイルスに有効な特効薬やワクチンは存在せず、主にリバビリンウイルス系疾病で常用されている薬物を使い、人体自身の抵抗力、感染者のリンパ細胞によって取り除くのだという。
3〜5歳の児童で抗体を持つ者は30%もない
何剣峰は、EV71などの腸内ウイルス劣性感染と優勢感染の比率は1:100で、つまり多くの人が感染しても症状が出ることがないが、感染後人体が即座にこのウイルスに対する抗体を生産し、二次感染が起こることはないと指摘する。
「生まれた半年以内の乳児は、母体からの保護抗体があるが、抗体は半年で消えてしまう」、このために生まれたばかりの子供を持つ両親は過剰に心配する必要なないと何剣峰は述べた。対して、3〜5歳の幼児がEV71ウイルス感染のピークで、これはこの時期の子供でEV71ウイルスの抗体を持っている者が非常に低く、たった4%〜26%しかないからだ。
南方都市報「广東手足口病1日767例/発病数或過万 専家:EV71病毒很狡猾」
手足口病は昨年、山東省で大流行し、当局の発表が中途半端に行われたことから携帯電話で「幼児を襲う謎のウイルス登場」というデマがあっという間に広がり大騒ぎとなったことがありました。
- 2007年05月15日「山東省で謎の疫病発生し多数の幼児が倒れるも当局はデマと」
- 2007年05月20日「山東省の手足口病パニック続報」
昨年の教訓なのか、オリンピック前に変な噂が流れることを嫌ってか、昨年よりは情報開示を積極的に行っているように見受けられ、昨年のようなパニックにはなっていないようではあります(どこまでが本当なのかなんて誰にもわからないのだけどw)。
しかし、例年のこととはいえ、感染地域が広く、発症者数が多すぎるような気がします。『明報』の記事によると、内地の手足口病感染者数は、水曜日(7日)には19,962例だったのが、8日には21,502例と増え続けており、死者は30人で、その内訳は安徽省で22人、広東省で3人、海南省で2人、浙江、広西、湖南でそれぞれ1人ずつとあります。
- 明報「EV71個案搦2萬宗」
追記:死者32人に
9日の発表によると感染例は更に増えて24,934例で、死者も32人となったようです。
- MSN産経ニュース「中国の手足口病患者2万4千人超す 死者は32人に」
追記ここまで。
春節前後に南部を中心に大寒波が襲い、甚大な被害を受けた際に「伝染病が流行りやすい状況で注意が必要」との声を紹介しましたが、まさにその通りの展開になっているようです。そして、食糧不足と食糧価格の上昇、オリンピックを諸外国の反発を気にする余裕などなく愛国心を煽り五輪機運を国内で盛り上げているのは、こんな厳しい現実から目を反らさせるためか、なんてついつい穿った見方をしてしまいます。
チベット問題、経済的問題を含め、中国国内のさまざまな問題が顕著となり、本当ににっちもさっちも行かなくなっているのかなぁ、なんて胡錦濤の媚日ぶりを見て思ったりもします。そうそう、愛ちゃんと胡錦濤との卓球を見た後のフフンのセリフ、あれいいの?あからさま過ぎませんかね。あのおっさん、天然なのか、単に空気が読めないのか、読んでいるのか、よくわかりません。
- 関連外部記事
- 感染症情報センター「東アジア地域で分離されるエンテロウイルス71型の分子疫学(Fri, 17 Sep 2004 17:58:59)」





